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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第一章 少女の目覚め

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閑話 青の勇者の伝承

青の勇者が召喚された時のお話です。

古い話なので伝聞ということで繋いでいく予定です。

 かつて勇者召喚が行われた時代があったそうだ。


 世界の脅威という災厄が現れる時には必ず勇者様が召喚されるそうだ。

人々が勇者様を召喚するのではなく、神様の呼びかけに勇者様が応じれば召喚されるという。


 この度、召喚された勇者様は黒髪・黒目の明らかに少年に見える容姿だったそうだ。この少年の名前は、川岸太一かわぎしたいちといい、後に、青の勇者や青の勇者タイチと呼ばれるようになる。


 召喚された当時に確認された彼の神の恩恵(ステータス)は確かに十八歳と書かれていたが、彼は「俺は二十五歳で既に成人しているんだ。だから、子供扱いするな!」と少年や子供扱いする度にそんな事を怒りながら言っていたそうだ。


 剣聖や拳聖と言った武術に優れた者でも手も足も出ないと言った具合にあしらうし、魔導師や賢者と言った魔法に優れた者や教皇や聖女と言った教会の者達も同様だったそうだ。


 そんな伝説のクラスに就いた武術や魔法に優れた者が相手であっても、その得意分野で勇者たちには敵わなかったとか勇者様の凄さが当時の様子から伺える。


 今では伝説と言われる聖女、教皇、賢者、忍者のクラスがこの時代では数多く見られたと聞きます。


 だが、そんな勇者様の召喚された当時の話を聞くと一体であれば一般人でも簡単に倒せるスライムや一体であれば低ランク冒険者でも簡単に倒せるゴブリンに大声をあげて逃げ惑っていたそうだ。


 それが、ある日ゴブリンを倒してから人が変わった様に急に強くなり始めたそうだ。低ランクの冒険者が人型のモンスターを初めて殺した時と同じ様に、勇者様も人型のモンスターを倒したことで何かが変わってしまったのかもしれないと伝え聞きます。


 勇者パーティーまたは青の勇者パーティーと呼ばれる勇者と共に旅をした仲間たちがいたそうだ。

 青の勇者タイチ、聖女アンズ、剣神ジョア、魔王ガリア、賢者アレクの五人が勇者パーティーのメンバーと伝わっています。


 世界の脅威を倒した者たちの名だそうだ。


 北の大地に魔と氷に覆われた不毛の大地があったそうだ。

ここに居城を構え、人類で敵うこともない驚異的な力を持つ魔王軍を討伐することが、この世界に召喚された勇者の役目だったそうだ。


 青の勇者、聖女、剣聖、賢者の四人は魔王と打つべく魔王城へと進軍を開始したそうだ。魔王城へ到着した勇者一行は、魔王城では伝え聞く情報とは異なり驚くような歓待を受けたのだそうだ。


 今まで討伐すべき敵としてみていた魔王軍。

だが、魔王から真実を聞かされるまで信じることも出来なかったそうだ。


 世界の脅威と呼ばれる存在を魔王軍だけでこの地に引き留めていたのだそうだ。

青の勇者が来たこと=世界の脅威を倒してくれると信じて勇者一行を歓待したのだそうだ。


 勇者一行に魔王が加わり、勇者パーティーと名を変え、世界の脅威討伐へと立ち向かったそうだ。

 最初の十年は前線を押し上げるにしかならず、そこからは膠着状態が続いたそうだ。


 ある日、勇者が手にしていた聖剣が、本当の意味で聖剣として目覚めることになったそうだ。


 今まで聖剣の力を発揮出来なかった青の勇者がそれでも強かったのに、聖剣の力を使えるようになったことで更に強くなり世界の脅威へと後一歩の所までに迫ったそうだ。


 一方で、世界の国々は世界の脅威本体とは別に活動していた軍団に徐々に侵略され続けていたそうだ。

 青の勇者を召喚した国が真っ先に滅び、次に聖女の生まれ故郷が滅び、次々と勇者の目が届かぬ範囲で国が滅んでいった。人の国としては魔王の国が人類の最後の国になったそうだ。


 人々は散り散りになりつつも、世界の脅威の軍勢に見つからないよう隠れて生活していたそうだ。

 国が滅んだと言っても、いつかまた人が集れば国を作ることだってきっと出来るからだと信じて。

 

 青の勇者様が召喚されて約二十年が経過しそうなある日、世界の脅威は勇者パーティーによって討伐されたと世界中に伝わったそうだ。


 長い時が記録を失わさせたのか、当時の上層部も知らなかった事実なのか分からないが、私が思うに世界の脅威は青の勇者様によって討伐された訳ではなく、この世界の何処かに封印されたのではないかと思う。

 戦後の青の勇者様たちの行動が、国のいや世界の復興のためだけに活躍したのでは余りにも不自然な行動や謎が多すぎると感じからだ。


 転移門ゲートの設置が不自然過ぎると思った。

当時の重要な国だから転移門ゲートを設置したなら理解出来るが、戦後すぐに国力を大幅に回復した国も確かあったはず。

 

 そんな国に設置されずに新興の勇者パーティーに馴染みのある国だけを重視するのはさすがにおかしいと思う。

 復興を果たした国に転移門ゲートを設置していけば、世界の復興はもっと早く出来たのではないだろうかと私はいつも疑問に思う。


 だからこそ、いつか来る災厄(世界の脅威の封印が解ける)に備えて、聖女の育成に力を入れているのではないだろうかと疑いたくなる今日この頃です。


                      第十六代 筆頭聖女アンズ

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ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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