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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第七章 パルチ山のランクS

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第189話 下層 五十階層のエリアボス戦

エリアボス戦

 おはようございます。今日も元気なカスミールです。

今日の予定は、昨日出来なかった安全地帯にいる冒険者さんに情報を聞いてから、五十階層のエリアボスを倒して次の階層へと向かいます。


 昨日は三階層分の移動を無理に九時間も移動時間に使ってしまいました。

四十九階層の安全地帯の近くで監視の目の届かない範囲からカートを使わないであの砂漠の暑さの中を歩いてここまで来たのです。


 それで昨夜は疲れてしまっていたので、安全地帯に到着すると寝支度をして直ぐ寝てしまい安全地帯に滞在している魔性の微笑み(スマイリー)のメンバーの誰とも情報交換する余裕が一切ありませんでしたの。


カスミ:

おはようございます。

カスミールと申します。


ルーナ:

私の名前はルーナと言うんだ。

宜しくな。

カスミールちゃんのことは上から情報が来ているから知ってるよ。


カスミ:

昨夜の内に聞きたかったのですが、砂漠の暑さとかで疲れてしまってて直ぐに寝てしまいました。

出来るなら、今日聞けたらなと思いまして・・・


ルーナ:

それで何を聞きたいんだい?


カスミ:

まずは、エリアボスの傾向を聞きたいですね。


ルーナ:

さては、四十階層でハズレを引いたな?


カスミ:

ハズレって何ですか?


ルーナ:

四十階層の階層ボスが大きなゴーレムだったんじゃない?

あのゴーレムは私たち魔性の微笑み(スマイリー)ではハズレと呼んでいるんだ。

倒しても試練のクリアにしかならない。

魔石もドロップアイテムも出ない金儲けにもならない相手だしね。

その上に少しだけ倒すのに苦労するしな。


カスミ

そんなに面倒なのですか?


ルーナ:

動きが遅いけど重心が比較的安定しているから倒しづらいんだよ。

脚と地面が接する部分をハンマーか何かで同時に叩いてバランスを崩すなんてことでもしなければ中々転倒しないしな。


カスミ:

ゴーレムの脚は太かったですからね。


ルーナ:

欲しい情報は五十階層のエリアボスのだったな。

脅威度Bのモンスターがエリアボスになる。

中層のように試練とエリアボスや階層ボスを同時に相手にするようなことはないから安心しな。

下層は砂漠エリアだから、砂漠独特のモンスターが出る機会が多いと思う。

砂漠のモンスターはカスミールちゃんなら知ってると思うから説明は省くな。


カスミ:

サボッテンとかスコピンとか名前に砂漠のが付くようなモンスターですよね。


ルーナ:

ああ、その通りだな。

数が多いから脅威度Bを超えちまっているがキング級のゴブリンなども脅威度Bに含まれるから注意は必要なのさ。


カスミ:

団体さんですか。

数が多いと面倒なモンスターですね。

情報ありがとうございます。

エリアボスの部屋に挑戦して、先に進みますね。


ルーナ:

ああ。頑張れよ。

緑の勇者様や同行している冒険者を助けてくれよな。


カスミ:

はい。見つけてみせます。


 別れの挨拶をしてエリアボスの部屋へと進んで行きます。

五十階層のエリアボスの部屋もはやり砂漠でした。


 エリアボスが待ち構えているのかと思っていましたが、そうではなかったようです。砂漠を進んでいると砂が舞い上がってボスとなるモンスターが出て来たのです。


 エリアボスはサボッテンでした。これまで私は見たことのあるサボッテンは緑色のいかにもサボテン系のモンスターだと分かるような身体の色でしたがエリアボスとして登場したサボッテンは茶色です。


 砂漠の砂の色と同化出来るぐらい地面の色と同じです。目を凝らさないと何処にモンスターがいるの見失ってしまいますの。保護色のサボッテンって需要あるの?


 緑色のサボッテンと色違いなだけなので脅威度も変わりません。

どちらかというとバッタさんやカエルさんが生活環境で変色するような感じですかね。


 でも、砂漠の中でも緑色のサボッテンがいたので私の勘違いなのかな?


カスミ:

痛っ。


 見つけたサボッテンに気を取られていたからか、別の固定のサボッテンが私の直ぐ横にもいたようです。

 それに気づかなくてサボッテンに触れてしまったらしく、サボッテンの棘でチクっとしたので思わず声をあげてしまいました。


 サボッテンの棘には毒はありません。今回は偶然触れてしまっただけですが凄く痛かったのです。

 攻撃態勢になった時の棘はこんな痛さではありませんの。


 仮にもサボッテンは脅威度Bのモンスターなのです。

そんなモンスターの棘が当たる訳ですから、本当なら怪我しても不思議ではありませんからね。


 私の直ぐ傍にサボッテンがいたことに気付かなかったことは問題に思えて来ました。聖女アンズ様や賢者アレク様が気付かなかった訳ですからね。


聖女アンズ:

わたくしの警戒網を潜り抜けたと思っていますの?

そんなことはありませんわ。

少しばかり油断していただけですわ。


 良~く観察するとエリアボスとしての茶色のサボッテンは周囲に結構な数がいました。サボッテンの団体さんでしたの。

 これまでのエリアボスや階層ボスの傾向からしても脅威度Bのサボッテンが一体っておかしいとは思ったのです。


 いつもの通りならモンスターの総合の脅威度はBを超えて来る訳ですからね。

 周囲と同化して多数のモンスターがいたのは初めてなのではないかしら。


  突然、振って湧いたような時はありましたが、周囲と同化して極自然体(攻撃反応を示していない)のは凄く珍しいのです。

 懐かせてペットにしてもおかしくは無い状況なのです。


タイチ:

さすがに、サボッテンをペットにして飼ったりする人はいないと思うな。


カスミ:

・・・。


カスミ:

こんなサボッテンは纏めて悪即斬なのです。

【迅雷】


 周囲には激しい落雷によりドゴーンという音が鳴り響きます。

サボッテンが無残にも倒されて行く姿を見れないのは少し残念ですが、これも仕方ないのです。


 全てのサボッテンを確認出来ないので無差別な攻撃が出来る勇者の力を使いましたの。

 魔法でも良いと思いましたが、取り零すことなく悪即斬出来するには勇者の力に限りますからね。


 全てのモンスターを倒したと判断したのか次の階層への道が開けました。


 サボッテンの魔石を回収するとその数の多さには驚きましたの。

姿が見えなかっただけでサボッテンは五十体も私の周囲にいたことの証明にもなるんですの。

 

 何、サボってんと言いたい私はどうすれば良かったのかなと思う今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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