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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第一章 少女の目覚め

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第2話 目覚め

二話目です

 僕がバナナの皮を踏んで崖に落ちた所までは覚えてはいる。

その後、どうやって助けられたのかは分からないが、目の前の光景からどこかの部屋にいることだけは理解出来た。


新太郎:

みシらヌてンじょウだ(見知らぬ天井だ)


新太郎:

アれ? ウまクはナせナい(あれ? 上手く話せない)


赤髪の女性:

カスミちゃん。大丈夫ですか?


新太郎:

カすミ? (カスミ?)

 

 今の僕は気が付いたらベッドに寝かされていたのだ。


 憧れの「見知らぬ天井だ」と呟いてみるが、その声は言葉にはならない声を発するだけでした。

 僕の声を聞きつけ近くにいたであろう綺麗で鮮やかな赤髪の女性が優しく僕に声をかけてくれます。


 何故か僕の目には家具のサイズ感やデザインなどが見慣れている家具と大きく異なって見えたんだ。

 目に見えた家具の大きさが異常に大きく感じたので見間違えかなと目を擦った時にふと視界に入った僕の手はぷにぷにした感じの小さな手に見えた。


 僕の手はまるで小さな子供のような手をしているんだ。

さすがに高校二年生の男子の手ではないと悟った瞬間でした。


 僕のことを赤い髪の女性は「カスミちゃん」と呼んでいたから「崖から落ちた時に僕は亡くなり、その後は異世界に転生したかも?」なんて説が思い浮かぶが、その説を僕なりに正しいかどうか考えてみることにする。

 

 既に答えは出ていると思うけど、まだ僕自身は転生したとは信じたくないからだ。


 僕の知っている日本において、TVや雑誌とかでも見たこともないような綺麗で鮮やかな赤髪の女性は知らない。

 顔つきも日本人女性のようには見えないけど、こんな山奥に日本人以外の女性がいるというのも考えられないんだ。

 

 もし、赤い髪の女性が日本人なら生え際に黒髪の痕跡が残るはず。

ただ、髪染めしたばかりだと生え際も赤色になるけど・・・そんな感じのする赤髪ではないと思う。


 それに、ここは病院のベッドの上でもなさそうだし、赤い髪の女性か女性と関わりのある人物の部屋と思われる所で、どうして見ず知らずの女性と関係のある部屋のベッドで寝かされている理由も分からない。


 普通、崖から落ちた僕を発見したなら今頃は移動中の車の中か病院のベッドの上のはずだ。落ちた崖下のあの現場から僕をここまで運んで助けたとしては不自然だと思った。


 もし、崖下で倒れている大怪我をした僕を発見したなら病院なりに連れて行くはずだからだ。

 崖下で倒れてる僕を発見したから近くの家まで運んだも考えられる理由だがそれはあり得ないと思った。


 あの崖から落ちた先は谷底で人は落ちたら助かる見込みがないと聞いた覚えがある。それに僕の記憶に間違いなければ谷底周辺やこの周辺の地域にも人が住める家や小屋などの建物は無かったはずだ。

 あるのはバスの待合に使われている小屋というには無理があるような小さな雨除けが設置されているぐらいだ。


 周囲に人が住む家や集落もなく人通りや車通りも殆ど無いので落ちたら助からないと言われている崖下で、どうして大怪我をしているはずの僕が怪我もなく無事にベッドに寝かされているのか分からないのだ。

 

 身体を起して部屋の中を見渡した訳ではないので、詳しくは見えないがこの部屋は日本家屋で良く見る部屋と違った室内の作りや見たこともない風変りな家具の様子もおかしいと思ったんだ。


 僕の知る現実ではあり得ない内容が重なると『僕は崖から落ちて亡くなり、異世界と思われる世界で子供に転生したのでは?』という内容が更に真実だと告げているように感じた。


 決定的な出来事は女性から鏡で僕自身の姿を見せて貰ったことでした。

顔色や肌色は青白くて不健康そうで目の前にいる女性の髪と同じ綺麗で鮮やかな赤髪は少し傷んでいそうですが幼い女の子だったのです。


 さすがに高校二年の僕が、気が付けば幼ない女の子になっていたなんて現実ではあり得ない話なのだから、崖から落ちた僕は異世界転生した説を疑うよりも信じるしかなかった。


 しばらくして、気分が落ち着いてくると僕は何故だかこの世界のことを知っていることに気付きます。

 この身体の持ち主である女の子の知識と記憶と僕の日本で得た知識と記憶がまるで同居しているような感覚がある。


 異世界転生で見知らぬ人の身体になっていたなんて話を物語を読んでいれば目にしますし耳にしたこともある。

 「僕の魂と少女の魂が一つになってしまった」や「二つの魂が一つの身体に同居している」や「身体の持ち主である少女が亡くなるタイミングに僕の魂と入れ替わった」とか考えてしまう。


 どちらにしても今の僕にはその確証を得られない結果を考え続けるのは止めにします。それを考え始めると終わりが見えない考察の渦にハマりそうになるだけだしね。


 さすがに女の子の身体なので、これからは一人称を僕よりも私と言うことにします。


 私の名前はカスミールと言います。

目の前にいる女性が母さんで、その母さん譲りの綺麗で鮮やかな赤色の長い髪を持つ女の子です。


 少し記憶が曖昧ですが自然と私の自身のことははっきりと分かります。


 五歳の時に高熱を出し寝込むようになったそうです。

その後は意識を保っている時間がどんどん短くなり、やがて意識を失い寝たきりになって三年の月日が経過したそうです。現在の私は九歳になるそうです。


 ある日(今日のことだ)、いつものように私に声をかけようと部屋に入ると言葉にはならないが発声していることに気が付いたそうです。

 声をかけた時点が今に至るということです。


 私自身では分からないことは母さんから補足して色々と教えて貰えました。

何年も寝込んだままだったので記憶の喪失がどの程度かの確認もあった思います。


 母さんはマリアベルという名前(愛称はマリア)で二十七歳。

父さんはグラン二十八歳。今日は村人の男性陣総出で森へ狩りに出かけているそうです。


 ここは、グランドワール王国という国のサラブ領ヤマギワ村といいます。


 村を出て北へ行くと【魔の森】と呼ばれるモンスターが出る危険な森があって、その森の奥にはパルチ山を呼ばれる大きな山があります。

 父さんたちはこの魔の森に狩りに出かけているそうです。


 サラブ領の中でパルチ山の近くにある村ってことでヤマギワ村という名付けられたそうです。

 

 (安易なネーミングすぎます)


 ヤマギワ村は、人口約五十人ぐらいで約二十世帯の村だそうです。

この村では、北にある魔の森へ狩猟へ行ったり、食べられる木の実や山草などを採取して来たり、南にある草原で野生の動物を狩って食料にしているそうです。


 それ以外にも畑で野菜などを作って売ったり食べたりもしているそうです。

貧困な村ではなく食事に困らない程度の生活は出来ているそうです。


 たまに来る行商の者に、狩ったモンスターの魔石とドロップアイテムなど村からの産物を売って、その得たお金で行商の者から生活に必要な物を購入しているそうです。


 モンスターは、凶悪で平気で人を殺す生物の総称で、体内には魔石と呼ばれるコアがあり、魔物を倒すと魔石を得ることが出来て、稀にドロップアイテムというアイテムを得ることがあるそうです。


 ドロップアイテムを得る機会は殆どなく、殆どが魔石を得ることしかないそうです。肉や皮などの素材を得ることが出来ないのがモンスターだそうです。


 野生の動物は死ぬと死体となって皮や肉などの素材を得ることが出来るが、モンスターのように魔石と稀に出るドロップアイテムを得ることは出来ないそうです。


 魔石か素材かの違いこそが動物かモンスターとの大きな違いだそうです。


 我が家の方針では私が五歳になってから色んなお勉強を開始する予定でしたが、病気で四年間も寝込んでしまったのでそれまでの記憶と知識しかない私は遅れているお勉強を母さんと父さんが色々と教えてくれました。


 私の知っている記憶のお浚いと知らない知識の猛勉強だったけど・・・(><)

ー補足ー

カスミールは病気で一年寝込み&意識不明で三年の合計四年寝込んでいます。


評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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