第168話 上層 エリアボス
瞬殺
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は十階層のエリアボスに挑戦するのです。
パルチ山のランクSはタイガの大森林のランクSと違ってきちんとエリアボスの部屋があります。エリアボスの部屋への扉なので比較的豪華な扉です。
どちらかと言えばエルフル遺跡群のランクSの時と同じなのです。
エリアボスの部屋の前に扉があり、その扉の前の空間が安全地帯なのです。
このタイプのエリアボスの部屋だとボスと戦い終わらないと次の冒険者はボス部屋に入ることが出来ません。
中から扉を開けるとボス部屋に入ることが出来るようになります。地上への魔法陣は逆側の扉の向こうにあります。
入口と出口。どちらの扉を開けることが出来るのもボスを倒した後です。
扉の前でグレースさんたち安全地帯で待機している冒険者さんたちが朝の挨拶と声援を受けます。
挨拶を返すと、いざエリアボスと対戦なのです。十階層のエリアボスはオークが四体です。
オークリーダー一体とオーク三体の構成です。オークリーダーがいるのでエリアボスは脅威度Dではありません。
オークリーダーは脅威度D+のモンスターです。
脅威度Dのオーク三体もいるので私でも脅威度Dのエリアボスではないことが分かります。
オークリーダーはオークより少し強いタイプのオークです。
三体のオークの方はオークにしては少し装備類が多いかもと思ったぐらいで大き目の棍棒と盾を持っています。
オークリーダーは剣と盾を装備しています。盾を持っていますが鎧の類は一切装備していません。
オーク系はお肉をドロップするモンスターなので私としては「ありがとう」と言いたいですね。
これぐらいなら簡単に倒せます。
サクっとエリアボスを倒して次の階層へと向かいます。
お肉のドロップはありませんでした。お肉をドロップするモンスターだから、いつも期待してしまいます。
そうそうお肉はドロップしないので過度な期待はしないことにしています。それでもお肉をドロップするよう期待を込めて倒しましたよ?
上層の後半の十一階層~二十階層を目指します。後半だからと言っても洞窟は洞窟のままです。
前半と比べる少し洞窟が薄暗くなったかなと感じるぐらいでそう変わりはありません。
モンスターは急激に強くなると言ったタイガの大森林のランクSの件がありますが、あんなことはそうあるはずもないですし、違うランクSダンジョンだから一応気には留めておきます。
無意味であって欲しいですもの。
罠を作動させなければモンスターが登場しないことで楽に進めます。モンスターと戦いたいからと言って罠を作動させるとモンスターではない危険な罠かもしれないのでそんなことは出来ませんの。
出来ればモンスターと戦いたくない私は故意に罠を作動させるなんてあり得ませんの。
この罠の関係で後発組の冒険者さんたちは一日二階層ぐらいしか進めません。魔性の微笑みの皆さんだと一日三階層進むんだそうです。
罠の作動に気を使って進むと罠が作動しなかったり、気を抜くと罠が作動するという常に集中状態を求められます。集中していても罠は作動するそうですが(;^_^A
それが後発組の冒険者さんが四日~六日と言われている理由です。
早ければ四日で抜けられるが、遅ければ六日はかかるだろうと予想しているのだとか。それ以上かかるようだと救助に向かうそうです。
これがパルチ山のランクSが環境変化型の怖さというものでしょうね。まだ、上層だというのに罠危険地帯と環境が面倒であり、進行を遅らせる原因ですからね。
あっ、罠危険地帯というのは私が勝手に名付けましたよ?
中層や下層や深層がではどんな環境変化なのか今から考えるだけでも恐ろしいです。私の目的は緑の勇者様の様子をいち早く確認することです。
可能であれば救助するですからね。
次の中層は遺跡エリアです。
遺跡と環境変化がどんなことが起きるのか気にはなります。
ダンジョンファンタジアで遺跡エリアがあったような気がします。私が覚えている範囲だと迷路だったと記憶しています。
迷路+罠の嫌気が差すほど面倒なエリアだったはずです。迷路には謎解きも含まれるので罠を利用して進むこともあったような?
それでも私は遺跡エリアのダンジョンは好きでした。「これぞ。ダンジョンの醍醐味」を味わえますからね。
洞窟を慎重に進むのも面白いですが、迷路を謎を解きつつ、時には罠を利用して進むって面白いと思いませんか?
タイチ:
それ誰に聞いてる?
僕か?
カスミ:
私の考えていることにツッコミ入れないで下さいよ~。
下層は砂漠エリアです。砂漠エリアはタイガの大森林のランクSで体験していますが、あの砂漠に環境変化が加わるので砂嵐、流砂や夜と昼の寒暖差が組み合わさった環境が予想出来ます。
砂嵐(昼)や砂嵐(夜)と言った感じで暑さと寒さが交互に来ると嫌になりそうですね。
最後に深層の森林エリアです。大きな木があったするジャングルのような密林のイメージです。
環境変化は雨や雪や濃霧などの天候の変化、昼と夜で遭遇するモンスターが異なるとか。罠+迷路の遺跡エリアのようなことにはなりませんが、階層を進むごとに環境変化しそうです。
ダンジョンファンタジアというゲームから得た知識と魔性の微笑みの皆さんからの情報から導き出した内容ですからこんな感じになるだと思うの。
魔性の微笑みの皆さんが正しい情報を提供して貰えたとは限らないですからね。
私や他の冒険者パーティーに伝えることで不都合が生じない範囲で情報を精査していると思います。
「こんな感じのダンジョンだよ」と伝えておけば、それが正しい正しくないなんて考えないで正しいと思ってしまいます。
どう言えば良いのかな? 私たちは緑の勇者様の救援に呼ばれた急ごしらえのメンバーなの。
サッサと目的地まで行ければOKみたいな所があり、魔性の微笑みの皆さんが秘密にしたい情報まで探ろうとしないのです。
ここはランクSダンジョンなの。Sランク冒険者や特別に選ばれたAランク冒険者しか入れない特別なダンジョン。
その理由は危険だから。では、常に危険な状況が迫って来るか分からない時に誘導する冒険者さんに教えて貰った情報を疑わないの。
「ここの角は右に曲がって」と言われて「俺たちは左に行ってみようと思う」みたいな勝手な行動は危険なのです。
勝手な行動が原因で自滅するなんてこともありますからね。
簡単に誘導する冒険者さんを信じてしまうのは問題があります。悪意を持って相手を陥れようとする考えがないとは言えません。
ただ、今回の件に於いては信用するしかありませんし、誘導する冒険者さんが悪意を持った行動は非難されてしまいます。
緑の勇者様の救援活動は各国や冒険者ギルドの要請を受けての活動です。
悪意を持ってハメたことに起きる信用の失墜だけでは防ぐことが出来ないからです。
ダンジョンの中では何をしても外部に知られることはありません。
これを悪用して罠にハメたり、人を殺めようとすることだって出来てしまいます。
今回の救援は複数の冒険者パーティーの集まりだったりします。いつものように連携は取れないですが、お互いに知らないスキルなどを持っている可能性。
ダンジョン内にいても外部と連絡出来る魔道具を所有や例え罠にハメられたとしてもそのことを外部に知らせることが出来る方法があるかもしれません。
Sランク冒険者やランクSに挑戦出来るようなAランク冒険者という実力のある冒険者ばかりが集められているのです。
見知らぬ魔道具や見知らぬスキルがあっても不思議ではなく悪意を持つとその結果が信用の失墜へと変わることも。
まぁ、お互いに手の内を晒さないように慎重に上手くやっていく。
このことが悪意を持った人の行動の抑止になるかもと思う今日このごろです。
タイチ:
また、適当なことを考えてるな?
カスミ:
そんなことありませにょ?
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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