第150話 深層 七十階層までの道中
どうしよう?
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は昨日は六十五階層・六十六階層と進んだので、四日目の今日は六十七階層から進めて行こうと思います。
昨日はボア肉をGET出来なかったので今日こそは手に入れてボア肉で焼肉をしたいと思います。
大きな猪のモンスターであってもモンスターなので、倒してお肉をGETするなんてことは出来ません。モンスターは倒すと魔石を入手出来ます。
稀にドロップアイテムと呼ばれているアイテムを入手出来ます。このドロップアイテムがボア系のモンスターだからボア肉の場合もあるってだけです。
モンスターではなければ死体が残るので肉を捌くように毛皮、肉という素材を得ます。動物からは素材を入手することが出来ます。
これがモンスターと動物の違いなのです。だから、モンスターを倒しただけではお肉を入手出来ないんですよね。
タイチ:
それ無理だから。
カスミ:
何がですか?
タイチ:
カスミのことだから、モンスターを動物にする方法とかドロップアイテムを必ず入手出来る方法を探そうと考えそうだからな。
先手を打ったまでさ。
カスミ:
・・・お、肉食べたかったな。
タイチ:
その内にボア肉は入手出来るさ。
今は数を狩るしかないな。
ボア肉、ボア肉、何処かに落ちていないかな♪
六十五階層~六十九階層までは同じモンスターが登場するはずだから巨大猪も何処かにたくさんいるはずなのです。
今日から六十七階層なので七十階層までは今日と明日の二日しかありません。
それも七十階層はエリアボスの階層なので、実際に稼働出来るのは今日の六十七階層と六十八階層と明日の六十九階層だから実質一日と半日ぐらいです。丸二日稼働って訳ではありませんの。
カートで移動中に邪魔なモンスターは魔法で打ち払っています。ただ、巨大なモンスターばかりなので、何度か魔法を打ち込まなければ倒れて貰えません。
一体のモンスターを倒すにも魔法の連射が必要な状況なの。あのウサギさんだって頭にある角が私の身長と同じぐらいなのですからね。
ー閑話休題ー
今の私は目の前の光景に困惑しています。
モンスターからお肉がドロップしたので喜ばしいことのはずなのですが、問題はお肉を落としたモンスターなのです。ボア肉だったら良かったのです。私が手に入れたのボア肉ではないのです。
目の前にあるお肉は巨大一角兎からドロップしたお肉なのです。
アイテムの名前は「ウサギ肉」。それが普通のウサギ肉だったら良かったのです。
今回、ドロップしたのは巨大なウサギ肉の塊です。
ニメートルxニメートルxニメートルのサイズには驚きです。
ただ、これじゃない感が半端ないです。
体長六メートルのウサギさんから、ニメートル四方の巨大な肉塊です。
どんなに上手に捌いたとしても得られるはずのない大きさの肉塊なのです。
私が望んでいたのはボア肉です。
それもニ~三キロぐらいの肉塊で十分です。
それなのに・・・こんなに巨大な肉塊でしかもウサギ肉だなんて、どうすれば良いのか分かりませんなのです。
私の身長よりも大きなウサギ肉ですよ(;^_^A
タイチ:
良かったじゃないか。
念願のお肉のドロップアイテムをGET出来たんだからな。
カスミ:
・・・。
タイチ:
言いたいことは分かるけどウサギ肉でも肉だ。
また、今夜も焼肉が出来るんだから素直に喜べば良いと思うな。
カスミ:
でも、それはボア肉ではないじゃないですかぁ~。
私は、オーク肉の時もオークからドロップをたくさん出来ませんでした。
結局は、オークのお肉は食料で購入することで食べられましたが、ドロップしたからこその喜びってあると思うのです。
それに、こんなに大きなウサギ肉ってどうするのですか。
私だけでは食べられませんよ。
売った方が高値で買い取って貰えるかもしれませんし、食料が必要な人が食べた方が良いと思うのです。
タイチ:
無理だな。ウサギ肉が高額で取引されることはない。
一塊の巨大な肉であってもだ。
オーク肉やボア肉は美味しいと言われてはいるが高額過ぎるという肉ではない。
オーク肉は一キロが一万ゴールドと聞くがそれは店でステーキとして調理販売しているからだ。
買取額して貰ってもそこまで高額にはならないんだ。ボア肉もそうだ。オーク肉とそう大差ない。
ウサギ肉は買取額で言えば最も安い肉だからな。
脅威度Fの一角兎からドロップする肉だから安いんだ。
脅威度が高くなってもウサギ肉はウサギ肉だからだよ。
モンスターからドロップする肉だから、どれも美味しい肉だけどな。
オーク肉は脅威度Dのオークのドロップ。
ウサギ肉は脅威度Fの一角兎のドロップ。
ボア肉は脅威度Dの大猪のドロップ。
牛肉は脅威度Eの雄牛のドロップ。
モンスターからドロップした肉類の方が高額で、動物や畜産で作られる肉類はそこまで高額になりません。
美味しくて貴重だからモンスターからドロップした肉類の方が高額で取引されるのです。
一般への流通量が多いのは動物や畜産のお肉です。
モンスターからドロップする肉は手に入りづらいから大量に出回ることがないからです。
ドロップしたウサギ肉にもランク分けがあります。ランクと言えば、下級、中級、上級というランクのことです。
脅威度の高いモンスターからはランクの高いお肉をドロップすることもありますが、今回手に入れたウサギ肉は下級のお肉です。
下級のお肉はただのお肉ということですね。下級や初級のアイテムは下級ウサギ肉などと呼ばないでウサギ肉のように呼びます。
下級のお肉と言われると普通のお肉より品物が悪いと感じてしまうからです。
普通のお肉よりも下級のお肉の方が高額で美味しいのに、呼ばれ方だけで立場が逆転するのはどうかと判断された結果が下級とか初級とかを付けないで呼ぶんだとか。
ポーションのように普通の物=最低ランクの物が初級だから、初級ポーションと呼ぶこともあるので、何もかもが初級や下級とかを取り除く訳ではないのです。
六十九階層の安全地帯の近くまで移動して来ましたが、あの巨大なウサギ肉だけしかお肉のドロップはありませんでした。
他のモンスターから猪の毛皮、大きな棍棒などを手に入れましたが肝心なボア肉は手に入りませんでした。
猪の毛皮を手に入れるならボア肉の方が良かったと思ったのは秘密です。
同じ巨大猪からドロップするアイテムだからです。
ウサギ肉は何処かのお店に売ることにしました。ずっとウサギ肉ばかりは嫌になるからです。
二メートル四方のウサギ肉を完食出来る日がいつになるやらって感じですからね。
六十九階層と七十階層で待機している冒険者さんからも拒否されました。
時間停止のマジックバッグはここにはないので、ウサギ肉が有難いが食べきれない量までは必要ないんだとか。待機している冒険者の人数と消費する肉の量が釣り合わない=肉を余らすからです。
明日はエリアボスに挑戦するのでウサギ肉の今後のことを考えずにこのまま七十階層で休むことしようと思う今日このごろです。
それでは、おやすみなさいmm
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




