第151話 深層 エリアボス
七十階層のエリアボス戦
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は七十階層のエリアボスの挑戦します。
このエリアボスを倒すと深層後半へと突入します。
六十九階層と七十階層で待機中の冒険者さんから得た情報をまとめてみました。
六十五階層~六十九階層までの巨大なモンスターばかりが出現する【巨人の里】と呼ばれているそうです。
タイガの大森林のランクSでは、時々巨人の里のように特定の条件を充たしたモンスターばかりが集っている階層があるそうです。
今回は偶然巨人の里だったのです。巨人の里は巨大なモンスターばかりで構成されたモンスターの集まりのことです。
巨大なモンスターが集った集団や集落って訳ではなくて、本当に偶然巨大なモンスターばかりが出現する階層なんだとか。
巨人の里にような集まりがスケルトン軍隊のような大規模になってしまう場合もあるそうです。
スケルトン軍隊は意思がある集団? 統率された集団なので少し意味が違うようで、スケルトン系で構成された集団なので巨人の里のような存在に含めるんだとか。
私が遭遇したのはスケルトンや巨大なモンスターでしたが、中には虫型のモンスターばかり集まった階層とかもあるそうです。
脅威度が跳ね上がるのと予想も出来ない危険な場合もあるので遭遇したなら速攻で逃げることがお勧めされました。可能ならば倒して貰えると助かるって小声でボソッと言ってました。
良く聞く情報では、五がつく階層から次のエリアボスや階層ボスまでの五階層間(五~九階層まで)です。
逆に一階層~四階層までの前半の階層では遭遇することはないんだとか。注意しなければならないのは五がつく後半の階層からなんだとか。
エリアボスや階層ボスが特殊な階層となることは経験上ないそうなので安心してエリアボスに挑むことが出来るという訳なのです。
いつもの待機している冒険者さんから声援とお見送りをして貰ってから、階層の中心に向かって砂漠の中を歩き始めました。正確な距離は分かりませんが、一定の距離まで中心に近づくとエリアボスが登場します。
砂漠の中からモクモクと砂煙が上がり始めるとエリアボスの登場の合図です。
深層のエリアボスは脅威度Sのモンスターですが、階層の中央に現れたのは一人の男性でした。
カスミ:
えっ? 人ですか?
タイチ:
人にしか見えない。
剣神ジョア:
ここは私の出番だな。
あれは人ではない。モンスターだ。
人に見えるがモンスターという認識だ。
天眼で見れば直ぐに分かるが見た目が人だから勘違いしやすいからな。
確か、ジェネラルという人型のモンスターだ。
ジェネラルは、剣神のクラスと同等の剣戦技レベルを持つ強敵です。脅威度Sのモンスターです。
ジェネラルと言えば将軍という意味がありますが、今回はモンスター一体です。
人の男性より少し身長が高いかなと思うぐらいの身長で二メートルぐらいあります。
手には剣を持っていますが、日本刀のような剣ではなくて大剣の類の剣を右手で持って構えています。その様子からはいつでも先手を譲ってやるって感じで余裕がある雰囲気です。
剣神ジョア:
魔王の旦那。
カスミの能力値を10,000まで制限を解除してくれないか?
魔王ガリア:
青の勇者殿。構わないのか?
タイチ:
ああ。ジョアの言う通りにしてくれ。
何か考えがあるんだろうからな。
魔王ガリア:
分かった。
カスミ殿の能力値の制限を10,000にしたからな。
剣神ジョア:
よし。ここは私に任せな。
剣神ジョア様が私の身体を使ってジェネラルと戦うことになりました。ジェネラルは剣神と剣闘技レベルが同等なのです。
剣神と呼ばれている剣神ジョア様ですが、実際のクラスはソードマスターなので純粋な剣神のクラスよりも上の力を持っています。
それなのに能力値を10,000にするなんてどういう思惑があるのでしょうか? 剣神ジョア様自身はレベル1,000でしたので能力値は10,000です。
本来の実力でジェネラルと戦いたいってことでしょうか。それとも別の思惑があるのかもしれないですね。
剣神ジョア様が用意した刀剣はいつもの「海神」ではありませんでした。刀身が青い海神ではなく、刀身が緋色の刀を用意したのです。
刀剣の銘は【獄炎】と言います。赤の勇者である私の【色】である赤い刀剣なのです。
そもそも、剣神ジョア様は私の身体を使う必要などないのです。
私の身体を使わなくても剣神ジョア様だけでモンスターを倒せてしまえるのです。
私と青の勇者様のパーティーの方々には役割が異なっています。
青の勇者様は、私へのアドバイザーと青の勇者様自身のお力を貸して貰えることです。専用のスキルである「水神」は私が代行しているに過ぎません。
聖女アンズ様の聖なる力は、回復、補助、結界など聖女のクラスの力の行使です。私の行動のサポートがメインとなります。神聖魔法がそういう働きをする魔法だからです。
賢者アレク様は魔法関連です。
神聖魔法関係ではなく、主に攻撃魔法や補助魔法です。
補助魔法が聖女が使う補助とは系統が異なります。
どちらかと言えば補助魔法全般は聖女のクラス。
その一部を賢者のクラスが補っているって感じです。
剣神ジョア様はソードマスターのクラスです。武器(剣)を使って戦うことがメインですが、私の身体を借りて戦うことが多いです。
本来なら賢者アレク様や聖女アンズ様のように私の身体を使わなくても構わないのです。おそらくですが、私の技量を上げるために私の身体を使っていると思われます。
観衆には見えない剣神ジョア様が単独でモンスターを倒すと勝手にモンスターが倒されたなんて不可解な現象を引き起こしてしまいます。
だって、私が行動するよりも素早く何処からか魔法が飛んで来て、モンスターが何者か分からないが急に倒されてしまいます。
魔王ガリア様は普段の行動のサポート担当です。魔石の合成や魔道具作りなど様々な物造りを担当して持っています。
戦闘には殆ど関わらないですが、裏の立役者って感じの役割です。
私は身体担当です。
何か卑猥な感じに聞こえますが違いますよ(;^_^A
青の勇者様、聖女アンズ様、賢者アレク様、剣神ジョア様、魔王ガリア様、赤の勇者の私の合計六人の意思と力を自由に使えます。
もちろん、それぞれで行動することは出来ますが、私の身体から離れてしまうことはもう出来ません。人には見えない意思のある魂と言えば分かりやすいのかもしれません。
私の身体を使って剣神ジョア様は楽しむようにジェネラルを簡単に倒してしまいました。
ジェネラルはここのような階層に単独で登場するようなモンスターではなく最下層やその先の階層で集団でやり合うと苦戦するモンスターなんだとか。
ジェネラルの真価は、対冒険者パーティーを想定すると分かり易いと言われました。
冒険者同士の戦闘で剣闘技レベルの高い冒険者さんがいる訳なので苦戦するのは当然ですね。
武闘会のような一対一で戦うよりも複数人での戦いに向いています。
私の力の制限を10,000まで上げた理由だけは分かりませんでした。
おそらくは、剣神ジョア様が戦闘を楽しみたいって理由が含まれているように思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




