第47話 旅路 中央管理局~第二門まで
聖神国へ向かう道中
中央管理局付近で取った宿屋の部屋で私は朝食を楽しんでいます。
ここの砦では保存食がメインの食事でした。
ですが、それは保存食特有の物ではなく保存の効かない食事と同じレベルで味わうことが出来ました。
と言っても高級食材を使った料理ではないので、固い黒パンが柔らかい黒パンになるとかジャーキーのような干し肉が美味しいカツサンドに変わっていたりしていて驚きました。
周囲に食料を購入出来る町が少ないのと遠いので、仮に購入した食料も何日も保存しなければならないので、国境の砦のこんな環境からは保存可能な食料から作られた食事になるそうです。
近くの町でも馬車で四~五日かかるなら仕方ないと思います。
食料などの荷物を運ぶのも基本はマジッグバッグに入れたりして大量に運べるようにはなりますが、時間停止機能があるマジックバッグは大変貴重です。
数多く出回っている量量の大きいマジックバッグで大量の保存が可能な食料を購入し大勢の食事をやり繰りしているそうです。
そんな食事生活から考えられたのは、保存食を美味しく食べる方法だったとか。
冒険者さんが旅で食べる保存食と保存が出来る食料を組み合わせて食事は作られます。
小麦粉のような白い粉とかお米のような白い粒、干した魚や肉類、近くの森で採取された木の実やキノコなどが長期保存が可能な食材がメインとなります。
お米のような白い粒も粉にして使っているそうで、それを使った料理は何だか懐かしいと思えるような味がしました。
第二門から出たアズアン聖神国側は直ぐが砂漠なので食べられる動物はいません。
第一門から出たグランドワール王国側の森で木の実やキノコ類を収穫出来るぐらいです。
森の動物は脅威度の高いモンスターに食べられてしまうから動物の肉は得ることが出来ないんだとか。
モンスターは倒しても魔石かドロップアイテムにしかならないのでオークのような食材をドロップするようなモンスターからしか食材を得ることが出来ません。
稀に得られるドロップアイテムの中にはオーク肉のような食材を得られた時には豪華な食事になることもあるそうです。
私は宿屋を出る時に、今日の夜のご飯と次の日の朝に食べるのなら問題ないと言われた元保存食で作られた保存が効かない弁当を二つ購入して第二門を目指します。
中央管理局で教えて貰った通りに、壁や道路の色が変わる所にある休憩所で休憩を挟んで次の休憩所を目指します。
次の休憩所では朝購入した弁当を食べてテントを張って次の日に備えます。
こんな感じで次の日も第二門を目指しました。
グランドワーク王国側にいた第六門で出会った守護騎士さんたちは皆さんお揃いの青色の鎧を装備していました。
第二門のアズアン聖神国側の守護騎士さんたちの皆さんがお揃いの緑色の鎧を装備していました。
グランドワール王国には青の勇者様の象徴【色】が青色なことから国に所属する騎士などは青色で整えられた鎧を装備するそうです。
アズアン聖神国には聖女様のお気に入りの緑色を国に所属する騎士などが緑色の鎧を装備するそうです。
同じ色という言葉なのに、勇者様には【色】と言い、聖女様にはお気に入りの色というのが気になりました。
勇者様が召喚された時に、勇者様の恩恵、特徴と言える色が【色】と呼ばれるものだそうで、青の勇者様はその【色】が青色だったことから青の勇者と言われるようになったそうです。
もし、青の勇者様の【色】が青色ではなくて黄色だったら、黄の勇者様と呼ばれるようになってたそうです。
ようやく、第二門まで辿り着きました。
大人の脚でも第一門から第二門まで一日で辿り着くは、大人でも一日は休まずに移動してことのようです。
実際は中央管理局で一泊するから二日で移動出来る距離になるそうです。
私の場合だと宿泊する日数を数えると四日必要になりました。
大人の脚でという考えは、私の脚では+四時間ぐらいを見積もっておけば良さそうです。
ここは大昔に青の勇者様がやらかした土地だそうです。
記録では、アズアン聖神国側からグランドワール王国側に向けて、剣技(剣を使った技みたいもの)を使ってしまい森を消滅させ山を削ってしまったそうです。
大量の熱量を持った技はその余波でアズアン聖神国側の森を焼き払ってしまったとか。その後の森は草木も生えぬ砂漠と化してしまったそうです。
その余波で森の先にある山脈(現在の砦のある場所)には亀裂を入れてしまったとか。
標高が約三百メートルぐらいの山を山頂から真っ二つに切り裂いたとされているので凄い力で切り裂かれたんだなと思いました。
勇者様の目的が道を作ることでは無かったことが、勇者様がやらかしたと言われる理由です。
この亀裂の跡地が綺麗に整えられてこの長い第一門から第二門までの国境の砦になったそうです。
第二門からアズアン聖神国の方へと出ると何処まで続いているのか分からない砂漠があるそうです。
そんな砂漠を前にした私は「なんじゃこりゃ~!!!」と大声で叫ぶしかなかったです。
現在はアズアン聖神国やグランドワール王国となっていますが今は無き某国時代の話だそうです。
勇者を召喚した国や聖女の故郷だった国の名前は詳しくは残されていません。
世界の脅威と戦っていた時代の激しい力の衝突具合が残された前時代の大戦の悲惨さや凄さなどが感じられます。
青の勇者様が、全力で使った剣技の余波が森を薙ぎ払った。
その余波は止まることなく高い山脈を削り何とか山が消し飛ばずに残った。
鋭い剣戟のみが山を貫通したってのが真実なのでしょう。
スキル:クラスチェンジで一度だけ勇者になった私だから分かるような気がします。一度使ってしまえば制御も難しい凄い力を振るってしまった。
そんな力を発揮しないと倒すことが出来なかった世界の脅威の軍勢。
現代に復活すれば大変なことになるに違いないと思います。
封印されている世界の脅威が復活の予兆が起きれば、異世界からの新たな勇者が誕生するでしょう。
その勇者が凄い力を振るう時にそれを止めるべき力が私にあれば、行為そのものを止めるべきか勇者と共に戦うべきかと今の私の心は迷っています。
今なら間違いなく力が足りないので戦いそのものから逃げてしまうと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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