第45話 国境の守護者たち
遠く離れた地だった
今日の回復行為で殆どの軽傷の怪我人の治療が出来たそうです。
失ってしまった血や体力などは直ぐに回復するようなことはないので怪我した人は今日は安静にしておくんだそうです。
カスミ:
あのう。ここは何処ですか?
白衣女性:
ここはアズアン聖神国とグランドワール王国との国境の砦カズンワールの第六門を管理している司令塔よ。
お嬢ちゃんは何処から来たのかな?
カスミ:
サラブ領ヤマギワ村っていう所から来ました。
白衣女性:
サラブ領?
本当にそんな所から来たの?
遠いのに大変だったわね。
現在地とサラブ領との位置関係を教えて貰いました。
ここはグランドワール王国とアズアン聖神国との国境を守るカズンワールという国境の砦だそうです。
国境にはグランドワール側の通行門に第一門があり、第一門を挟むように左右に第三門と第六門がグランドワール王国側にあるそうです。
アズアン聖神国側の通行門に第二門、こちら側と同じような配置で第四門と第五門が第二門を挟むようにアズアン聖神国側にあるそうです。
第一門を正面にしてみると国境の砦の作りが良く分かるそうで、砦の左右には国境の山があります。
山と山の山間部を通り抜ける街道に巨大な砦を作って国境を守っているそうです。
他の国が攻めて来るのではなく、この周辺地域も魔の森の奥地と同じかそれ以上の強さのモンスターの生息地があるので巨大な砦を作り国を守っているそうです。
脅威度Bの出現は日常的あるそうです。
(脅威度Bが日常的だとヤマギワ村周辺よりも大変な地域かも)
国境から王都までは高速馬車を使っても四十日ぐらいの距離があるそうですが、この近くでは高速馬車は利用出来ないそうです。
領都サラブから王都まで高速馬車で十日だったので、それを考えるとかなり遠くまで大きな鳥に運ばれたのだと思いました。
ガルーダという脅威度B+の大型の鳥のモンスターに私は運ばれたようです。
第三門の方でガルードと思われる大型のモンスターを追い払ったという話を聞いたそうです。
そんな砦がどうして脅威度C+程度のモンスターの襲撃にこれだけの被害を出したのか疑問ででした。
聞く話によると主戦力が不在だったからそうです。
主戦力は、守護騎士と呼ばれる一チーム十人が四チームの合計四十人。
今回、砦に残っていたのは準守護騎士と呼ばれる部隊で約六十人ほどが第六門を守っていました。
冒険者ランクで言うと守護騎士はAランクやBランクの冒険者ぐらいの強さがあり、中にはSランク冒険者のような強さを持つ守護騎士もいるそうです。
準守護騎士の方がCランク冒険者以下の強さを持つ者ばかりなので駆け出しの準守護騎士もいれば、ベテランの準守護騎士もいるそうです。
今回は運が悪かったというものあるそうです。
大きな町へ物資の輸送の護衛に一つ目のチームが駆り出される。
(当番制で今回は第六門が選ばれた)
第五門の方からも援軍要請で駆り出された二つ目のチーム。
ガルーダの襲撃に周囲の警戒に出発した三つ目と四つ目のチームが脅威度Bや脅威度B+とそれぞれ交戦することになった。
無事に討伐を終えて帰還しているそうです。
第六門が偶然手薄になった処に、ホブゴブリンリーダー(三体)が率いる約五十体の襲撃を受けたそうです。
カールさんは準守護騎士ですが、Bランク冒険者相当の強さを持つ人だったので彼の指示で何とか乗り越えたと言った様子でした。
脅威度Bと脅威度B+には守護騎士一チームで対処し、脅威度Aには守護騎士二チームが対処するそうです。
第五門からの要請は脅威度A+守護騎士三チーム必要な対処だったのでガルーダへの警戒に人手が足りなかったそうです。
第三門から人手を借りられなかったのか? という点ですが、第六門と第三門は離れているので、緊急で人手を借りても今回のような場合には間に合いませんでした。重装備した騎士が二時間ぐらいはかかる距離だとか。
第一門と第二門には、守護騎士一チーム十五人と準守護騎士三十人しかいないので、ガルーダへの警戒に守護騎士が出ると準守護騎士だけで第一門や第二門を守らなければならないそうです。
空飛ぶモンスターは地上のモンスターよりも一段階上の脅威度で考えて戦うんだそうです。
ガルーダは脅威度B+なので、地上では脅威度Aと同等の強さを持つモンスターとして対処しなければならないんだとか。
脅威度=強さというよりかは空を飛ぶという厄介なモンスターという認識だそうです。
砦からグランドワール王国内の近くの町や村には馬車で二~三日ぐらいかかるそうです。
砦からの馬車は既に物資の輸送という名目の買い出しに出ており、今出ている馬車が戻って来ると次の買い出しまで馬車は出ないそうです。
それまでの約三十日ぐらいはここで過ごすことになりそうです。
サラブ領や王都方面に戻るには、ここから四~五日ぐらい馬車で行った所に領都があるそうで、そこから高速馬車に乗って約四十日ぐらいで王都に到着するそうです。
サラブ領サラブまでだと三十日ぐらいということは王都と国境を結ぶ挑戦上にサラブ領があるということです。
アズアン聖神国方面の事情は第六門の関係者からは詳しい情報を得ることが出来ませんでしたが、首都へ行くなら王都へ行くのと同じぐらいはかかるんじゃないかと言われました。
詳しく知りたければアズアン聖神国側の人に聞いてくれとのことでした。
基本的にグランドワール王国の王都とアズアン聖神国の首都間を交易する商人はいないそうです。
転移門があるので、直接取引が出来るので国境を経由する必要はないらしく、国境付近の領地を貴族や領地に住む商人などが交易をするぐらいだそうです。
国境付近の町や都市間でなら十日もあれば行き来出来るからだそうです。
それにこの付近は高い脅威度のモンスターが良く出るので、護衛の冒険者も高ランクじゃないと厳しいらしく護衛の冒険者の手配も大変で中々集まらないそうです。
交易や行商するには危険すぎるようです。
乗合馬車のようなものはなく、ここから出て行くなら商人が荷を運ぶ馬車と一緒に行くぐらいになるそうだが、荷があるので馬車に乗れるようなことはなく、護衛の冒険者と同じように歩くか馬に乗るかになるそうです。
私は馬に乗れないので結局は歩きでしか直ぐには出られないようです。
第一門から第二門へ行くにも大人の脚で半日ぐらいかかり、子供の脚の私だと約一日ぐらいはかかりそうだと言われます。
砦内で馬車の運航はなく歩きになるそうです。
砦の中心には中央管理局と呼ばれる国内外を出入りする商人や冒険者の検問所があります。
ここの守護騎士や職員などは検問を受けることなく通ることが出来るそうですが、第一門や第二門と中央管理局間で仕事をするので国境を超えることは殆どないそうです。
稀に守護騎士が駆り出される時ぐらいしか国境を越えることはないようです。
ー王国と聖神国と砦の位置関係のイメージー
世界地図の王国(南アメリカ)、聖神国(北アメリカ)、砦(コロンビア~メキシコ)、周辺のカリブ海、メキシコ湾、太平洋は全て山というイメージです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




