第36話 王都に自宅を作ろう
ギルドハウスの調査
聖銀の矢が所有していたギルドハウスは私の所有する物件になりました。
ギルドハウスの中を整理して無駄な物やゴミとかを売るなり捨てるなりするとします。
建物は大きいので目立ちますが、目立たないような所に設置して中を確認します。カギはなく冒険者カードがカードキーの役割をしているようです。
本当に冒険者カードは、この世界に似合わない便利過ぎるアイテムで感心してしまいます。
建物の中は、それぞれに個室(四部屋)があって、キッチン、風呂、トイレ、倉庫、リビングとお客様用の宿泊部屋がある間取りと考えています。
個室はカレン、カズン、ダニエル、アレンそれぞれの部屋だと直ぐに分かるような部屋の中身で判断出来そうです。
さすがに男性が使っていた部屋か女性が使っていた部屋かぐらいは分かります。
こんな感じの建物を予想しています。
建物に入ると中央に階段があって、その階段を昇った直ぐに奥に行く通路があります。
通路沿いの奥に部屋への扉が二つあり、階段上がって奥に行く通路の横に扉が二つあります。
この扉の先がそれぞれの個室となる部屋があるのでしょう。
全ての扉が同時に開いても中から出て来る人がぶつからないような工夫が施されています。
一階にあるリビングやキッチンなどには食べ散らかしなどゴミや食器類が散らばっていて汚いです。
風呂やトイレは何故か清潔に使われているのに、汚されている場所と綺麗に維持されている場所との差に驚きます。
二階への階段の裏側に二部屋あります。
どちらも倉庫で武器・防具が保管されている一つ目の倉庫とマジックアイテムや魔道具が保管されている二つ目の倉庫がありました。
一つ目の倉庫には、彼らの武器や防具が所狭しと並べられています。
これだけの種類の数の武器や防具は必要ないので、ドロップアイテムや宝箱から得たアイテムなのでしょう。
二つ目の倉庫には、マジックアイテムと魔道具が綺麗に収納されていました。
ここらで一番綺麗な部屋と呼べるような倉庫でした。
それもそのはずです。
マジックアイテムや魔道具は、厳重に保管・管理しなければなりません。
アイテム同士が干渉してしまうと暴発事故とか起こるそうなので危険だそうです。下手するとこの建物が吹き飛ぶんじゃないかと思います。
聖銀の矢は、さすがBランク冒険者パーティーと思えるような建物と武器や防具の類を所有していました。
おそらく彼らはランクAを攻略中の冒険者と思われます。
それぐらい強力な武器や防具、マジックアイテムや魔石などから判断することが出来ました。
しらみつぶしに鑑定を使い調べたので、鑑定結果に間違いがなければの話ですが・・・。
リビングやキッチンを綺麗にして不要な物を捨ててハウスクリーニングをして貰ったら私の自宅にしようと思います。
内装や壁紙とかを私好みにすると良い感じになりそうです。
商業ギルドに清掃して貰える人たちを紹介して貰って、建物を王都に建てられる土地も購入出来たらと思います。
アズアン聖神国には、転移門が簡単に日帰り出来ると聞いたので、直ぐに向かわなくてもお金もあるので王都に自宅を構えるのもアリかなと考え始めたぐらいです。
ー閑話休題ー
王都にある商業ギルドに向かいます。
カスミ:
あのう。土地を買いたいのですがどうすれば良いですか?
女性職員:
土地ですか? 家を購入されるで構いませんか?
カスミ:
そうです。
女性職員:
どのような希望がありますか?
具体的におっしゃって下さい。
カスミ:
最近、家? を手に入れまして、その家は結構大きいので広い土地が必要です。
広い土地に家を建てる時に前の建物を壊してしまっても問題ない所が良いです。
女性職員:
広くて更地になっている土地がお望みってことで構わないですね。
もし建物があっても、それを取り壊すことをお望みってことですね。
カスミ:
そうです。ありますか?
女性職員:
そういう土地はありますが、結構高額になるのですがご予算とかは大丈夫ですか?
カスミ:
二億ゴールドぐらいを予定しています。
女性職員:
二億ゴールドですか?
もっと高額になるかもしれませんが、それは大丈夫ですか?
カスミ:
はい。
それと家? の中の掃除も頼みたいので、これも手配して貰えると助かります。
女性職員:
では、もう一度確認します。
大きな屋敷が立てられるような広い土地と立てた屋敷の清掃という内容で宜しいでしょうか?
カスミ:
そうですね。
その全てを二億ゴールドぐらいでやって貰えればと考えています。
女性職員:
ねえ、誰かギルドマスターを呼んで来てちょうだい。
A-三番の元商家の土地かBー七番の元貴族の土地が売れそうと伝えて貰えれば直ぐに来ると思うから。
男性職員:
はい。急いで呼んで来ます。
女性受付:
粗茶です。ゆっくりして行って下さい。
高額の取引だから、お茶を出して貰ったのでゆっくり商業ギルドのギルドマスターが来るの待ちます。
ギルドマスターは、突然呼ばれたからのか分からないですが、大急ぎで来ましたという表情と大量の汗が急いで来た具合を表していました。
ギルドマスターと呼ばれた男性:
初めまして。私は当商業ギルドの代表のラジン・ライムンと申します。
聞いたところによると、大きな土地に建物を建てて、その建物の掃除を依頼したいということでお間違いないでしょうか。
カスミ:
そうですね。
ラジン:
では、一度その貰った家? という建物を見せて貰いたいのですが大丈夫でしょうか?
カスミ:
分かりました。
結構、大きいので王都の外でも構いませんか?
ラジン:
王都の外ですか?
何処かにある建物全てを移動させるということでしょうか?
カスミ:
違います。
王都の外で見て貰えると分かりますが、このマジックバッグの中に貰った家が入っています。
この家はギルドハウスと言って、綺麗で大きな家だったのでそのまま使おうと思いました。
王都にギルドハウスを建てられる土地を購入して、前の持ち主のゴミや家具など家の中の物を処分や清掃を頼みたいのです。
ラジン:
ギルドハウス? マジックバッグの中に家が入っている?
そんなことが在り得るのですか?
カスミ:
在り得るから、商業ギルドの方に相談しているのです。
私と商業ギルド(ギルドマスターと職員数名)がぞろぞろと王都の外へと向かいます。
通行や人の邪魔にならないような所に、ギルドハウスを出して建物を見て貰います。
もちろん、マジックバッグから出す振りをしてポーチから出します。
新しく手に入れたマジックバッグもありますが、鑑定すると容量オーバーでギルドハウスは入らなかったです。
ラジン:
これがギルドハウスですか?
詳しく見ても良いですか?
カスミ:
はい。構いません。
ラジン:
ちょっとスキルを使いますね。
【不動産鑑定】
これはマジックアイテムですね。
この大きさと形状だとA-三番の土地にしか建てられそうにないですね。
(B-七番も行けると聞いたのですが、建物の大きさや形状を考えるとBー七番の土地には無理そうです。残念)
カスミ:
家がマジックアイテムですか?
ラジン:
そのようです。
一度、商業ギルドに戻って、ご依頼内容を詰めようと思います。
私たちは商業ギルドへと戻ります。
私は道中でラジンさんが使ったスキル:不動産鑑定が気になったので聞いてみました。
ラジン:
不動産を大量に扱っているといつの間にかスキルが発生してたんですよ。
おそらくですが、不動産を査定したり鑑定したりしていた関係ですかね。
私は「不動産を扱う仕事してたらスキルに目覚めた」なんてことで納得しました。
ラジン:
では、ご要望の価格についてですが、現在ご用意出来る土地には建物が建っています。
これを取り壊して処分してギルドハウスの中の処分と清掃するってことになります。
土地建物を含めて、一億六千万ゴールドの物件です。
建物の処分代とギルドハウスの清掃などの代金は五百万ゴールドを頂きたいです。
カスミ:
そうすると合計一億六千五百万ゴールドですね。
即支払えますが、どうされますか?
ラジン:
即お支払いが可能と申されますか。
失礼ですが、何処ぞの貴族様の子女の方ですか?
何処かの商家のお嬢様ですか?
カスミ:
・・・・Cランク冒険者です。
ラジン:
冒険者様ですか。
それなら納得です。
商業ギルドのギルドマスターを色々と話を詰めました。建物を処分して更地にして引き渡すこと。
更地に建物を建てたら再度商業ギルドにその旨を教えて欲しいことを伝えられました。
更地にするのは約二十日ぐらい欲しいのと建物内の清掃は中の様子が分からないで何とも言えないですがと前置きされた上で十日ほど頂きたい旨を伝えられました。
王都で良い買い物が出来たので、自宅が完成するまで斥候や隠密のクラスへのスキルに挑戦して時間を潰しましょう。
ゴミ処分や清掃で500万ゴールドは必要ありません。
事務手数料や周囲への根回しの賄賂などなど他の用途に使われる金額が含まれています。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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