第172話 中層 二十二階層
迷路?
二十一階層はパズルのようなマス部屋の謎解きを攻略しました。
次の階層への階段を降りて二十二階層の謎解きに挑戦します。
魔性の微笑みから受取った地図と現状を確認します。目の前には通路のような所への入り口が六つあります。
おそらくは、この七つの入り口の何処かの先に出口があるのでしょう。
入り口の上には「1番」「2番」・・・「7番」まで書かれています。
1番~7番の何処かを選んで出口を目指すのでしょう。
地図に書かれているコメントにはクジ引きと書かれています。
クジ引き? ってコメントと七つの入り口から、この階層はあみだクジのようなものだと推測出来ました。何処かに当たり=正解があり、間違った所を選ぶと出口には行けなくなりそうなの。ふりだしに戻るとか。
地図には、もう一つヒントのようなコメントも書かれていて「運任せ」と私を絶望させるような内容が書かれていたのです。
七つの入り口のどれが正解として何番を選ぶのか番号が書かれているのかと思っていましたが、まさかの運任せが正解へのルートとは思っていませんでした。
運任せってことから毎回正解のルートは変化すると思っても良いと思います。そうでなければ運なんて言葉は使わないと思います。
ただ、気になるのは間違った入り口を選択してしまった時にどうなるのかなのです。
地図には間違ったらどうなるのかを一切触れられていなのです。
二十一階層では安全地帯の壁にヒントになるものが書かれていましたが、二十二階層ではそのようなヒントもなく目の前には七つの入り口しか見えません。
おそらく間違っても問題ないと判断しました。間違ったら困るような内容なら「慎重に選びましょう」みたいなことが書かれていてもおかしくはありません。
怪我するとか死が待ち構えているなら特にです。
そうでない=ふりだしに戻るぐらいでやり直しが可能と考えます。決して、これが正解とは限らないですが、ハズレを引いても大丈夫な内容と思います。
カスミ:
私は運が良い方だからきっと大丈夫ですよ。
タイチ:
ああ。そうだな。
運の能力値だけは良いのだが、実際の運はというと駄目駄目なのだが、それでも運の良さを信じるのか?
カスミ:
・・・前向きに考えましょうよ。
正解する確率が九十%としても、その残りの十%を引く豪運ってことでしょ?
それは凄い運だと私は思うのです。
見方を変えると正解が十%の確率を引いてしまったと・・・。
タイチ:
言いたいことは分かるけどな。
誰でも当たるようなクジでハズレを引いてしまった子供に運が悪かったではなく、運良くハズレを引いたんだよと慰めているのと同じなんじゃないか?
考え方を変えただけで良い結果を引き寄せることが運が良いと僕は思うけどな。
私の運の能力値は本当に意味が分かりませんからね。何処が運が良いのか分からないのですの。
「運:40,000」が何を意味するのか誰か教えて下さいなの。
ちなみにですが、運の最大値は200なのです。これは人でもエルフでも他の種族の方でも同じなのだとか。
モンスターに運の能力値があるのかまでは分からないのです。
取り敢えずは二十二階層ってことなので2番の番号の書かれた通路から挑戦しようと思います。
えっ? 普通は全て試すつもりなら1番からがセオリーでは? ですって?
私は運が良いのです。一回で正解のルートを引き寄せるのですから順番なんて気にしないのです。
ジグザグに進んでいる様子から、本当にあみだクジのようですね。
もし、当たりならゴール。ハズレならどうなるのか心配ですが進むという選択しかありません。
たぶん、この階層の仕様だと思いますが、選んだルートは元の入り口に引き戻せないように来た通路は塞がっているのです。
背後や横の壁が動いたような音とかも聞こえていないので突然降って湧いたように元のルートへの通路は塞がれてしまっています。
間違った選択をしてしまっても再挑戦が出来ると確信しました。
最初から入り口を選び直す必要がありますが、もし再挑戦時に同じ番号の入り口を選んでも通路が通れないのであれば困りますの。
タイチ:
再挑戦は出来るはずだ。
再挑戦出来ないと誰も通れなくなってしまうよ(;^_^A
確信しましたって大袈裟に言うようなこと・・・
カスミ:
・・・少し私の考えを読み過ぎでは?
タイチ:
ごめん。
青の勇者様たちには良く私の考えを読まれてしまいます。頭の中で七人が同居しているようなことだから? かもしれませんね。
私からは誰の考えも読めないのは不公平に思います。一方的に私の考えだけが筒抜けなんて許せないですがどうすることも出来ないのよね。
この2番の通路の結果がどうなるかは進んでみれば分かることです。
終わり(終点)まで進むと・・・そこは入り口でした?
ゴールと思っていた所は安全地帯で上の階層への階段があるので入り口で間違いありません。目の前には七つの通路の入り口が見えます。
出口ではないようですね。もし、ゴールなら下への階段がある方の安全地帯ですからね。
2番の通路が間違いだったのか。それともタイミングが悪かったのかのどちらかでしょうね。
納得出来る答えが見つかるまで施行を繰り返す訳にもいかないので、ゴールに辿り着くまで何度も挑戦するしかありません。
これで間違っていても安全であることが証明出来たので良しとします。
「運が良ければゴールに辿り着ける。」これをどう解釈するかです。
2番を何度も繰り返していてもゴールに辿り着けるのかもしれませんし、辿り着けないのかもしれません。二回目の挑戦を何番にすると良いのか迷う所なのです。
一度決めたことを貫き通すってことで次も2番の通路に挑戦します。
今度こそゴールに辿り着けますようにと期待を込めて通路を進んで行きます。
今回は、先程と違うと直ぐに分かりました。
前回は、通路に入って少し進むと左手側に曲がる道があったのですが、今回は少し進むと右手側に曲がる道があります。
入り口は前回と同じ2番の通路を選んでいますが中はランダムのようですね。
前回と今回とで進む方向が明らかに違うので次も2番を選ぶと左右どちらかになるんだと思いますが、正解のルートかどうかまでは分かりませんの。
結局、私は四回目の挑戦で下への階段のある安全地帯に到着することが出来ました。2番の通路を選び続けても最終的にはゴールに辿り着けることが分かりました。
三回目ぐらいで四回目は2番を選んでも良いのか凄く迷いましたが、初志貫徹ってことで2番を選んで良かったと思いました。
二十一階層は予想よりも短時間で攻略出来ましたが、二十二階層で少し手間取りましたが、ここまでで約四時間ぐらいです。
中層の階層を約二時間で攻略が目安なので丁度良い時間配分となりました。
次は二十三階層でどんな謎が待っているのか楽しみな今日のこのごろです。
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




