第177話 中層 二十七階層
フラグ?
二十六階層を攻略して二十七階層へ降りて来ました。
エリアボスまではこの階層も含めて残すは三つの階層です。
二十七階層のパズルは的当てです。もう、パズルでもないように思います。
射的か?? と思えるぐらい弓道とかに使う的が遠目からでも見えます。遠くても見えるってことからも大きな的なのでしょうしね。
ここから射ろと言わんばかりの二十丸が書かれた場所があります。
少しだけ地面よりも小高くなっていますが約三十センチぐらい高くなっているぐらいなので怖くもありません。
どうして怖くなるのかってですか? それは的の場所が凄く高い位置にあります。最初はその高さに合わせて矢を射ると思っていましたから、同じ高さになるように高さが変化するとか。ハシゴか階段かで登る可能性あでも視野に入れていました。
何せ、パズルの階層ですよ。
動かないはずがないと用心する方が自然と思いますの。
でも、見える的の距離と高さを考えると普通の弓使いのクラスの冒険者さんでは対応出来ないと思います。
地図に書かれている情報にも「弓が使える上位クラスが必要」とまで書いてあるではありませんか。
【火の矢】のような魔法では駄目なのでしょうか?
気になるなら魔法を使ってしまった方が良い結果になるはずです。
タイチ:
それは止めておこうか。
カスミ:
どうしてですか?
魔法を使った方が確実と思いますが・・・。
タイチ:
カスミ。足元を見てみろ。
この魔法陣は魔法が使えないようになる物さ。
おそらく、高さが変わると思う。
一回目、二回目、三回目と言った具合に順番に的を射る内容が変化していくと思う。
その変化する内容次第では足場の高さや不安定になる状況も考えられるからさ。
例えば、上下する不安定な足場で弓を射るなんてことがありそうだし。
カスミ:
そうですよね。
的を射るのは何も一回とは限らないですからね。
むしろ、一回で終わると楽ですから、その方が私は良いのですけどね。
でも、弓なんて用意していませんよ?
タイチ:
弓と矢は用意されている物を使うそうだぞ。
あれを見ろよ。
カスミ:
あんな上等な弓と矢を使うのですかね?
タイチ:
そのようだな。
あの足場から弓と矢を持ち逃げ出来そうだから、持ち逃げ出来ない工夫もされてるな。
それに的の先を見てみろ。
カスミ:
的の先ですか?
タイチ:
ああ。的の先には番号が書かれたボードがある。
的を貫通してボードの番号順に矢を当てるんだろうな。
弓術のクラスの上位じゃないと出来そうにない芸当を求めているのかもしれんな。
あんなに距離が離れた所にある的の中心を射抜き、更にはその先にあるボードに矢を当てるなんて弓の名手でもなければ無理だと僕は思う。
私は用意されている弓と矢を手に取り状態を確認します。
これまでで見たこともないぐらい凄い良い弓と矢であることが分かりました。これなら私の力やスキルに耐えられると思います。
弓と矢を構えてスゥと息を吸い込みます。
頭の中でイメージするのは的を壊さないように矢が貫通し、その先にある別の的に当たることです。
的が強固であっても矢が貫通する力を持っていなければなりません。
このイメージすることが大切なのです。例えば、的が矢が貫通出来る普通の素材であれば問題ないのです。
的が鉄であるとか普通に矢を射っただけでは貫通出来ない素材だったら矢は貫通しません。対象の的を壊してしまっても矢が持つエネルギーを奪ってしまう恐れがあります。
何事もなく矢は自然に貫通し、その先にある的に当たらなければならないのです。
まずは一回目です。
矢は的の中心を貫き、「1番」と書かれたボードの刺さりました。
これで第一の試練はクリアです。
試練と呼んだのは、これが何度あるか分からないからです。
一回目クリアとか二回目クリアとすると一つの試練に何度か失敗しているような感じがしたので却下した結果なのです。
矢を射ることに集中したいので余計なことに心を乱されないようにするためなの。
第二の試練は的が二つです。二つの的を射抜く矢が必要です。
連続した的を貫通するだけですからね。これぐらいは簡単なのです。
第三の試練、第四の試練も貫通する矢を射るだけでクリア出来ました。
問題は第五の試練です。射手の私が立つ位置と的の位置とボードの位置の関係で単に矢を真っ直ぐに射るだけでは当たらない位置にボードがあります。
弓を射った矢は真っ直ぐに進んで的に当たるか。
放物線を描くように放たれた矢がその通りに進んで的に当たるかのどちらかです。
第五の試練はまさに放物線を描くように放たなければならないのです。
弓神のクラスに就ける私には問題なく出来ますが、放物線を描くよう矢を射って的を射抜く必要があります。
第五の試練のように的が一つであれば何の問題もなく出来ると思います。
第六の試練の第五の試練から更に的が二つになるとそうはいきません。
弓を構えた時には既に矢の軌道が見えています。
その軌道上に的があれば一つでも二つでも的を射抜くことは簡単に出来ます。
ですが、起動上になければどうでしょうか?
例えばですが、五メートルの高さにあるボードに矢を当てるまでに、的Aは十メートルの高さにあり、的Bは三メートルの高さにあるなんて場合だと的Bを射抜いてから五メートルの高さにあるボードに矢を当てるなんて出来っこありません。
矢は直線か放物線かしか放てないのです。
途中で軌道修正なんて出来ないのです。
急上昇や方向転換なんて出来はしないのですからね。
一本の矢では第六の試練はクリア出来ないってことです。
全ての試練で屋は一本しか使っては駄目だという条件は無いので問題ありません。
矢を一本以上使って、順番に的を射ることが出来ればクリア条件を充たせると思うので同時に二本以上を矢を射ることでクリア出来ます。矢が的に当たるタイミングの調整だけですね。
一つ目の的を射抜いた矢が二つ目の的を射抜いた矢が地面に刺さるまでにボードに当たれば順番に的に当たったことになりますからね。
ここで注意しなければならないのは一つ目の的を射抜いた矢が二つ目の的を射抜く前にボードに当たってしまわないようにすることですかね。それさえ出来れば第六の試練はクリア出来たも同然です。
私は第五、第六の試練を無事にクリア出来ました。
二十七階層のパズルはこれで攻略出来ました。
弓神のクラスの力が必要になりました。
この先も他のクラスの力が必要となるなら、中層と言えど簡単には攻略させて貰えないのかもしれませんね。
もし、二十八階層~三十九階層の十一階層で上位クラスの力が必要であるならばパルチ山のランクSを攻略するには上位クラスの冒険者さんをたくさん引き連れてじゃないと攻略出来ないってことですからね。
一人では無理って分かっているはずなのに私一人で先行するって・・・もしかして試されてるの?
そう思うと何か嫌な予感がすると思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




