第153話 深層 七十三階層と七十四階層の一日
73階層、74階層
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は七十三階層と七十四階層を攻略します。
昨日の階層ではネズミさん、ウシさん、トラさんのモンスターでした。
ウシさんから牛肉をドロップ出来なかったので今日こそはGETしようと思います。
いつものようにカートをアイテムポーチから取り出して移動します。
ここまではいつも通りなのです。今日はいつもとは違っていました。
これまでは一階層~四階層までは同じモンスターが登場していました。
五階層になって登場するモンスターに変化があって五階層~九階層までは同じモンスターが登場していました。
七十三階層では昨日と同じネズミさん、ウシさん、トラさんのモンスターが登場するはずでした。それが昨日のモンスターとは違っていました。
軽く進んだ程度なので全てがそうだとは言えませんが、様子見だけでモンスターの種類が変わっているのは分かりました。見たことがないモンスターがいるんだもん。直ぐに分かりますよ。
・タイラントドラゴン
名前はドラゴンというモンスターを連想しますが、見た目は大きなトカゲのモンスターです。
確かに、トカゲ系のモンスターの中にはドラゴン系に属するモンスターもいますが、まさか私の人生で最初に出会ったドラゴンが大きなトカゲのモンスターとは驚きなのです。
タイラントドラゴンは脅威度Bのモンスターです。
尻尾には肉の塊のようなコブがあって、尻尾を使った攻撃は痛そうです。背中にも小さな山脈のように棘が連なっています。
恐竜に詳しくなくても誰でも知ってそうな図鑑に載ってそうなドラゴンなの。
恐竜には興味が無かった私には大きなワニにも見えますからね。トカゲかワニかと聞かれると見た目の違いは分からないと答えるでしょうね。きっと・・・。
体長は四メートル~五メートルぐらいのモンスターです。
温厚なのか私の存在を認識しても攻撃しようとする動作も見せませんでした。
タイラントドラゴンはお肉をドロップするモンスターなので悪即斬なのです。
ドラゴン肉という高級なお肉をドロップするモンスターで、オーク肉、ボア肉、牛肉、ウサギ肉と比べ物にならないぐらい美味しいお肉なんだとか。
こんなドラゴンのモンスターが砂漠を移動してたら見つけたので、この階層のモンスターのタイプに変化があったことに直ぐに気付けたのです。
・砂漠の大蛇
次に見つけたのは、このモンスターです。大きなヘビさんのモンスターです。脅威度A+の危険なモンスターです。太さが一メートルぐらいで体長が十五メートルぐらいある大蛇です。
私なんか一飲みにされてしまいそうなぐらい大きさです。
トカゲのようなドラゴンのモンスターとヘビのモンスター。
この階層では爬虫類が登場する階層でしょうか? ドラゴンって爬虫類に分類されるの? 何か違うような気がしますが・・・(;^_^A
ベビもトケガも似たようなモンスターですが、砂漠の大蛇からはお肉をドロップしません。
こんなに大きなモンスターですから食べられそうなお肉をドロップしそうですが、毒液とかキバとかのヘビの素材をドロップします。
・砂漠の殺人兎
殺人兎の上位種です。可愛いウサギさんなのに脅威度Aもあります。
一角兎や殺人兎とは少し可愛い感じがするウサギさんです。
何処が可愛いのか? と聞かれると詳しくは言えないのですが、何となくですが可愛いウサギさんだなと感じてしまえるぐらい可愛いウサギさんなのです。
体長は一メートルより少しあります。大きくてモフモフ具合が私はお気に入りです。
他の人から見えれば、何処が可愛いのか疑問に思われるかもしれませんが、モフモフも正義なのです。私の身長とそう変わらないので抱き心地が大きなヌイグルミのように感じるはずなのです。
私が抱き着こうとすると危険を察してなのか直ぐに逃げてしまいます。
本来なら殺人兎系のモンスターなので逃げるよりは攻撃して来るような気性が荒いモンスターのはずです。それなのに・・・逃げてしまうなんてどうなっているのでしょう。
ウサギさんに嫌われちゃったのかな。
他に上の階層と違うモンスターが登場しないか探しているとモンスターよりも安全地帯の方を先に見つけてしまいました。
いつの間にか四時間も探してたってことですね。相変わらず、お肉はドロップしていませんが次の七十四階層に期待します。
タイチ:
タイラントドラゴンからドロップするドラゴン肉は期待しない方が良いと聞くぞ。
僕らが考えるようなドラゴンではないからドラゴン肉と言っても低ランクに分類されるらしい。
もっとドラゴンらしいドラゴンからドロップしたドラゴン肉は凄く美味しい貴重な肉だが、タイラントドラゴンからドロップした肉は、良い肉ではあるがドラゴン肉の中では微妙だそうだ。
カスミ:
そうなのですね。
青の勇者様は本物のドラゴン肉を食べたことがあるのですか?
タイチ:
あるぞ。凄く美味しかったぐらいしか覚えていない。
一口ぐらいしか食べられなかったからな。
カスミ:
ドラゴン肉ってそんなに小さかったのですか?
タイチ:
そういう訳ではないんだ。
僕らがドラゴンを倒した時にドロップしていたそうなんだが、戦闘中に普通はドロップアイテムなんて気にしないで戦う。
だが、ドロップアイテムがドラゴン肉だっただけに他のモンスターが食べてしまっていたそうなんだ。
残った綺麗な部分だけを皆で分けて食べたんだけど、一人に割り当てられる肉の量は限られてしまっている。
確か、二十~三十人近い人数がニキロの肉を分けたんだ。
モンスターが食べた部分は削ったんだからな。
少量しか割り当てられないのは仕方ないさ。
カスミ:
モンスターが食べたのにお肉が残っていたのですか?
タイチ:
僕も詳しくは分からないんだ。
モンスターが食べようとしたのを取り返したみたいなことは聞いたけど実際はそれがどうだったかまで確認していない。
僕らは戦闘中だった訳だし、ドラゴン肉をドロップした場所からも結構離れてしまっていたからな。
一時間ぐらいは離れた場所まで追いかけて行ってたんだと思う。
カスミ:
貴重なドラゴン肉を他の人が食べたなんて可能性は?
タイチ・
それは考えていない。
モンスターが食べたなんてことがウソであっても僕らは気にしなかったんだ。
カスミ:
それはどうしてですか?
タイチ:
ウソを吐こうと思えばドラゴン肉なんてドロップしなかったと言えば良かっただけさ。
僕らが知らない内に証拠を隠滅されてしまえば、それを知る由もない訳さ。
それを残っていたと言っても一口だけでも食べられたことで良いとしたんだ。
青の勇者様が言うには、世界の脅威との戦いで凄く疲弊していた時代だったそうです。その時に世界の脅威の軍勢に襲われていることろを助けたそうです。
その時にモンスターを追いかけて、生存者や怪我人の確認などを手助けしたんだとか。
その時にドラゴン肉を使った料理を提供されたんだとか。
ドラゴン肉なんて普通に出回るような食材でもないし、食べるなら真っ先に食べてしまうような食材です。戦時中といっても残っている方が不思議だったんだとか。
ドラゴンも数体倒したので心当たりがあるとすれば、その時のドラゴンからドロップしたアイテムがドラゴン肉だったかもしれないんだとか。
複数のモンスターとの戦闘中ですからドロップアイテムなんか気になんて出来ない場面ですからね。
その時にドラゴン肉を一口食べたんだとか。
ウソ吐いてドラゴン肉を隠してしまうことだって出来た訳です。
戦時中の混乱の状況な訳ですし食料確保は命がけなのです。
青の勇者様が立ち去ってしまうと世界の脅威の軍勢に襲われるかもしれないという恐怖は続きます。ウソ吐いて食料を確保されてしまうのは仕方ないと割り切っていたそうですからね。
こんな状況ならウソ吐いて食料を確保されるのは仕方ないと思いました。
七十四階層を終えた休息前に聞けたお話です。
明日からの七十五階層・七十六階層に向けて体調を整えるために休もうと思う今日このごろです。
それでは、おやすみなさいmm
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




