第34話 覗きには注意
会話が長いです
読みづらい、ひらがなだけの部分があります。
これにて第二章は終わります。
次章からは聖神国へ向かいます。
私がギルドマスターに相談があると伝えるとギルドマスター専用の執務室へと案内されました。
そこで起こった会話です。
※ギルドマスター=ギルマスと表記しています。
ギルマス:
お嬢ちゃんが決闘に勝利したんだな。
それでは決闘で取り決めた彼ら資産は全てお嬢ちゃんの物になる。
彼らのギルドハウスも資産として受け取る権利があるから、建物の中を確認したら近日中をサイン(受領印)をくれ。
それで、俺に何の用だ?
カスミ:
あのう。あの決闘を覗き見してましたよね?
ギルマス:
さ、さあ? 何のことだ?
カスミ:
そうですか。ギルドマスターという立場にいながら惚けるのですね。
ギルマス:
俺が覗いたっていう証拠もない。
証拠があるなら見せてみろよ。
かすみ:
そうですか。あなたにはじごくをみせたほうがいいようですね。
ここでわたしがふくをやぶいてうしろにあるとびらをひめいをあげながらどんどんとたたき、ぎるどますたーにおそわれたといえばどうなるでしょうか。
すぐにでもしょくいんがかけつけ、じじょうをきくときのわたしのかっこうはどううつるでしょうか。
おさないおんなのこにみえるわたしをはくちゅうじぶんのしつむしつでおそう。
それでも、こんごあなたはぎるどますたーをつづけられるとでもおもっていますか?
ぎるどほんぶは、こどもにみえるわたしのいいぶんをしんじ、あなたはぎるどますたーのちいをうしなう。このことでおくさんやこどもがいればりこんなんてこともありえないはなしではなくなる。
ぼうけんしゃへとみをおとしても、ぼうけんしゃかーどには『せいはんざいしゃ』『ごうかんみすい』などのはんざいりれきがきろくされ、うけつけのじょせいにはひややかなしろいめでみつづけられるじんせいをおくることになるでしょうが・・・。
ギルマス:
俺を脅す気か? こちらにも考えがあるぞ。
かすみ:
よいのですか? そのぶきをわたしにむけてかまえるなら、せいとうぼうえいがせいりつします。
わたしにあなたをころせるきかいをあたえますよ? ぎるどますたーというたちばなら、おとしどころをきめてここはこうしょうするばめんではないでしょうか。
ぼうりょくにうったえるなら、わたしはあなたをためらいなくころしますよ。
ギルマス:
気味が悪いから、その話し方を止めろ。
カスミ:
そうですか。私は貴方を殺し、名前と姿を変えて王国から消えれば済む話です。
冒険者で在り続ける必要はありません。私にはそれが可能なのですからね。
ギルマス:
一体、お嬢ちゃんは何が望みだ。
カスミ:
誓約を破った償いをして貰えれば良いだけです。
例えば、ギルドが秘密にしている情報の公開とかをね。聞かせて貰えれば・・・。
ギルマス:
ギルドが秘密にしている情報の公開だって?
カスミ:
ええ。そうです。
ギルマス:
どんな情報を秘密にしていると言うんだい?
カスミ:
私が求める情報は、クラスの種類、各クラスへのクラスチェンジ条件の二つ。
それとそのスキルの獲得条件です。
ギルマス:
その情報を何処で手に入れた?
ギルドでも知っている奴と知らない奴がいるってぐらい重要な情報だぞ。
それを成人したばかりの子供にここまで突き止めたいと思わせる情報なんて出回っていないはずだ。
カスミ:
青の勇者様の著書に『とある実験のレポート』という本がありました。
この本を読めば分かる人には想像が出来ます。知りたいという欲望が生まれるんです。
誓約を破ったのは冒険者ギルド側。
不正を働いたギルドマスターがいると知った冒険者ギルドが貴方にどんな処分をするか楽しみです。
ギルマス:
どうして、こんなことをするんだ?
カスミ:
まだ、分かりませんか? 貴方が覗き見しなければ助かった命があるんですよ。
聖銀の矢というBランク冒険者パーティーの命を奪う原因を作ったのはあなたの軽はずみな行動。
私が彼らにとどめを刺さずに隷属化や呪い類という荒業で口を封じるなんてことも出来たのです。
私と彼らの間で起った出来事が秘密になるなら私はそれで良かったの。
でも、私と彼ら以外に私の秘密を知る者がいたら?
彼らを生かしておく意味もありませんし、貴方も生かしておく意味もありませんからね。
ギルマス:
そんなに秘密にしなければならないことなのか?
カスミ:
そうですよ。貴方は命を懸けてまで私の秘密を知りたいですか?
それとも、破滅の道を選びますか?
貴方をここで殺す訳ではないので安心して下さい。
では、ご検討を・・・貴方が決断するまでに彼らの資産を受け取って来ますね。
では、後ほど来ます。
ギルマス:
ああ。分かった。考えておくよ。
私はそういうと執務室から出て、彼らのギルドハウスの場所へと向かいます。
中身を確認するのは面倒なので、ギルドハウスごとポーチに入れてしまいましょう。
カスミ:
あのう。ここが聖銀の矢というパーティーのギルドハウスですか?
男性守衛:
ああそうだが、何か用か?
カスミ:
私はカスミールと言います。
決闘でここの所有権を得たので確認に行ってくれと言われました。
これ、私の冒険者カードです。
男性守衛:
確かに確認した。
この屋敷のような屋敷じゃないような良く分からない建物が聖銀の矢の所有するギルドハウスだ。
どうやら土地も彼らの物らしくて、もし手放すなら土地を売ることまで視野に入れておいて欲しいとのことだ。
カスミ:
土地は手放します。
売るにはどうすれば良いですか?
男性守衛:
それはこっちでやるから建物とか中の物とか確認しないで良いのか?
カスミ:
それ、面倒なので全部一緒に貰って行きます。
男性守衛:
えっ?
・・・・・。
私は彼らのギルドハウスに手を添え【収納】というだけです。
こうすることでポーチの中に建物全てが入ります。建物が無くなった後には建物があった後だけが残り、警備していた守衛さんは茫然としていました。
カスミ:
これでここでの用事は終了ですね。
後は、ギルド関係だけですね?
冒険者ギルドへと再び向かい、彼らの資産を受け取ったという書類にサインをします。
彼らの冒険者カードに入金されているお金とギルドが保管しているパーティー用の資金も受け取りの手続きが必要だそうです。
お金は全部で約二十億ありました。
各人が約二億五千万ゴールドぐらいの個人資産を持っていて四人だから約十億。
パーティー用資金と土地の販売価格を合わせた約十億の合計二十億ぐらい手に入るそうです。
ダンジョン街の広いだけの土地なので思ってたよりも安かったです。もちろん、そんな大金は私の冒険者カードに即入金して貰いました。
最後にギルドマスターの執務室へと向かいます。
カスミ:
ギルドマスターさん。さっきぶりです。
例の件は考えていただけたでしょうか?
ギルマス:
ああ。お嬢ちゃんの秘密を教えてくれ。
俺の命を懸ける。
カスミ:
その道を選びましたか。
私は教会の力を借りなくても、スキル:クラスチェンジでいつでも何処でもクラスチェンジ出来ます。
ただし、私自身はクラスチェンジでレベル1になりませんがクラス依存のスキルしか使えません。
そのクラスチェンジで聖女のクラスに就けるのです。
能力値は約1、500を超えています。
今の所はAランク冒険者ぐらいまでの実力のある者なら能力値だけで楽勝のはずです。
ギルマス:
クラスチェンジで聖女に就くこととレベルダウンすることが無いことが秘密なのか?
カスミ:
そうです。
もしかして、聖女がヤバい存在であることを知らないんですか?
ギルマス:
不勉強で申し訳ない。
教えて貰えないか?
カスミ:
勇者パーティーご存じですよね? 青の勇者、剣聖、賢者、魔王、聖女の五人です。
勇者、魔王、剣聖は攻撃担当。賢者が遊撃&サポート担当。聖女は守りとサポート担当。
攻撃担当の四人を守り、サポートする担当が聖女。
その聖女が攻撃担当に使っていた力を自身にむければどうなるでしょうか。
私の体感ですが、聖女の力は有限ですが無敵と化すことが出来ます。
これがヤバいと言わず何なのでしょう。
ギルマス:
聞く範囲だと聖女はやばいクラスと分かるがそんな実感がないのだが・・・。
カスミ:
やっぱり、一瞬でも見れていたのですね。
これから聖女にクラスチェンジします。
自我を保てるよう頑張って下さい。
私はスキル:クラスチェンジを使い、いつもの透明なボードの「聖女」の欄をタッチします。
聖女へのクラスチェンジが終わり、神々しいローブを纏った光り輝く杖を右手に持つ私の聖女へ変わってしまった姿を見たギルドマスターは・・・。
ギルマス:
あぁあぁあぁあぁぁあぁぁ~
カスミ:
多分、聞こえていると思うので続けます。
これが聖女の力の一端です。
どうです? 分かりましたか?
私の秘密は誰にも知られては駄目だと思っています。
なので、悪いですが先程の条件通りに貴方に呪いをかけます。
私の秘密に関して考えるだけで貴方は死んでしまいます。
今後は気を付けて下さい。
神よ。私の願いを叶え給え! 【聖女の呪い】
ギルマス:
・・・・。
カスミ:
まだ、大丈夫ですよ? 私との会話は続けても死にはしません。
誰かに公表しようとか教えようとか記録に残そうとかを考えなければ多分大丈夫でしょう。
ギルマス:
聖女に就くと別人になるんだな。
カスミ:
そうです。
見た目からして別人にしか見えません。
ギルマス:
俺からはギルドが隠してる秘密は言えない。
言えば、おそらくだが俺は死ぬと思う。
カスミ:
そうだとは思っていました。
では、一つだけ教えて下さい。
アレンという冒険者が隠密か斥候の類のクラスと思われます。
そのクラスチェンジ条件を充たすスキルの獲得方法を教えて下さい。
ギルマス:
斥候か隠密のクラスに就くには、モンスターに気付かれることなく倒すとあるスキルを覚えるそうだ。
そのスキルがクラスの条件のようだ。
きちんと確認されていない情報のようなので確実ではないが・・・。
カスミ:
ありがとうございます。
私は王国から離れて聖神国へ行く予定です。
努々、私の秘密(聖女のことなど)を漏らさないようにして下さいね。
かすみ:ハイライトが消えた目をしたカスミの別人格です。
やる気が失せた、キレた時など時々登場しています。ひらがなで会話が目印です。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




