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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第七章 パルチ山のランクS

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第173話 中層 二十三階層

三回目の謎

 二十二階層をクリアして下への階段を使って二十三階層に降りて来ました。

この階層の試練はどんな試練なのか期待したい所ですが、私がダンジョンファンタジアでも苦手とする謎解きの階層でした。


 二十三階層で待ち受けてた試練は通称「無限ループの回廊」と呼ばれる階層です。二十二階層も正解を引き当てなければ無限ループの階層ですが、本当の意味での無限ループの回廊はもっと質が悪いのです。


 私の目の前には五つの部屋の入り口があります。

この五つの部屋のどれかを選ばなければ次へ進むことは出来ません。


 この五つの中に正解と呼ばれる部屋は一つしかありません。残りはハズレです。

正解を引き当てた場合は次の部屋へ行くことは出来ます。ハズレを引くと元の五つの部屋の入り口がある場所へと戻されます。


 えっ? 二十二階層とどう違いがあるのかって?

当たりを引いてもハズレを引いても次の部屋は五つの部屋の入り口があるのです。


 上の階層から降りて来た安全地帯から進むと五つの部屋の入り口があります。

 ↑今ここ。


 五つの扉の中からどれかを選ぶ。ここまでは良いのです。当たりを引いた次の部屋も五択の扉が待ち受けています。

 ハズレを引いても次の部屋は五択の扉が待ち受けています。正解を引き続けるとゴールに辿り着けます。


 目に見える様子は当たりを引いてもハズレを引いても変わらないのです。

二十二階層ではハズレを引いても最後はふりだしに戻されるのでハズレを引いたと自覚出来ます。


 引き戻せないって言うのもありますが、ふりだしに戻ったという結果が成否の答えだと分かるのです。


 ですが、二十三階層では選んだ部屋が正解かハズレか分からない点なのです。正解とハズレどちらを選んで同じ五つの扉がある場所に辿り着くのです。

 五つの扉を選んで進み続けている限らり終わりがありません。これが無限ループの部屋の恐ろしい部分なのです。


 攻略を諦めて戻る事は簡単に出来ます。

背後に扉が一つありますから、この扉を開けて進むと最初の安全地帯に戻れます。


 幸いにも正解のルートは地図に書き込まれているのでそれを信じて進んで行けば良いだけなのです。

 私だけならこの階層でリタイアしていたかもしれません。それぐらい無限ループの回廊が苦手なのです。


タイチ:

これだけクジ運が悪いカスミが正解を一発で当てられるとは思えないからな。

何度も何度も試行を繰り返して攻略クリアするのは諦めなければ攻略クリア出来るだろうけど、見えている景色が一切変わらない状況では「正解とハズレ」が分からないんだからカスミには無理だと思う。


カスミ:

最初にこれを攻略クリア出来た人も凄いと思います。


タイチ:

そうか? 一人では無理だと思う。

だけど、人海戦術というか大勢で押し寄せれば攻略クリア出来るんじゃないかな。


カスミ:

それはどうしてですか?


タイチ:

五人が五つの部屋のそれぞれ挑戦すれば良いんじゃないかと思う。

ハズレを引いた者はふりだしに戻るなら、正解を引いた者以外は同じ場所に集まることになる。

そうなると誰が正解を引いたか分かる訳さ。

五つの扉の正解を引いた者が元に戻って来て、全員で正解の扉を開けて進んでを繰り返すとこの階層は攻略クリア出来るという訳さ。

万が一、ハズレの部屋にモンスターが出たら危険だから、モンスターに対処出来るだけの戦力があれば更に問題なしって訳だな。


カスミ:

そんな攻略クリア方法を閃かなったです。

私一人では攻略クリアは出来なかった訳ですかね?


タイチ:

一人でも攻略クリア出来る方法が何かあるはずだと思う。

だけど、それを思い付かなければカスミのようになるってことだけさ。

おそらくだけど、僕の見立てでは物を置くなんてことを利用すれば攻略クリア出来るのではないかと考えてはいるんだ。


 青の勇者様の案はこんな感じです。


 ・何処かの部屋を通り抜ける。

その先に何でも良いの物を置いて元の場所に戻ります。


 ・次に別の扉を使って通り抜ける。

その先には先程、置いた物があるかないかのどちらという結果となります。最初に選んだ扉が正解であるなら物はありません。

 別の扉を進んで来た訳ですから何か物があるということは先程選んだ扉と今回選んだ扉はハズレだったってことになります。


 こんな感じで扉を抜け先に置いた物の有無を確認すると最大五回の試行で正解を導けるということです。


 あれ? 二回目の時に物が無かったら? どうなるの?

 一回目と二回目のどちらかが正解で、どちらかがハズレになるので一回目に置いた物と二回目に置く物が一回目の物か二回目の物か区別出来るような物であれば大丈夫ですかね。


 三回目の時に見つけた物が一回目の物なら、二回目の扉が正解の扉と判断出来て、二回目の物なら一回目の扉が正解だと判断が出来ますね。

 見た目で判断出来る物であればどれが正解かハズレか判断出来そうです。


 ただし、置いた物が元の位置に戻っても置いてある状態じゃないと駄目ですね。物が無くなってしまったら意味がありませんね。

 だから、青の勇者様はこんな感じで行けるだろうと言われたのでしょうね。


 仮に、物が置けない状況だったら?

一人では攻略クリア出来ない階層なのかもしれませんね。

 私は地図を見て正しい道順を進みます。

私一人では謎解きは無理なので地図に頼って進みます。


 一回目は一番左側の扉

 二回目は左側から二番目の扉(一番左側の扉の隣)

 三回目は一番左側の扉(一回目と同じ扉)

 四回目は一番右側の扉

 五回目は右側から二番目の扉(一番右側の扉の隣)

 六回目は一番右側の扉(四回目と同じ扉)


 六回目の扉の先を抜けた所で視界が開けて、ここがゴールだと気付きます。

結局、真ん中の扉を一度も開けることはありませんでしたね。


 これで次の二十四階層へと行くことが出来るようになりました。

正解のルートが分かっているのでハズレを引いた場合の扉の先がどうなっているのか確認はしてみましたが、何もない部屋で正解の部屋と違いがある訳ではなかったの。


 部屋に違いがあれば、部屋の様子から正解かハズレかを判断出来たのですが、本当に見た目だけで判断出来ないように作られている謎だと思いました。

 二十二階層の謎と二十三階層の謎が一緒になった謎だと凄く面倒だなと思いました。これってフラグを立てるって奴ですかね?


 フラグにならないことだけを祈って次の階層へと進もうと思う今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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