第3話 母さんと一緒に基礎知識を学ぼう
母さんとお勉強の時間です
どんな辺境の村でも【冒険者ギルド】【商業ギルド】【教会】の三つの組織はあるそうです。
冒険者ギルドという名称は、過去に実在したという青の勇者様が作った組織だそうです。
勇者様とはこことは異なる世界つまり異世界から来たという人物のことだそうです。もう千年か二千年ぐらい前の建国と創世の時代に活躍した人物だそうです。
(私も異世界から来たから勇者の素質があるのかな?)
冒険者ギルドの主な役割は、冒険者と呼ばれる組合員の管理、依頼の斡旋、モンスター素材の売買などなど多岐に渡るそうです。
冒険者ギルドは、町、街、都市と呼ばれる所にしか存在しないそうです。
ここみたいな辺境の小さな村には冒険者ギルドは存在しないので冒険者ギルドの簡易的な役割を持つ支部が設置されているそうです。
正式名称は、「サラブ領冒険者ギルド ヤマギワ村支部」と言うそうですが、ここサラブ領ヤマギワ村ではヤマギワ支部や支部と呼ばれているそうです。
支部では冒険者ギルドの簡易的な業務が行われているそうです。
支部では対応出来ないことは冒険者ギルドに出向く必要がありますが、辺境の村でも何かあると困るから支部を設置して対応しているそうです。
連絡の取れなくなった辺境の村が夜盗に襲われたり、モンスターに襲われたりして廃村にならないようするためだそうです。
辺境の村へ行ってみるといつの間にか人のいない廃村になってたでは冗談では済ませられないからが理由だそうです。
村長が冒険者ギルドの支部長としての役割を持っていて、協会と呼ばれる建物で支部という組織を管理しているそうです。
協会では冒険者ギルドの支部だけではなくて、商業ギルドなど他のギルドも建物を共有しているので冒険者ギルドの支部だけが協会を占有している訳ではないそうです。
ちなみに、この村の商業ギルドはヤマギワ村商業ギルドと呼ぶそうです。
冒険者ギルドの支部、商業ギルド以外のギルドは、この村には参入していないそうです。
需要や儲けが少ないから他ギルドがないそうです。
傷薬や解毒薬ぐらいしか需要のないこの村では薬師ギルドが作る回復薬(ポーション)が一定数売れないからです。
このように需要が減ってしまってはギルドは儲けや素材を余らすことを理由に辺境の村には参入していないそうです。
支部の業務として
冒険者が依頼を受注の申告しなくても受けられる常設の依頼、魔石やドロップアイテムの買取、ランク別の依頼の管理、新人の登録関連、冒険者カードへの入出金の取り扱い、冒険者ギルドへの定時連絡・報告が主な仕事だそうです。
何処の支部でも対応出来る業務が基本だそうです。
支部だけで対応や解決出来ない依頼や緊急性のある内容は、近くにある冒険者ギルドへ対応を要請するそうです。
(冒険者ギルドが本店で、支部が出張所や支店みたいな感じかな)
魔石やドロップアイテムの売買で発生するお金に関しては、支部から冒険者ギルドへ現物の魔石などを送り、現金を冒険者ギルドから支部へと送金される仕組みだそうです。
支部に所属する冒険者は現金で受け取るか冒険者カードに入金するかを選べるそうです。
冒険者ギルドから支部への送金になるので、現金が必要な場合も申請後翌日扱いになるそうです。
支部では大量の現金を取り扱っていないのでこんな対応になるそうです。
支部には村長と事務職員しか居ないので、強盗に対応出来ないなどの安全面への配慮や大量の現金を必要とされる機会も少ないから現金で対応出来なくても問題ないからが理由だそうです。
冒険者ギルドと支部の間で行われる定期便は、一日一回で毎朝六時に行われるそうです。支部から冒険者ギルドへの便、冒険者ギルドから支部への便が同時に行われるそうです。
冒険者のランクアップの対応などの支部では行っていない業務については、近くの町にある冒険者ギルドへ出向くしかないそうです。
どんなに急いでも馬車などで七日間や八日間もかかるような町から遠く離れた辺境の村でも魔石と現金の対応は翌日には必ず出来るそうです。
遠距離でも通信と物の輸送が出来る謎システムが成立しているようです。
この世界に流通しているお金は【金貨】【銀貨】【銅貨】の三種類の硬貨です。
金貨の上に商人や国などが使う【白金貨】という大きなお金を使う時に使われる硬貨があるそうです。
金貨一枚=銀貨十枚=銅貨百枚=一万ゴールドという価値になるそうです。
これは、世界中どこの国で統一された硬貨で偽造が発覚すれば即死罪となるそうです。
(一ゴールド=百円ぐらいの価値みたい)
冒険者カードに似た商業ギルドなどそれぞれのギルドが発行したカードも同じ仕組みで、魔道具を使ってカードへ通貨を入出金出来るそうです。
このようなカード類は互換性がある魔道具を使っていて、店が商業カード(商業ギルドの発行したカード)用の魔道具、冒険者カード用の魔道具などカードの種類に合わせた魔道具をそれぞれ用意しなくでも専用の魔道具一つで全てのカードの取り扱いが出来るそうです。
設置されている魔道具は特殊な魔道具を通して通貨偽造を見極めるそうです。
根幹にある特殊な魔道具を改造でもしない限り、通貨の偽造することは出来ないそうです。
肝心の魔道具がどんな魔道具かも知られていないので、魔道具の改造を試みることも出来ないそうです。
(銀行のATMとかの機能そのものかも)
十歳になった子供は、神の恩恵(ステータス)を授かるそうです。
神の恩恵(ステータス)を確認出来るのは神様に関わるからか教会でしか出来ないそうです。
教会では傷付いた者を治療する活動、神の恩恵(ステータス)の確認や更新やクラスチェンジも行っています。
神の恩恵(ステータス)を手にした子供が冒険者ギルドで冒険者として登録出来るようになるには十五歳=成人になってからだそうです。
冒険者を目指す子供は十歳~十五歳になるまでに地元の支部で簡単な指導や狩りが出来るそうです。
狩りと言っても村や町付近でしか出来ないのですが、冒険者にならなくても子供がお金を稼ぐには丁度良い収穫だそうです。
この村では、冒険者になる子供=家業を継ぐ予定のない子供という認識です。
家業を継ぐような子供は幼い頃から家業の手伝いをして仕事を覚えるからだそうです。
別に冒険者にならなくても稼業を手伝う道を選んでも構わないんだとか。
冒険者になると冒険者カードを発行して貰えるが、神の恩恵(ステータス)のように詳細に書かれた内容ではなく簡易な内容しか記載されていないそうです。
神の恩恵(ステータス) 冒険者カード
カスミール カスミール
レベル1 レベル1
年齢:10歳 年齢:10歳
性別:女性 性別:女性
クラス:一般人 クラス:一般人
ランク:F
力:10 スキル:ー
知恵:10
守り:10
早さ:10
運:10
魔力:10
生命:10
スキル:ー
こんな感じに神の恩恵(ステータス)と冒険者カードではこのように表記されます。各能力値が冒険者カードには表記されないことが大きな違いです。
ここで注目されるのは【クラス】という項目です。神の恩恵(ステータス)で得られたクラスと実際の職業が異なる場合があります。
例えるなら、剣士のクラスを貰った子供が実家を継いで商人になったなどです。
その者が実際に就いている職業(仕事)は、神の恩恵(ステータス)や冒険者カードには記載されないので確認することは出来ないそうです。
商人風の男性が「私は商人です」と言えば疑いはするが確認の方法がないそうです。
本当に商人の場合は商業ギルドで確認出来ますが、適当な職業を言われても確認することは出来ないって話だそうです。
商人というクラスと職業の商人のように同じ意味の持つこともあるそうです。
神の恩恵(ステータス)や冒険者カードの方では職業と言わないでクラスというそうです。
力や知恵などの各能力値と所持しているスキルによってクラスが決まるそうです。
スキルの項目に剣術レベル1を持っていれば剣使いのクラス、スキルの項目に火魔法レベル1を持っていれば火魔法使いのクラスが現れるそうです。
スキルがないと一般人=普通の人という扱いだそうです。
スキルがないからと言ってスキルがある者よりも劣っているって訳ではなく、スキルは簡単に手に入れることが出来ることもあるので気にするようなことではないそうです。
剣の素振り百回行って剣術レベル1を手に入れた者がいたそうですが、同じように剣の素振りを百回行っても剣術レベル1を手に入れられなかった者もいたそうです。
どうやら人によってスキルを覚える基準が異なるようなので、他の者が手に入れた方法を参考に独自に探し出すしかないそうです。
ー教会で行われるクラスチェンジー
剣術レベル1、火魔法レベル1を持つ人の場合
一般人→剣使い、火魔法使いのどちらかへクラスチェンジが可能
剣使い→火魔法使い、一般人のどちらかへクラスチェンジが可能
火魔法使い→剣使い、一般人へどちらかへクラスチェンジが可能
何かのクラスに就いている者は一般人というクラスにクラスチェンジ出来るそうです。唯一、クラスチェンジ先が存在しない一般人のみがクラスチェンジ出来ないそうです。
こうして母さんから、今まで出来なかった約四年分のお勉強を十歳になるまで詰め込まれました。
寝込んで衰えていた身体も元の身体になるようにと同世代の子供よりも厳しい毎日を送ることになりました。
私用に用意されている部屋にたくさんの本を持って行く母さんが「フ・フ・フ・フフフ」と時折不気味に微笑んだのが何だか恐ろしく怖ったぐらいしか覚えていないです(><)
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




