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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第七章 パルチ山のランクS

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第186話 階層ボス 後半戦

注)グロ注意です

 ゴーレムの姿が変化しました。今度は鎧を着た騎士のような姿です。

目的の宝石は何処にも見当たりません。鎧の下の本体に宝石が埋め込まれているのかもしれません。


 それだと四色の宝石を同時に破壊するなんてことは出来ないのでは? そう思ってしまいます。

 宝石を期にしながら鎧を着たゴーレムを攻撃するって気を使うので好きにはなれません。

 

カスミ:

【天眼】


謎の声:

カンテイハツカエマセン。


 天眼を弾かれてしました。

ここでも鑑定対策をしているということは何か鑑定されたら困るような秘密が隠されているようですの。


 まずは、手足を斬り落としてみます。


 その手足を守っている防具の下がどうなっているの確認してみることにしました。ゴーレムは私の身長よりも大きいので右手・左手一本だけでも私の身長ぐらいありますの。


 そんなゴーレムの手足を隈なく調べるのは苦でしかありませんから、斬り落として私が調べやすい高さまで位置を下げるしかありませんからね。

 四メートルぐらいの高さにある手を一メートルぐらいの位置から調べるのは骨が折れます。


 足場があったり対象が動かないなら可能かもしれませんが、相手はゴーレムですし敵性が私に向けば危険を伴います。そんな危ない行為は出来ないのです。

 手足を斬り落とす時に落ちて来る手を避けなければ大事故になります。

凄い重さがあるからなのかドスン、ドスンという音と地響きがします。


 まずは手の装備類を外していきます。ガントレットを外すだけでも一苦労です。

凄く重い上に普段使うことがないので外す方法も分からないのです。

 ガントレットは良くみると大きな手袋のような物でした。

肘から先の部分の形の防具に手をツッコンで外れないようにするだけでした。


 色のついた宝石が何処かにあるはずなので、注意深く探していますが見つかりませんでした。

 足のレガースも長靴を履くような感じの武具だったので脱がすのに苦労しましたが、宝石は何処にもありませんでした。


 防具にも手足にも宝石がないということは胴体の鎧の下か鎧の上側に宝石があると思われます。

 鎧の表面には宝石は見当たらないので鎧の下とかぐらいしか考えられませんの。


謎の声:

ピピー、ピピー、ピッ、ピッ、ピピー、ガッタイシマス。

ゴチュウイクダサイ。

ピピー、ピピー、ピッ、ピッ、ピピー、ガッタイシマス。

ゴチュウイクダサイ。

ピピー、ピピー、ピッ、ピッ、ピピー、ガッタイシマス。

ゴチュウイクダサイ。


カスミ:

はぁ? 合体するって?

手足は斬り落としたのにどう合体するの?


 斬り落としたはずの手足が元のゴーレムになるのに時間がかかりませんでした。

某ロボットアニメのようにバラバラになった手足が胴体に合体します。斬ったはずなのに元通りになってしまいました。


 その上に最初の形体に戻っています。

大きな剣と大きな盾を装備した状態のゴーレムになってしまったのです。


カスミ:

何か失敗したってことですかね?


タイチ:

たぶんだが、ふりだしに戻った感じになるってことはそうなんだろうな。


カスミ:

何処が失敗だったのでしょうか?


タイチ:

分からないな。

時間か宝石を見つけられなかったかのどちらかだと思うが・・・


カスミ:

後半の方の宝石は見つけられませんでしたからね。

本当に何処にあるというのかしら。


 おそらく、宝石は胴体の部分の鎧の下にあると考えますの。

私だけじゃなく他の冒険者さんでも攻略クリア出来る状況のはずなのです。


 ゴーレムを転倒させるかして上手に鎧を外して宝石を見つけ出して破壊する。この方法ぐらいしか思い付きませんでした。

 私だけで攻略クリアするなら勇者のスキルでゴーレム全体を攻撃すれば宝石ごと破壊出来ると思いますが、他の方法もあるはずと考えると鎧を外すぐらいしかないと思いますの。


 それか鎧を外さないで巨大なハンマーみたいな物で鎧ごと叩くって方法もあります。宝石を魔法で攻撃するとなると複数の属性を扱える人が必要になります。

 それも魔法、風魔法、光魔法、闇魔法の使い手が必要なのです。


 賢者アレク様のような魔法の使い手が・・・あっ、緑の勇者様の同行者さんの中にディーネさんがいましたね。忘れていました。

 ディーネさんなら魔法の使い手として問題ないと思いますの。賢者のクラスに就いているディーネさんなら同時の魔法攻撃も可能でしょうからね。


 魔法の同時攻撃が必要なのは、宝石を見つけ出してからじゃないと厳しいかもしれませんけどね。

 ヘタに他の宝石に違い属性が当たってしまうとふりだしに戻りそうですから。


タイチ:

カスミの考えは間違っていると思う。


カスミ:

それはどうしてですか?


タイチ:

四十階層の安全地帯では攻略情報を伝えられたはずさ。

「特に何もない」とは言わないと思うんだ。

それなら、この試練そのものが神によるカスミ用に用意された試練ではないかと考えてみた。


カスミ:

神ってそこまでするものですかね。

私用に試練を用意する意味ってないと思います。

【迅雷】を使えば一撃で破壊出来ると思いますの。

それを敢えて使わせて試練を攻略クリアさせるってどうですかね。

他の冒険者さんでも攻略クリア出来る方法の方がごく自然と思います。


タイチ:

カスミが運良く面倒な試練を引き当てただけと考えたい訳か。

それも十分に考えられることだな。

まぁ、ゴーレムを転倒させて鎧を剥ぎ取って宝石を探すが一番無難な方法だと思う。


カスミ:

そうですよね。


 ゴーレムの大きさは四メートル三十センチぐらいあります。

足の部分が二メートルで胴体の部分もニメートルで頭部が三十センチって割合なのです。


 約五メートルの高さにある頭部を叩くなんてことは人の身長では無理があります。多少、工夫すれば何とか出来そうですが、頭部を叩くという行為はあり得ないと判断出来ます。


 えっ? どうして頭部を叩くのかって?

人型のモンスターは後頭部を叩けば倒れそうじゃありませんか。タイミング良く動くゴーレムの頭部を叩けば倒せそうですしね。


タイチ:

それなら、動くタイミングを狙って重心を取ってる足元から崩した方が転倒させやすいと思うな。

低い位置の方が集団でもやりやすいし。


カスミ:

そ、そ、そうですね(;^_^A


 何か色々考えてみましたがどうすれば良いのか分かりません。

他の冒険者さんだったらどう行動するかなんてソロプレイの私には思い付かないのです。


 まずは攻略クリアしてしまいますね。

地図に書かれた内容でどの案が正解か後で確認することにしますの。

 

 まずは、大きな剣と大きな盾に付いている宝石を順番通りに破壊して次の段階である鎧を纏った状態にまで持って行きます。

 

カスミ:

【水神】と【迅雷】


 ゴーレム全体を水で濡らすように【水神】を使います。

この方が後の【迅雷】が効果が良く出そうだからですの。


 ズガガガガガーンと凄い音が鳴り響いてゴーレムに落雷が落ちます。

ゴーレム全体に攻撃した訳ですから、これで宝石にも同時に破壊出来たはずですの。


謎の声:

ピピー、ピピー、ピッ、ピッ、ピピー、ガッタイシマス。

ゴチュウイクダサイ。

ピピー、ピピー、ピッ、ピッ、ピピー、ガッタイシマス。

ゴチュウイクダサイ。

ピピー、ピピー、ピッ、ピッ、ピピー、ガッタイシマス。

ゴチュウイクダサイ。


カスミ:

えっ? これでは駄目だった?

そんなどうして・・・

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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