第181話 中層 三十二階層
三十二階層は意外？
三十一階層を終えて三十二階層へと降りて来ました。
弓の試練や斧の試練とパズルが別の物へと変化しています。
これはもうパズルとは言えませんよね。それでも階層の試練を攻略するしかありません。
次の階層に行くための階段は試練を攻略しなければ開かないからなの。
もし、後半の方に抜け道があったら？ どうするか迷う所なのです。
抜け道では大変な目に合いましたが、一度で二階層分進めるのは楽なので考え物なのです。ただ、ちょっと問題があるだけなのです。
それが・・・おしっこちびりそうになるのだけは勘弁して欲しいのです。
聖女アンズ：
また、カスミったらはしたないのですよ。
気を付けて下さいまし。
カスミ：
はい。すみません（＞＜）
三十二階層の試練は釣りでした。ダンジョン内でお魚さんを釣る？
釣りと言われてもピンと来なかったのです。目の前の光景を見る限りでは意味が分かりません。
三十二階層は三十メートルｘ三十メートルぐらいの広さがありそうです。
三十メートルというのは私の体感ですが、それぐらいの広さはありそうです。
その中央に三十センチぐらいの小さな穴はあります。
その傍には釣竿がありました。これを使ってお魚さんを釣れということまでは理解出来ました。
ですが、釣りと言えば針とエサが必要と思います。
肝心の魚のエサが見当たらないのです。エサ無しでお魚さんを釣れってことなのでしょうか？
この様子は、まるでワカサギ釣り？ ワカサギってお魚さんの名前でした？
サギと付くから鳥さんの名前かもしれません。空を見ても鳥さんは飛んでいませんね。
三十センチぐらいの穴なので私が入ることも出来ないぐらいの小さな穴です。
中に入ってお魚さんを捕まえて来る訳でもなさそうですの。水の中に入って釣竿を振り回して釣るとかあるのかなと一瞬でも考えてしまいました(;^_^A
自己解決出来そうにないので、攻略する方法を見るしかありませんね。
『穴に魚を釣る要領で釣竿の糸を垂らして、しばらく待つのみ。後は釣れることを祈るだけです。幸運を・・・。』
こんなことが書かれていました。
運でお魚さんを釣るってことですか？ たぶん、そうでしょうね。
ダンジョンで魚釣りなんてすると思ってもいなかったですし、魚釣りのクラスやスキルとかも私は持っていません。
大丈夫ですかね？ 無事にお魚さんが釣れるのでしょうか？ 心配なのです。
確か、何処かで神に祈るとか言ってたような記憶があります。
もしかして、ここでお魚さんが釣れるように祈るってことだったのでしょうか。
私の運の数値は良いのですから、きっと簡単にお魚さんは釣れると思いますの。
釣れるまで待つしかないので待とうと思います。
一時間経過しました。
一向に釣れる気配さえもありません。本当に静かな状態が続いています。
二時間が経過しました。
まだ無理なのでしょうか？ さっきと何も変わりありません。
三時間が経過しました。
もう、諦めた方が良いのでしょうか？ ここでリタイア？ 後発組が来るはずなので助けて貰いますか？
四時間が経過しました。
誰が十五分ぐらい祈れば良いと言ったのでしょうか？ 今度、文句を言いに行きたいと思います。
魚を釣り始めて五時間が経過した時のことです。
竿がピクピクと反応したので竿を引き上げます。
やっと魚が釣れたと思っていたんですが、長クツの中に『ハズレ』と書かれた紙は入っていました。
何なのですか。ハズレって・・・そんなのアリなの？ (;^_^A
結局の所、釣りを始めた時間から九時間経過してやっとお魚さんを釣ることが出来ました。
これでも苦労したのですよ？
お魚さんがかかったのは良いのですが、その大きさが問題で三十センチの穴程度では釣り上げることが出来なかったの。
穴の大きさよりも大きいお魚さんが釣れるとか聞いていませんよ。
せいぜい、釣れたとしても三十センチ以内に収まると思うじゃないですか。
いざ、お魚さんがかかって釣り上げようとすると穴より大きすぎて無理とか。
冗談でも笑えないお話ではないでしょうか。
剣神ジョア様に助けて貰って穴の大きさがニメートルぐらいになるように斬って貰ったし、斬った部分ごと釣り上げるなんて出来ないので無理矢理細切れにして何とか無事に？ お魚さんを釣り上げることに成功したの。
このような結果になって青の勇者様は凄く笑っていましたよ？
本当にあり得ない出来事ばかりですよね。中々、釣れないのにお魚さん釣りとか。
穴よりも大きなお魚さんが釣れるとか。釣れたお魚さんは私の身体よりも大きさです。約十五メートルぐらいはあるんじゃないかなと思えるぐらいの大きなお魚さんでした。
アイテムポーチに入れて保管していますが、三十二階層の試練は攻略出来たのでしょうか？ 判定になるまでお魚さんが必要だったかしら。それとも必要ないかしら。
「どっちなんだろう？」と考える余裕もなく、次の階層への扉が突然現れました。これまでは、この先に次の階層への道が開けると言った感じだったので、予め予想は出来ていました。
この階層ではそうではなかったようですの。突然現れた次の階層への道。
大きなお魚さんを一匹釣り上げただけで攻略したと判断されるこの階層に疑問が残りました。
もし、大きなお魚さんではなかったらどうなっていたのか？
何匹ものお魚さんが必要になるのか？ 小さくても一匹で合格？ 九時間かかって釣り上げたから合格したとかもあるのではないかとか。
他の条件でも攻略出来たのではないかと疑い始めるとキリがありませんが、そう思わないとやるせない気持ちになります。
本当に冗談ではないぐらい笑えない出来事だった訳ですからね。
まぁ、これで三十二階層の試練は攻略出来たということで「めでたし、めでたし」として終わりたいと思います。
タイチ：
本当にそうで良いのか？
カスミ：
それ以外に何かあるのですか？
タイチ：
その釣り上げた魚は検証しないのか？
いつものカスミなら、『わぁ、お魚さんだ。美味しそう。早速焼き魚にして食べようと思います』なんてことを言うだろうと思っていたのだがな。
それに三十二階層では九時間も滞在した訳だから、そろそろ活動時間を終了する時間と思うけどどうなんだ？
まだ、休まずに進むつもりか？
そう言えば、そうでしたね。
三十階層でエリアボスを倒して、三十一階層、三十二階層と進んで来て、ここまでで十四時間ぐらいかかっていることをすっかり忘れていました。
予定よりも時間を使ってしまいました。
本来なら六時間経過後が現在時刻であるはずが、お魚さんが釣れなかったばかりに予定以上の時間となってしまった訳ですの。
余りにも釣りが暇過ぎて、休憩も含まれていたと考えてもおかしくはありませんが、休む時や休む必要が私はあると思います。
なので、ここは休みを入れて気持ちを入れ替えようと思います。
焼き魚の件はまた今度ということで良いはずです。
巨大なお魚さんを捌いて料理するなんて私には出来ませんもの。
元の世界の『マグロの解体ショー』みたいなことは出来ませんよ。
聖剣使ってお魚さんを捌くしかないですからね。それは、ちょっと駄目な気がします。
今日は疲れていないけど、活動を終えようと思う今日このごろです。
おやすみなさい？？？？
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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