第145話 下層 五十七階層の出来事
これまで
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日からは五十五階層ですが例の五が付く階層です。
登場するモンスターや脅威度が変化して来ている節目の階層なの。
四十五階層~四十八階層までのスケルトン軍隊は記憶に残る出来事なのです。
五十一階層~五十四階層まではサボッテンとスコピンとゴブリンライダーでした。
・砂漠の鮫
砂漠の中を海で泳ぐように自由に泳いでいる脅威度Bのモンスターです。
・サンドワーム
巨大なミミズのような脅威度B+のモンスターです。
・五十一階層~五十四階層に登場していたサボッテンとスコピンとゴブリンライダーも引き続き五十五階層に登場しています。
この階層からは砂漠の鮫とサンドワームの餌と化しているようです。少し可哀そうに思いました。でも・・・食べなければ生きられないので仕方ない?
サンドワームの奇襲攻撃と砂漠の鮫はどちらも奇襲を得意としたモンスターです。突然、地面からガバっと大きな口を開けて全てを飲み込もうとするサンドワーム。
砂漠の上を移動する人の魔力は足音など色んな気配を察知でして真下から襲って来る砂漠の鮫は階層を移動する上で注意しなければなりません。
サンドワームの大きな口は直径十~二十メートルぐらいあるそうなので、簡単に私をカートごと飲み込んでしまえるの。
もっと大きなサンドワームになると脅威度B+どころではなく脅威度Aや脅威度A+に届くんだとか。開口部が五十メートルで体長が百メートルぐらいにも巨大なサンドワームがいるんだとか。
これぐらいの大きさになって脅威度A+だそうです。
サンドワームの大きさに比べると砂漠の鮫は大きくありません。
全長十二~十五メートルぐらいの鮫型のモンスターなのです。口にある鋭い歯には注意ですの。
真下からの奇襲攻撃に弱いサボッテンとスコピンではどうしようもないですね。私も注意しなければ・・・とならないのが探知のスキルなのです。
安全地帯を探すように地中にいるモンスターを探すのも手間ではありませんもの。
問題は地中にいるであろう砂漠の鮫とサンドワームをどうやって地表から攻撃して倒すかです。
火魔法や水魔法などの魔法を使った攻撃では地中にいるモンスターには地表に遮られてしまって届かないと思うの。
多少、地表から届きそうな範囲にモンスターがいたなら何とか出来そうですが、地中深くで様子を伺っているようならお手上げなの。
地表を凍らせても二メートルぐらいが限度ですし、雷では地中で放電してしまって届かないのです。
地上に顔を出して襲って来るタイミングを狙うしかなさそうです。
カスミ:
どうすれば良いですかね。
魚釣りのように巨大な針を付けて釣るとかって・・・
タイチ:
無視すれば良いんじゃないか。
無理に倒そうとしないで襲って来そうなモンスターだけを反撃して倒せば良いと思うよ。
態々、地中から引っ張り出さなくても、そうする手段がカスミには無い訳だしな。
カスミ:
無視ですか。
悪即斬の考えから反れた行為なので考えてもいなかったです。
タイチ:
悪即斬って・・・。
カスミ:
駄目なんですか?
悪即斬って間違ってるんですか?
そんなことないですよね?
これまでだって悪即斬して来たんだから・・・。
タイチ:
間違ってはいないと思うよ?
たぶん・・・。
ー閑話休題ー
青の勇者様の言われた通りに砂漠から強襲して来るモンスターのみに対応して五十七階層まで進んで来ました。
探知のスキルでモンスターがいる場合は敵性反応にならないように僅かにルートを変更してモンスターを避けるように移動しています。モンスターの動きが急に変わったら強襲に備えると言った具合です。
サンドワームの巨体は本当に大きかったです。
あんなにデカいミミズのモンスターを釣りの餌にすると一体どんなお魚さんが釣れるか期待してしまいそうです。
タイチ:
サンドワームでは魚は釣れないぞ。
カスミ:
そんな連れないことを言わないで下さいよ。
魔王ガリア:
・・・。
カスミ:
何か言って下さいよ~。
私がスベったみたいじゃないですか。
聖女アンズ:
気を抜くと危ないですわよ。
【防御結界】
カスミ:
えっ? どうして?
タイチ:
おい。ウソだろ?
私の探知や察知のスキルを掻い潜って攻撃して来たモンスターがいます。
いち早く聖女アンズ様が気付いて結界で防いで貰えたので大事には至りませんでしたが、こんなことが起るなんて驚きなのです。
良く見るとスケルトンガードが私に向かって矢を放っていたのです。しかし、矢を放ったスケルトンガードは消えてしまったのです。
倒した時と同じ消え方です。矢を放って力尽きたの? 周囲に魔石があるので間違いないでしょう。
スケルトンガードは本来ならスケルトンキングの護衛役として登場するモンスターですが単独で出現するなんて稀です。
それも本来ナイト=騎士の役割なので矢を使った攻撃をするようなモンスターではありません。
スケルトンガードはここまで見かけなかったモンスターなのです。
四十五階層~四十八階層では嫌というほど見かけましたが、五十五階層からはサンドワーム、砂漠の鮫、スコピン、サボッテンしか見かけなかったのです。
探知のスキルに反応していなかったモンスターな訳で突然、振って湧いたとしか思えない登場の仕方なのです。
他にスケルトンが存在しているのかと慌てて探知や察知をやり直しましたが、このスケルトンガード以外にスケルトン系のモンスターの確認出来ていません。
私に向かって攻撃したからか探知や察知でも存在の確認が出来るようになっているのです。
これではまるで、隠密で隠れていた者が攻撃したことで隠密が解けてしまったかのようでした。
スケルトンガードが攻撃するまで察知や探知出来なかったので隠密のスキルの高レベルの可能性が見込めますが、私の探知や察知のスキルレベルも高いので見逃すなんてあり得ないの。
可能性があるとすれば再出現したタイミングに私が気付かなかっただけですが、それではスケルトンガードの攻撃タイミングで辻褄が合わなくなってしまいますの。
賢者アレク:
上空を良~く見てみるのじゃ。
何かがいるじゃろ?
カスミ:
えっ? あれですか?
賢者アレク:
そうじゃ。
カスミ:
それでも探知や察知が反応しないのはどうして・・・。
賢者アレク:
信じられないと思うが本当のことじゃな。
私は上空に何かを見つけてしまったのです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
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