第48話 砂漠のモンスターたち
待機期間のモンスター狩り
目の前に広がる砂漠に呆然とするしかありませんでした。
砂漠の遠くを見ると地平線上に浮かぶ陽炎が見えます。ただ、それだけしか見えないのです。
雲一つもない天気なので砂漠の砂の色と空の青色の二色しか見えない光景を横目に馬車で進んで行くそうです。
前方に見えるのは馬車が通る街道用の石畳みと街路樹として植えられたヤシの木以外は全て砂漠という砂地しかありません。
街道用の石畳みとヤシの木にはモンスター除けの効果があるそうです。これがあるからモンスターが近寄らないそうです。
元の世界の柵とか有刺鉄線のように動物を物理的に避けるのではなくて、モンスターが近づきたくなくなるような素材や植物を使ってモンスターを寄せ付けないようにしているそうです。
モンスターを寄せ付けないようにしているだけで、モンスターが近寄らない訳ではないそうです。
石畳の上にいればモンスターに襲われないと勘違いする人もいるそうですね。
(苦手なものがあると避けたくなるあれかな?)
この辺の砂漠には所々サボテンも植えられているのかな?
そう思っては駄目だそうでサボテンは全てモンスターの擬態だそうです。
細身のサボテンとボールのような形のサボテンの二種類はサボテンのモンスターですが、どちらも脅威度Dだそうです。
暑い砂漠にいるので火魔法に強いらしく、身体を貫通するような攻撃には弱いそうです。それでも脅威度Dなので気は抜いてはいけないそうです。
砂漠を移動する時に気を付けるべきモンスターは致死性の毒を持つサソリのモンスターだそうです。
両手には大きなハサミを持ち、尻尾の部分には毒針があり刺されるとサソリの毒で命を落とすこともあるとのことです。
小さなサソリは『スコーピン』と言い、砂漠では注意すべきモンスターではないそうで、大型のサソリは『スコーピオン』と言って、遭遇すると逃げるか大勢で囲んで倒す戦法が良いそうです。
ソロ冒険者の私だと逃げた方が無難だとか。
通常のスコーピオンは脅威度Bです。
通常個体よりも身体が大きくなったり、両手のハサミが四本になったり、尻尾が二本になったり、この全てを持っていたりと凶悪な姿になればなるほどスコーピオンの脅威度は高くなっていきます。
Cランク冒険者でレベル35の私が相手に出来そうなモンスターは脅威度Dの小さい方のスコーピンとサボテンだけですからね。
こんな危険な地域からは早く出て行きたいです。
それも後六日ぐらいの我慢です。
宿屋で食事をしていると第四門の方に話を聞けました。第五門の人が近日中(六日後ぐらい)に馬車で買い出しに向かうそうです。
道中の身の安全は保障され遠くにある町まで連れて行って貰えます。今回は大型の荷物もないので馬車に乗せても貰えるそうです。
基本的に大きな荷物がある時の方が珍しいそうです。
マジックバッグに入れて物を運びますが、マジックバッグに入らないような荷物が大型な荷物扱いだそうです。
マジックバッグには容量(重量制限)があって容量を超えてまで物を入れることは出来ません。
ダンジョン街のレンタルマジックバッグのような無限に入れることが出来るマジックバッグを大量に所有している方が珍しいことだとか。
ダンジョンの領域だから使用範囲を限定するという条件付けすることで無限に入れられるようにしているのではないと言われました。
無限に物を入れられるや中身の時間が止まるやその両方の機能を併せ持つマジックバッグは特に貴重で世間に出回っているのは容量が限定されているが大量の荷物を運ぶには都合が良いマジックバッグばかりだそうです。
入れる物の形状関係なく物を入れることが出来るので大きい物が優先して入れられるみたいです。
容量を超えるような大きな物は入りませんし、入り口より大きな物も入れることは出来ません。
容量が十キロのマジックバッグに、一キロの物を十個入れるか五キロの物を二個入れるかなど全てのマジックバッグの数と容量を計算して上手に入れる工夫が必要となります。
どのマジックバッグにも入らないような荷物が常にある訳ではないので今回の買い出しには余裕があって私も一緒に連れて行って貰えることになった理由です。
馬車に乗れる人数に余裕があれば、旅の冒険者さんや商人さんも結構頻繁に近くの町まで運んでいるようでした。
ただし、馬車の運行日程を同乗する冒険者さんに合わせることはしないそうで、度々トラブルになることもあるようでした。
王国方面へ向かう馬車と聖神国方面へ向かう馬車は両方で十五日ごとに出ています。王国方面に向かう馬車は先日戻って来たそうで次の出発は約三十日後。
聖神国方面へ向かう馬車は約十五日後に出発するそうです。
それぞれは三十日周期ですが十五日ずらして運行しているみたいです。
私が砦に着いて数日後に王国方面からの馬車が戻って来たので、後六日後ぐらいで聖神国方面の馬車に同乗出来るような日数になりました。
私が第一門から第二門間を移動している間に王国方面から戻って来たそうです。
ここ数日間に砂漠のモンスターと戦ってみた感想です。
サボテンは不用意に近づくと針を飛ばして来ます。
スコーピンは大きなハサミと毒針の付いた尻尾が意外と邪魔して来て面倒です。
カスミ:
風よ。我が敵を切り裂け 【風刃】
白衣を来た女性が言っていたように丁寧に魔法を使って攻撃します。
何となくですが、女性が言っていたことが分かるような気がします。
効果が直ぐに現れる訳ではありませんが・・・。
弱っちくても光魔法、闇魔法、土魔法、風魔法は有効な結果が見られました。
火魔法に耐久があるサボテンには火魔法と水魔法は効果が殆どなかったです。
寧ろ喜んでいるようにも見えました。
色々と試してみた結果、サボテンのモンスターは隠密で隠れて背後から戦斧で斬り付けた方が早かったです。
スコーピンは隠密を使ってヒット&アウェイで攻撃した方が良かったです。忍者スーツのスキルを有効にすると戦いやすかったです。
陽動や囮に丁寧に魔法使うと熟練度も上がるので私に都合が良い状況になって行くような気がします。
無理矢理魔法の熟練度を上げた弊害を元に戻すには大変に感じました。
サソリの尻尾や大きなハサミを魔法でスパッと斬れるようになると魔法が楽しく感じるようになるのではと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




