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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第七章 パルチ山のランクS

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第162話 緑の勇者様の状況は?

状況の考察

 緑の勇者様の現状が予想出来ました。

これではディーネさんが危機だと判断しても転移門ゲートのポイントを設置出来ません。


 不足の事態とは言っても私の正体をバラす行為は出来ません。それはディーネさんが賢者の一族だからです。

 生命を脅かす場面でなら私の正体はバレるのは仕方ないと思いますが、現状では「待てば助かる可能性がある」ということなので静観したのでしょう。


 七十階層にいる冒険者さんと八十階層にいる冒険者さんが緑の勇者様の元へ向かっていないのではないでしょうか。

 連絡が取れなくなったという報告を受けてからでも十日以上経過している訳ですし、何かしらの行動しててもおかしくはありません。


 深層なので約ニパーティー分ぐらいの人数は待機しているはずです。両方の安全地帯から救援を出せば最低でも四パーティーぐらいの人数になるはずです。

 それなのに何の情報も手掛かりも冒険者ギルドには報告されていないのです。


カスミ:

安全地帯に冒険者さんが待機しているのでは?

その方たちは救援に出ないのですか?


ローザ:

それは無理なのさ。

安全地帯に冒険者は待機させておく必要があるのさ。

もし、緑の勇者様や他の冒険者たちがどちらかの安全地帯に救援を求めて来ても誰も対応出来なくなるからさ。

バラバラで救援を要請されたら助けられる可能性があっても助けられなくなってしまう。

それでは駄目なんだよな。

安全地帯にはカスミールちゃんの言う通りに約ニパーティー分の人数がそれぞれにいる。

だけど、その全てがいなくなったら? って考えたら動けそうにないだろ。


カスミ:

なるほど。そういう理由もあるのですね。

確かに、誰もいない安全地帯に救援を求めるようなことになれば、助けられるはずが助けられないってなりますもの。


ローザ:

上層と中層はトラップばかりだから、あたしたちが作った地図を有効活用してくれ。

本当は情報を公開したくはないんだが、緑の勇者様の危機やあたしたちのリーダーの危機でもあるからさ。

仕方ないと思って情報提供しているのさ。


カスミ:

すみません。ありがとうございます。


ローザ:

その地図はあたしたちが作った地図だけど、階層を簡単に通過出来るように書き直してあるから心配するな。

本当の秘密にしたい情報は隠しているからさ。

人に知られたくない秘密は誰にも言わないのは冒険者としての鉄則だしな。

まぁ、お互いがんばろうな。


カスミ:

魔性の微笑み《スマイリー》さんたちは今後はどうするのですか?


ローザ:

あたしたちかい?

あたしたちは最後に出発する組だよ。

先発でカスミールちゃんが先行して進んで行って、集めた他の冒険者パーティー連中が出発してからあたしたちは元の配置に戻るってこと。

普段よりも長い時間をかけて元いた階層まで戻るけど、ハグレた冒険者が出ないように注意しながら進むだけだよ。


カスミ:

深層までどれぐらいで行けそうですかね?


ローザ:

カスミールちゃんの進む早さ次第だけど、上層は二日、中層は四日、下層は六日、深層は八日だから約二十日ぐらいで行けると思うな。


カスミ:

緑の勇者様って六十日ぐらいで最下層の手前まで行ったのですよね?

それなのに約二十日ってのは早くないですか?


ローザ:

一人で急いで行けば約二十日さ。

緑の勇者様一行は集団だし、回復が間に合わなかった時期に足止めされてたしで仕方なかったのさ。

カスミールちゃんの場合は安全地帯で食用とかも補給出来るように手配しているから食料不足にならない程度に用意すれば良いだけさ。


カスミ:

それでは食料は四日分をキープしていれば足りるってことですか?


ローザ:

ああ。そうなるさ。

緑の勇者様の救援事業は国の事業だからさ。

後であたしたちも消費した食料を計算して請求出来るって算段さ。

消耗品の類は支給されると思ってくれて問題ないと聞いたのさ。

さすがに武器や防具は厳しいけど中級回復ポーションぐらいまでなら可能なんじゃないかな。

まぁ、詳しくは冒険者ギルドの方で聞いてくれ。

あたしたちは救援と攻略に必要な情報を渡すだけってことさね。


カスミ:

それって国がかなりのお金を放出するのでは?


ローザ:

それは仕方ないのさ。

緑の勇者様は世界の脅威を倒すために、この世界に召喚され異世界の人なのさ。

誰も創世と建国の時代と同じ結果にはしたくないからさ。

今度も世界の脅威を倒してもらうんだ。

二度と勇者様が召喚されるような時代が来ないことを祈ってな。


 創世と建国の時代は青の勇者様が活躍した時代です。

そう呼ばれる時代の前は、世界の脅威とその軍勢によって人々が滅びかけていました。


 そうです。たくさんの人が亡くなったのです。

国も亡びたし人も亡くなった悲しい時代です。もう二度と同じことを繰り返さないで欲しい時代なの。


 だからこそ、人々は創世と建国の時代という言葉を残し、歴史を繰り返さないように、忘れないようにとお伽話としても残しているのです。

 おそらくは、その時代を詳しく覚えているのでエルフの方のみと思います。


 そんな悲しい時代が二度と来ないように緑の勇者様には人々を守って貰いたいのです。

 ローザさんたちはそう願っているのです。私は事情を知っているので何も言えせんが・・・。


 緑の勇者様はこの世界の人々の希望なのです。

深層までどれだけ早く辿り着けるか分からないですが、出来るだけ急ごうと思います。


 食料を用意しなくても良いと言われても保存食です。保存食は、実は好きではないんですよね。

 美味しく調理する方法を教えてもらったけど上手く出来なかったから諦めたの。普通の料理は出来ますよ? だって、女の子だから・・・ウソではないよ(;^_^A


 環境変化に対応するような装備は必要なさそうですね。最下層まで行く訳ではないので防寒着とか用意する必要性も感じないのです。

 雨具は必要そうだから用意しますが、聖女アンズ様の結界で何とかしそうな気がします。聖女アンズ様に頼らなくても私だって聖女のクラスに就けるのですから結界ぐらい使えますよ。


 基本は忍者のクラスの隠密を使って気付かれないように移動していくスタイルで大丈夫と思います。

 稼働時間は八時間や丁度良いタイミングで休んで行くスタイルも変えないようにしないとね。


 調子が狂わないように、いつもの行動を取るのは大切なのです。

先発は私なので先行して緑の勇者様を見つけてしまおうと思う今日このごろです。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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