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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第三章 旅路 アズアン聖神国

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第39話 旅路 王都~サラブ領ヤマギワ村

説教されて故郷への帰省を考えます

 いつものように冒険者ギルドに行くといつものようにギルドマスターの執務室へ案内されます。


ギルマス:

また、お嬢ちゃんか。


カスミ:

溜息なんて吐かないで下さいよ。

オークションで大儲けしたんですから・・・。


ギルマス:

お嬢ちゃんには、儲けさせて貰ったしな。

それで、これが依頼されてた欠損を回復するポーションだ。


カスミ:

お金は?


ギルマス:

四億と言ったけど三億で良いぞ。


カスミ:

一億も値下げなんて良いのですか?


ギルマス:

聖銀の矢の遺産祭に金を使いたかったらしく欠損を回復するポーションの値が上がらなかったんだ。

その関係で三億という今までにない最低価格で購入出来たって訳だ。

お嬢ちゃんさまさまってことさね。


カスミ:

そんなに影響あったんですね。

欠損を回復したい人よりも遺産の方に気が向くって・・・。


ギルマス:

そういう意味じゃないぞ。

欠損を回復するポーションは毎回一、二個しか出品出来ない。

欠損をした者が使うんじゃなくて、欠損に備えるためにポーションを確保する為のものさ。

それでお嬢ちゃんは、元パーティーメンバーの所へ行くのかい?


カスミ:

まだ、迷っています。

欠損の回復ポーションは手に入れたけど、それを渡しても良いのかどうかも迷っています。


ギルマス:

今の生活が~とか今後の予定が~とか言ってないで、そんなの気にしねえで渡しちまえば良いんだ。

後は、そいつが考えることさ。

お嬢ちゃんが気にする必要なんかない。


閑話休題(話変わって)


 途中からギルドマスターのお説教が始まってしまいました。


 私の冒険者ランクの上げ方が異常であることを責められました。一日でソロ冒険者がオークを百体なんて狩れない。

 「私は単独オーク狙います」と言って良いレベルではない数から、途中で単独オークを狙うのが面倒になってオークを見つけ次第殲滅してたに違いないと言われました。


 (間違ってはいないけど・・・)


 オークの集団やオーガには手を出すなと指摘されてたのに、結果はオークの集団を殲滅してるしオーガも数体か討伐しているしで戦闘狂か? とまで言われました(><)


 魔法のカバン(中)に欠損の回復ポーションと手紙ぐらい入れて、魔法のカバンごとそいつ(レイラちゃん)にやれば良いんじゃないかって言われ、送るのもギルド便(ギルドから支部への定期便)はアイテムも送れるのでどうだとも言われました。


 魔法のカバン(中)は、五十キロぐらいの荷物は入るマジックバッグです。

その見た目が、古いアニメとかで中学生? の男の子が持っている白い学生カバン? のような物です。


 色は白色ではなく水色でレイラちゃんの水色髪に似合うと思います。

 

 一度は家に帰ることにしました。

いわゆる「実家に帰らせて貰います」って奴です。


 (何か意味違うかも)


 ギルドマスターに魔法のカバンをギルド便で送りつけろなんて言われましたが、レイラちゃん宛に魔法のカバンとポーションを送り付けてそれで終わりって何だか味気ないしね。


 王都からだと十日と・・・四日ぐらいあればヤマギワ村に帰れると思います。

たぶん、領都アルフレン経由よりも領都サラブ経由で帰った方が早いと思います。


 どちらの領都でも約十日(高速馬車利用)。

領都サラブからヤマギワ村までが二日~三日を予定して、一日ぐらい何処かで遊んで十四日もあればヤマギワ村に帰れるはずです。


 あれ? アズアン聖神国へ行くんじゃなかったのって?


 そんな気持ちの時もありました。

転移門ゲートで簡単に行けると思ったら、「いつでも行ける」と思い始めてしまったら行きたい気持ちが失せました。手の届く所にあると・・・なんとかって言ったような?


 冒険者ギルドに出向いてギルドマスターに「カスミールは帰省しますとお伝えください。」と伝言を残し、商業ギルドでも同じ伝言をギルドマスター宛にも残します。

 ギルドハウスは、あの土地に設置しておくので中の清掃をお願いしておく。

この辺は冒険者ギルドと商業ギルドの間で協力してやって貰えるそうだ。


 まずは、高速馬車でサラブ領サラブへと向かいます。

約十日ぐらいかけて、大きな町に停車して宿泊を繰り返してサラブ領まで行きます。

 今回の旅では、馬車の中で魔力を感じる練習をしないので、かなり暇で何も出来ないことに苦痛を感じるぐらいでした。


 馬車から降りた時には、聖銀の矢の遺産から見つけた日本刀のような刀を素振りしています。この刀は「マサヨシ」って銘だったのですがマサヨシって誰? 有名な刀鍛冶師かな?

 この十日ぐらいの間、私は宿泊する時以外は馬車の中ではじっと身を潜め、馬車から降り時に刀を素振りするを繰り返していました。


 やっと、サラブ領サラブに到着しました。

まずは冒険者ギルドで、ジンくんとライムくんがいるか聞いてみましょう。


 冒険者ギルドの受付の女性に話かけます。


カスミ:

あのう。ちょっとお聞きしますが、ヤマギワ村出身の冒険者ジンとライムを知りませんか?

彼らと私は同郷なので、こちらに出向いたら声をかけてくれって言われたのですが何処にいるのかも分からなくて困っています。


女性受付:

ジン君とライム君の二人ですね。

ええ。知っています。


カスミ:

本当ですか? 何処に行けば会えますか?


女性受付:

彼らは故郷に帰りました。


カスミ:

ヤマギワ村にですか?


女性受付:

そのようです。

何でもパーティーメンバーに村の者を加える為に帰郷すると聞いています。

もし、お探しなら一度故郷へ戻られてみては?


カスミ:

はい。戻ってみます。

ありがとうございました。


 領都サラブに二人は居なかったので、彼らが戻ったと聞くヤマギワ村へと旅路を勧めます。

 領都サラブ→ニシヤマ村→サラブ領メルビル→ヤマギワ村の行程を二日で進みます。


 この道中も私は馬車の中ではじっと身を潜め、馬車から降り時に刀を素振りするを繰り返していました。

 

御者:

そろそろ。休憩に入るぞ~。


 御者さんが大声で馬車の乗客に聞こえるように声をかけます。

ゆっくりと馬車が止まると、馬を馬車から外して休憩が出来そうな木の元にロープで括りつけます。


 いつの間に水を汲みに行ったのか分かりませんでしたが、御者さんとは違う人が馬に飲み水の入った桶を持って来ていました。


御者:

しらばく、馬を休ませるから、乗客の皆さまは各自で食事なりご自由にして下さい。

出発する時には再度声かけしますから、あまり遠くへは行かれないようお願いします。


 この休憩がヤマギワ村に到着するまでの最後の休憩で、馬車からパルチ山が見えて来ると故郷へ帰って来たって感じがします。

 ヤマギワ村の久し振りに戻って来ました。村は相変わらずです。

まぁ、何年も村に居なかった訳ではないので、変化があった方が大変です。


カミス:

父さん、母さん。

ただいま~♪


グラン:

カスミか?

おかえり。


マリア:

カスミ。おかえり。

それよりも、貴女、今まで何処に行ってたの?


カスミ:

えっ? どういうこと?

私、行き先伝えてから旅立ったよね?


マリア:

ジンくんとライムくんと一緒に冒険するって言ってなかったかい。

ライムくんとジンくんが村に最近戻って来て、カスミが一緒に居なかったから事情聞いたら、一緒に行動していないって言うし・・・。


カスミ:

私はレイラちゃんが諦めた学園を覗きに領都アルフレンの方へ行くって伝えたはずだけど・・・。

他に用事がなければ王都グランドワールも観光したいって言ったよね?


マリア:

あれ? あれ?


カスミ:

それでジンくんとライムくんは、まだ村にいるの?


グラン:

レイラちゃんをパーティーに誘って、カスミを探しに領都アルフレンや王都の方へ向かったはずだ。

領都サラブ経由で王都に向かうと逆回りだからって言ってたぞ。


カスミ:

私も可能なら追い掛けてみるね。

それと父さんと母さんにそれぞれに一億ゴールドを用意してるの。

今までお世話になったお礼にってことだから受け取って貰えるよね?


グラン:

カスミお前、その金をどうやって手に入れた?

まさか・・・。


カスミ:

私、こう見えてもCランク冒険者だよ。

今は王都に拠点を構えて、ダンジョン街で稼いでるの。

心配するような方法で手に入れたお金じゃないから安心して。

支部でも父さんの冒険者カードに送金出来るそうだから、そのお金は自由に使って下さい。

もし、足りなければ、もう一億づつでも良いんだけど・・・。


グラン&マリア:

・・・。


グラン:

Cランク冒険者が稼げるのか。

それともダンジョン街だから稼げるのか分からんが、カスミが稼いでいるってことは安心した。

俺たち二人で一億もあれば十分だ。

村で日々の生活にしか使わないからな。


カスミ:

父さんと母さんにお願いがあるの。

もし今後、レイラちゃんが戻って来た時にまだ右腕の欠損が治っていなかったら、この魔法のカバンをレイラちゃんに渡して欲しいの。

中には欠損を回復するポーションが入ってるんだけど、出来るなら効果は秘密で飲ませて欲しい。


グラン:

欠損を回復するポーションを手に入れたって?

俺たちに一億づつ渡そうとするお前は一体どれぐらい稼いでいるだ?

Cランク冒険者でも、そんな大金は稼げると聞いたことはないぞ。


カスミ:

ちょっと一山当てただけだよ。

私の取り分が百億ってことを除いてはね。

何も悪いことしてる訳じゃないから大丈夫だよ。

もし、父さんと母さんがこの村に住めなくなっても、王都に私の家があるからそこに一緒に住めば良いから。


 父さんと母さんは、私の話に終始驚いていました。

翌朝、父さんと一緒に協会へ行き父さんの冒険者カードに無理矢理三億ゴールドを送金しました。


 (こんな大金なんて使い切れないしね)


 ジンくんとライムくんとレイラちゃんを追いかけると言って再び旅立ちます。

今度、村に戻った時に実家が豪邸になってたらどうしようと思う今日このごろです。

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ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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