第35話 聖女の歩みを知るには?
聖女について知るには・・・
【青の勇者タイチ】
誰でも知っている千年から二千年前に活躍した建国と救世の勇者様のことです。
その勇者パーティーに【聖女アンズ】という人物がいました。
青の勇者様の物語は有名なお話なので架空の人物や架空の物語ではないと思います。多少の脚色はあるかもしれませんが・・・概ね真実でしょうね。
聖女アンズ様の故郷は、勇者パーティーが世界の脅威と戦っている最中に本体とは別に行動していた世界の脅威の配下に滅ぼされたと聞きます。
世界の脅威を倒したその後、聖女様が故郷付近にアズアン聖神国を建国したと聞きます。
私はその聖女アンズ様の故郷を訪れてみようと考えています。
私の【スキル:クラスチェンジ】では聖女に就くことが出来ます。
以前、聖女のクラスを鑑定した時には
【聖女】
最上位クラス。【聖なる癒しの力】を以って負傷した者に癒しの力を与える。
異世界の魂を持つ者限定。女性限定。スキル:聖なる癒しの力、祝福
聖女は異世界の魂を持つ者。つまりは私と同じ転生者ではないかと考えてしまいます。
アンズという名前も日本人なら『杏子』や『杏』という漢字が思い付きます。
もし本名が杏子(キョウコ)であれば、杏子という漢字からアンズという呼び名にしたというのも考えられないことではありません。
この世界に『キョウコ』という名前は合わないと感じましたからね。
それとも私がクラスチェンジでなれる聖女だけが特別なクラスで、この世界には元々聖女のクラスへ就く方法があって、それは失われてしまっているのかもしれませんが・・・。
青の勇者タイチ様は間違いなく元の世界からの人と断言出来ます。
勇者様の偉業は伝説にもなっていますが、この世界の人の考え方ではあり得ませんからね。
冒険者カードや冒険者ギルドの仕組み、高速馬車の仕組みとか、揚げ物などの食事事情など挙げればキリがないですが色々とやらかしている部分もあるように思いました。
勇者様にとっては黒歴史な部分もあるかも。
通信技術、GPS、高速道路、流通システムなどはこの世界の住民からだと大革命ですからね。
まぁ、大昔の聖女様や勇者様が今更転生者だったって知った所で何かが変化する訳もありませんしね。
私たちの生活や現状が今すぐ変化することでもありませんし、この事実も「そうなんだ」レベルの問題であって秘密にするような内容でもないと考えました。
公表しても利益と損もありませんから知らない振りをします。
そんな聖女様が作ったアズアン聖神国や聖女アンズ様の故郷に行ってみようと思います。回復魔法や治療魔法関係の聖地と呼ばれている国なので聖女様が使う魔法というのに興味もあります。
グランドワール王国からは遠いですが、聖女様の人柄や歩みを知るには生まれ故郷や建国した国に行ってみようと考えた結果です。
アズアン聖神国にダンジョン街もありますからね。折角、攻略したランクEの実績も無駄にしたくないですしね。
アズアン聖神国に行く方法を王都の冒険者ギルドのギルドマスターに聞くためにいつものようにギルドマスターの執務室を訪れています。
カスミ:
あのう。アズアン聖神国に行くにはどういうルートですか?
ギルマス:
直ぐに行けるぞ?
今から行くのか?
カスミ:
今から? ってどれぐらいの時間で行けますか?
ギルマス:
もしかして、知らないのか?
カスミ:
何をですか?
ギルマス:
各大国の首都、王都、帝都など国の中心都市には【転移門】の魔道具で簡単に移動が出来る。
カスミ:
【転移門】って何ですか?
ギルマス:
転移門の魔道具同士は繋がっていて、膨大な魔力を流すと互いに行き来出来るようになる大型の魔道具だ。
脅威度B以上のモンスターの魔石と金貨五百枚必要だけどな。
カスミ:
金貨五百枚と脅威度Bの魔石って、その料金は高いですよ。
ギルマス:
でも、直ぐに行けるんだぞ。
カスミ:
・・・考えさせてください。
ー閑話休題ー
ギルドマスターから聞いた情報から転移門の考察してみました。
「アズアン聖神国 首都アズアン」
「グランドワール王国 王都グランドワール」
「グランホーク王国 王都グランホーク」
「グランドール帝国 帝都グランドール」
「グランドツール共和国 首都グランドツール」
この五つの都市を世界地図上で確認すると意外な事実に気付きます。これって両三角錐を使った大結界だと思われます。
星の中心部に世界の脅威という奴が封印されていて、各都市が結界の起点となって星全体を使った世界の脅威って奴を封印する結界と思います。
転移門の設置も世界の脅威の配下が何処に出現しても比較的早く対応出来るように結界の起点に転移門を設置することで対応出来るようにしていると思われます。
北の拠点で「世界の脅威の配下に襲われた。勇者様助けて下さい」と要請に応じて北へと向かい対応する。
対応し終えた頃に「南の拠点が世界の脅威の配下に襲われました助けて下さい」と言われても間に合わないです。
例えるなら、地球の北極点にいる勇者様が、南極点から助けを求められても直ぐには行けないのと同じです。
それを回避する手段が転移門って訳ですね。
拠点にしか転移門を設置しないのも、人の雇用や産業を衰退させるのを防ぐからと思われます。
転移門があれば便利になるけど、その便利になったことで現在ある流通関係などを中心に関連する多岐に渡る業種で働いている人々の雇用がなくなります。
街道とかも馬車や人が通行するから、モンスター除けになることもあります。
馬車や人が通らなくなると道には草が生え、その内に道が無くなってモンスターなどの住処が広がって行く未来しか見えません。
下手をすると辺境のヤマギワ村よりも小さな村なら森に飲み込まれて廃村になると思われます。この辺も考えて転移門を設置しているのであれば凄いと思います。
勇者様なら【転移】の魔法とか使っていそうですが、転移門を作ってことは【転移】の魔法は存在しないのかもしれませんね。
あっでも、一般人や商人さんが移動するのは転移門があると助かるので転移の魔法を勇者様が使えないって理由にはならないですね。
それに転移門があるのに【転移】の魔法が無いというのもおかしな話ですし、勇者様は転移の魔法は使えたのかな?
賢者アレク様という人物が転移の魔法使えるとかもあるのかもしれませんね。
ー補足ー
平面の地図から立体の情報を呼び起こすには現代の知識が必要です
地球上の日本の裏側がブラジルみたいな考えは異世界の人には出来ません。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




