第37話 オークション 聖銀の矢の遺産祭
カスミールとギルドマスター
オークションで売り捌く
私は、また王都の冒険者ギルドのギルドマスターに執務室で会っています。
カスミ:
あのう。
今度は「欠損を回復するポーション」の情報が欲しいのと聖銀の矢というBランク冒険者パーティーが持っていた魔石や武器や防具類を売りたいんですかがギルドで買って貰えますか?
ギルマス:
お嬢ちゃんは、どうしてそんな物を売るんだい?
カスミ:
あんなにたくさんの武器・防具があっても余らすのはもったいないです。
軽く調べてみましたが、武器だけでも二十~三十本もありました。
良さげの剣が数本あれば私には十分です。
ギルマス:
魔石が売らないで持っておけ。魔導具には小さな魔石も必要だからな。
大きな魔石だけが価値があるって訳じゃなく、小さな魔石も使い道(需要)があるから困らないと思うぞ。
換金したい武器や防具は冒険者ギルドが引き取ろう。
他に必要なしと判断した魔道具やマジックアイテムは、オークションで売れば多少でも金になるからな。
問題は欠損を回復するポーションだ。
どうして必要なのか教えて貰えるか?
カスミ:
育った村の幼馴染が右腕を欠損しています。
子供時代に一緒にパーティーを組んだ仲間で、解散する時にパーティー用の資金全てを渡したけど、余りにも不便で治せるなら治してあげたいです。
ギルマス:
お嬢ちゃんは、あの時のパーティーメンバーか。
あれから、俺も調べたが黒虎が出現して倒されたまでは確認出来た。
それ以降の情報が全くないんだ。本当に男女の冒険者がいたのかとか魔石は転移門に使ってしまうと分からなくなるが、黒虎の尻尾でもドロップしてても販売された形跡さえないしな。
カスミ:
猫のしっぽみたいにアクセサリーとして身に着けているとかは?
ギルマス:
それはありえん。
黒虎の尻尾は太さがニ十センチある。
長さが六十~百センチぐらいはあると聞く。
そんな物をアクセサリーにしてたら目立ってしまうしな。
カスミ:
それって、こんなのですか?
私は、マジックバッグに入れていた黒虎の尻尾を二本出します。
ギルマス:
それを何処で手に入れた?
カスミ:
聖銀の矢のギルドハウスにありました。
ギルマス:
聖銀の矢か。
確か、お嬢ちゃんが勝って資産を貰ったんだったな。
あいつら死亡したしたから冒険者カードには、もう名前しか残っていないからな。
記録を調べられねぇ。
カスミ:
冒険者カードでダンジョン内のドロップアイテムとかの記録調べられるのですか?
ギルマス:
いや、戦闘となったモンスターの記録なら調べられる。
お嬢ちゃんの冒険者カードを調べると黒虎との交戦記録が確認出来るって言えば分かるかな。
二年以内の交戦記録しか確認出来ないが、死亡すると「そういう名前の冒険者がいた」という記録しか残らないんだ。
聖銀の矢が持ってたか。あいつらならあり得るな。
どうだ。あいつらの物はオークションで売らねぇか?
手数料一%貰うが、どうだい?
カスミ:
一%って?
ギルマス:
百億で売れれば一億を俺に手数料支払うって意味だぜ。
欠損を回復するポーションも四億で手に入れてやろう。
こちらも手数料は一%良いぞ。
四億だから四百万ゴールド必要だ。
で、どうだ?
カスミ:
どうして四億で可能なのですか?
ギルマス:
四億超えたら降りるだけだぞ。
欠損を回復するポーションは三億スタートだ。
それがセリ上がって最大十億までは見たことがあるな。
平均が五~六億ぐらいか。四億ぐらいが最低で競り落とされることもある。
それで期限は無いんだろ?
最低額を狙ってそれ以上だと降りるを繰り返せば四億でいつかは買えるからな。
まぁ、俺には伝手がいるから四億が可能だ。
カスミ:
それでお願い出来ますか?
ギルマス:
ああ。いいぜ。
ー閑話休題ー
冒険者ギルドのギルドマスターの紹介でオークションに出品することが可能になりました。
オークション会場の支配人を紹介され、専用のマジックバッグを借りました。
聖銀の矢が持っていたマジックアイテム、武器や防具、魔道具の販売です。
ただ、私はオークションに参加や観賞することが出来ません。
どうやら、資格がないから駄目だそうです。Bランク以上の冒険者である必要があるそうです。
冒険者ギルド本部がBランク認定を行うので、この辺が絡んでいるのでしょうね。
オークションの結果が出る頃には、王都で購入した土地の建物の撤去作業が終了します。ギルドハウスをあの土地に設置出来るので、もうこれで宿住いではなくなります。
宿代も何日もになると結構な金額になりますしね。
オークションは色々と意外な結果がたくさんでした。
私は見ることも出来ませんでしたが結果は大成功です。
総売上は二百億ゴールドです。
ギルドマスターは二億が取り分なので私には百九十八億ゴールドも手に入れます。聖銀の矢が隠し持ってた武器や防具、マジックアイテムなどはかなり貴重だったようです。
軽く内訳に触れてみます(支配人さんが説明した内容ですが)
【美魔女】のカレン
カレンには二つ名がありました。
美しい装いの魔女という二つ名で呼ばれていましたが、いつの間にか最初と最後を取って【美魔女】のカレンと呼ばれるようになったとか。
彼女の持つ美容に関係する衣装やマジックアイテムなどは女性の方には凄く大人気です。
そんな彼女の持ち物がオークションで取り扱われるとなるとそれはたいそう高貴な女性の方々が大変お喜びになったそうです。
特に【魅惑のブラ】(Aサイズ~Fサイズ)が大人気が出たマジックアイテムでした。女性の胸の大きさを変えることが出来る装着して使うマジックアイテムです。
女性は胸の大きさを気にする生き物です。
特に高貴な女性ともなるとその欲望は平民の方とは比べられないと聞きます。
Aサイズの女性が、魅惑のブラ(Dサイズ)を装着すると見た目はDサイズの胸を持つ女性になれます。
もちろんブラを外すと元に戻りますがこれではただの偽ブラです。
この魅惑のブラの凄さは、十年間同じサイズの魅惑のブラを装着しているとDサイズの胸(本物)になります。
女性の身体までも変えてしまう魅惑のブラはマジックアイテムでは、これ以上のものはありません。
Dサイズの胸の女性が胸が大きすぎて悩んでいるなんて場合でも、魅惑のブラ(Aサイズ)を装着するとまずは見た目の変化から起きます。
Dサイズだった胸がAサイズの胸へと変化します。こちらも十年間魅惑のブラ(Aサイズ)を装着し続けるとDサイズもあった胸がAサイズにまで小さくなります。
こんな女性の望むように胸のサイズを変更出来るブラを高貴な女性が望まないはずはありません。
それも大量に魅惑のブラ(Aサイズ~Fサイズ)があったのです。
私も最初はカレンは女性だから、こんなにたくさんの下着を所有しているんだと軽く考えていました。
(軽く見ただけなのでブラサイズに違いがあることまで気付かなかったです)
オークションの結果を支配人さんに聞くまではそう思ってたぐらいです。
一つぐらい私用に隠し持っていれば良かったと後悔しています(><)
十年後には大きなおっぱいの女性になれたのに、いえ、こんなマジックアイテムに頼らなくても自前のおっぱいは大きくなるはずですよね?
【狂犬】のカズン
カズンにも二つ名がありました。
普段から狂戦士のようなと言われています。
誰とでも喧嘩ばやい所が有名で、いつしか狂犬と呼ばれるようになったとか。
そんな彼の持つ武器は【狂戦士の大剣】と名の付いた大剣。
武器の名前の通り「狂戦士化」してしまうことが原因で嫌われる武器の一つです。
死神の鎌と名の付いた鎌。
首を刎ねると稀に即死させる効果がある。
この鎌は意味が分からなかったです。
そもそも、首を刎ねると死んでしまうのでは? と思ったのは私だけではないはずです。
これ以外にもミスリル鉱の鎧、青銅のヨロイ、聖者のローブ、紅蓮のローブ、魔力の杖などなど色んな武器や防具がありました。
これらは全てカズンの持ち物だったようです。
ダニエルとアレンは目ぼしい物を持っていませんでした。
魔道具やマジックアイテムの類も、そこらで売られている物よりは良い品ばかりです。
マジックバッグ(小)x十個
十キロまで入れることが出来る魔法のカバン
マジックバッグ(中)x五個
四十キロまで入れることが出来る魔法のバックパック
無限に入るマジックバッグx二個
入れた物の重量は軽減されない
私の覚えている範囲のオークションに出しても問題ないと判断したアイテム類です。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




