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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第七章 パルチ山のランクS

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第180話 中層 三十一階層

三十一階層の攻略

 三十階層のエリアボスを倒して三十一階層に降りて来ました。

また、パズルを解くということの繰り返しへと戻って来ました。


 まぁ、地図にアドバイスや攻略方法が書かれているので一からパズルを解くなんてことではないので簡単ではありますけどね。


 三十一階層はどんなものでしょうか。


カスミ:

これってパズルと呼んでも構わないのですか?


タイチ:

これでは僕も違うと思うな。


聖女アンズ:

何なのですか? これは?


魔王ガリア:

これはまた面白そうなギミックだな。


 私にはどんな物か分からなかったのですが、魔王ガリア様が反応したので機械とかギミックとか機械仕掛けのような物なのでしょうね。

 

 興味深い何かがあるんだと思います。

足元に小さな手斧が二本あります。


 これを使って、私が目視出来るギリギリの範囲にある巨大なリンゴに当てろ? または、リンゴを割る?と思われます。

 それもあれだけ離れた所にあるリンゴに手斧を投げてということらしいのです。


 この階層のパズル? もはやパズルと呼んで良いのか分からないですが(;^_^A


 私のいる位置からリンゴまでには距離があります。

その間にはハルバードという武器を構えた騎士のような石像? ブリキの人形? 鉄の人形? があります。素材までは遠目には分からなかったのです。


 騎士の像二体が左右に分かれてハルバードを持って構えているってことだけは理解出来ました。

 おそらくは、私が手斧を投げるとハルバードで邪魔をするって考えた方が良さそうです。


 ただ単にハルバードで邪魔をするならリンゴに手斧が当たらない方が多いのではないでしょうか。

 何本も手斧があるようには見えません。足元にある手斧は二本です。この二本の手斧で賄うのでしょう。


カスミ:

まずは手始めに【火矢ファイヤーアロー

 

 リンゴまでの距離を測るためと手斧を使わなくても攻略クリア出来るのかを知りたくて魔法を使ったみることにしました。


 どうやら、魔法は効果ありませんでした。騎士の像がある位置から付近で魔法が消されてしまいました。

 消されたというよりかは魔法が何かに当たってしまったかのような現象でした。


賢者アレク:

ほう。あの騎士の像の所には魔法を打ち消す見えない壁のようなものがあるようじゃな。

たぶんじゃが、その手斧以外は無理なんじゃろうな。


 私もそう思いました。

手斧が用意されている=手斧以外では無理と言っているようなのです。

 私は左右の手に一本づつ手斧を持って順番にリンゴ目掛けて投げます。

予想通りに騎士の像がハルバードを振るって最初の手斧を払い落とします。


 その動作は既に予測済みなので、騎士の像の動作後の隙を突いてもう一本の手斧がリンゴ目掛けて飛んで行きます。

 手斧を時間差になるように投げただけです。


 見事、手斧はリンゴに当たります。

さすがに綺麗にリンゴを二つに割ってしまうことまでは出来ませんでしたが十分だと思いました。


 騎士の像がもう二体増えたからです。

私とリンゴとの間にはハルバードを持った騎士の像が二体一組で二ヶ所になったのです。一回目の手斧が正解だと言っているのですからね。

 

 でも、手斧は二本とも投げてしまったので次の試練のようなことに対応出来ないのではないでしょうか?    

 そう思っているといつの間にか足元には手斧が二本あります。これではさっきと同じ方法で騎士の像の手斧を払い落とすを避けられないのです。


 手斧を二本でリンゴに手斧を当てる行動を取らないといけないってことでしょう。地図を見れば回答が書いてあります。

 素直に回答をみるのはカンニングしているようで避けたいのです。まずは、自力で解決出来るような方法を摸索してみようと思います。


 騎士の像が持つハルバードの可動域の範囲外に向けて手斧を投げればリンゴには当たると思います。ですが、気になるのは手斧が二本あることなのです。

 手斧を二本ともリンゴに当てる必要があるのか。それとも二本目はリンゴに当てなくても良いのか判断が分かれます。


 まず一本目の手斧は右側の騎士の像の頭のすぐ後ろぐらいを通りつつ、大きく弧を描くように投げます。 

 同じように左側の騎士の像の頭の後ろ側を通るように左右同時には投げることは出来ないので一本づつ手斧を投げます。


 騎士の像の頭の後ろを通り過ぎた手斧は無事にリンゴに当たりました。

これで二回目は攻略クリア出来ましたの。新たな騎士の像が現れました。


 左右に一体づつ向かい合うような騎士の像だったのが今度は背中合わせの騎士の像が増えました。これで騎士の像は合計六体です。

 左右に向き合うような騎士の像が二組、背中合わせが一組と三ヶ所の騎士の像の妨害を乗り越えてリンゴに手斧を当てなければなりません。


 使う手斧は三本です。二回目のように騎士の像の可動域の範囲外に向かって手斧を投げたのでは最後に増えた騎士の像に邪魔されてしまいます。

 やるなら正面突破で一本目と二本目には犠牲になって貰って本命の三本目がリンゴに当たれば攻略クリアにしたいです。


ヘタに手斧を投げるタイミングが割ると一番目の騎士の像が再度手斧を阻まれるという可能性があります。

 いかに、騎士の像が手斧を払い落す動作の間に手斧を投げ込めるかってことなのでしょう。


 そして最後には騎士の像の動作範囲外から手斧がリンゴに当たるって結末が理想なのです。


タイチ:

どうして、そんなに考え込んでいるだ?

何か問題でもあるのか?


カスミ:

手斧をリンゴに当てるにはどうすれば良いのか考えています。

二回目のように騎士の像の可動域の範囲外に向かってだと・・・。


タイチ:

最後に増えた騎士の像が邪魔をするから無理という考えか。

ハルバードの可動域の範囲外は何も騎士の頭上だけではないと思うな。


魔王ガリア:

おお。あそこは抜け道だな。

だあが、そうでもしなければクリアは容易ではなさろう。

態と隙を作ったのであろうな。


カスミ:

本当にそんな隙間ってあります?


タイチ:

あるよ。

攻略クリア出来るように隙を作っていると思う。

答えが分からないようだね。

対になった騎士の像がハルバードを振り下ろした時に、ハルバードの穂先は円を描くような軌道上にあるんだ。

これは分かるか?


カスミ:

カルバードの先端がってことですよね。

はい。分かります。


タイチ:

ああ。その通りだ。

ハルバードとハルバードが接触するか接触しないかギリギリの点に隙間が出来るのは?

どう? 分かるかな?


カスミ:

少し待って下さいね。

あっ、ありました。

あんな所に隙間が出来るのですね。

それも丁度、三つ目の騎士の像の可動域の範囲外を通る道筋が見えました。


 青の勇者様から教わって見えて道筋通りに手斧を投げます。

騎士の像は少し反応しますが、ハルバードが当たらないと判断したからか、僅かに反応した程度でハルバードを振り下ろすという行動にまでは至りませんでした。


 最初に投げた手斧は無事に? リンゴに当たったので、続いて二本目、三本目と手斧を投げます。

 もちろん、三本の手斧全てがリンゴに当たった所で遂にリンゴが割れましたの。


 リンゴが割れるとその先に進む道が出来、騎士の像は跡形もなく崩れてしまいました。これで三十一階層のパズルは攻略クリア出来たと判断出来ました。


 次の三十二階層へと進もうと思う今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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