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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第六章 タイガの大森林のランクS

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第144話 下層 五十階層~五十五階層まで

無理矢理?

 五十階層のエリアボスである殺人兎キラーラビットを倒したので魔石を集めに苦労しています。


 えっ? 今まで苦労して来なかっただろうって?

 

 そうですよ。今まではアイテムポーチの便利な使い方を青の勇者様に教えて貰ったから出来ていたのです。

 ですが、今は安全地帯にいる冒険者さんが、まだこちらの様子を伺っているので魔石を集めて回るしかないの。


 手の届く範囲で二~三個ぐらいはバレないようにアイテムポーチで回収していますが、さすがに全ての魔石をアイテムポーチを使って回収する訳にはいきませんからね。


 魔石の回収を終えて下の階層へと向かいます。

ここからが下層の後半である五十一階層です。見た感じでは相変わらず変化は分からないですね。


 カートを出して移動の準備を始めます。魔石は動力と言っていましたが、魔王ガリア様が中ランクの魔石を一つにするという荒業で必要な魔石は確保出来ています。

 四十五階層~四十八階層で大量の魔石が手に入った訳ですし、今までの分の魔石もあるのでカートの燃料が不足するという事態には陥らないのです。


 低ランクの魔石は魔道具に使う魔石として重宝されているので欠かせない魔石です。

 高ランクの魔石は転移門ゲートを使うのに必要な魔石だと聞いたことはありますが、転移門ゲートは使ったことがありませんの。


 高ランクと低ランクは使い道があるから持っておいても損はないとギルマスに言われたので、それ以外の魔石は魔王ガリア様に有効活用して貰っています。

 中ランクの魔石を合成して高ランクの魔石にしてるのだから凄い技術としか言えないですよね。


 こうして、三千体ものモンスターの魔石は有効活用されたって訳です。

既に、これまでに得ていた魔石も合成してしまってるってことは秘密ですの。


 それにしても、ここ五十一階層は退屈ですの。モンスターを見かけると魔法を連射して悪即斬しているだけって退屈を誘発する行為とは知りませんでしたの。

 カートで移動しててもアイテムポーチがあるので全自動で回収して貰えるようなことですしね。


 いくら退屈だからと言っても安全地帯ゴールを探すのは怠っていないのです。

モンスターはスコーピルが強力になったような個体やサボテルが大きくなったような個体ばかりで、見た感じでも脅威には思えないのです。


 ・サボテルが大きくなったモンスター

脅威度Bのサボッテンというモンスターで、不用心に近づいて接近戦を仕掛けると大変な目に合うモンスターです。魔法や矢のような遠距離から攻撃して倒すことが推奨されています。


 サボッテンは爆発してしまうのです。サボッテンは毒性のあるモンスターで攻撃手段は毒の棘です。

 倒されるとには毒の棘と体内の毒を爆散して倒した存在を道連れにしようとするのです。また、その毒も結構厄介で中級毒消し薬が必要になります。


 中級毒消し薬は並の冒険者さんは持ち歩かない毒消し薬です。初級毒消し薬で回復出来る毒の範囲が広く、初級毒消し薬があれば十分と言われています。

 強力な毒となると上級毒消し薬を使わなければならないような状態になるので価格コストを考えると中級回復薬が不憫な毒消し薬となってしまったのです。


 毒消しの回復魔法は【解毒アンチポイズン】です。毒の性能、効能の関係で初級、中級、上級と分かれてします。

 初級の【解毒アンチポイズン】や中級の【解毒アンチポイズン】と言った具合に魔法名は【解毒アンチポイズン】で統一されています。その方が分かり易いですからね。


 ・スコーピルが大きくなったモンスター

脅威度Bのスコピンというモンスターで、スコーピンを名前を間違いやすいので注意が必要です。見た目も名前もスコーピンと似ています。

 身体の大きさと脅威度に大きな違いがありますが、スコーピンと間違えて脅威度の低いモンスターと侮り、手痛いしっぺ返しを食らうというのが有名です。


 スコピンの集団の中にはゴブリンライダーという脅威度D+のモンスターが乗っている場合があります。

 ゴブリンライダーが脅威度D+なので騎乗しているスコピンの方が脅威度が高いのに侮りやすくなる原因でもありますの。


 ゴブリンライダーは脅威度D+のモンスターですが、強さはホブゴブリンぐらいなんだとか。他のゴブリンが持っていない【騎乗】というスキルを使って戦うんだとか。

 まさかと思いますが、サボテルなどサボテンのモンスターには騎乗出来ませんよね? たぶん、きっと・・・お尻が大変なことに・・・なる?


 スコーピン、スコーピル、スコピンが小型のサソリのモンスターです。

脅威度D、脅威度C、脅威度Bの順に強くなって身体も大きくなります。スコーピンが脅威度Dだから間違うのかもしれませんが・・・気にしないでおきしょう。


 身体が大きくなると言ってもスコーピオンとは違うモンスターです。

小型のサソリのモンスターであるスコーピンを大きくしたようなスコピンになると大型のサソリのスコーピオンと大きさの差が殆どありません。見た目の違いも殆どありません。


 確か、背中に棘がある方がスコピンで、棘の無い方がスコーピオンだったと思います。


 こうして比べるとスコーピンとスコピンには大きな違いがあるように思います。

どうしてスコピンとスコーピンを間違えるのか私には分かりませんでしたの。


 スコピンは体長が大きいだけで特に注意するような部分はないようです。スコーピオンの方が脅威なので、スコピンだったのでラッキー程度に考えられているようです。

 同じ脅威度Bなのに扱いが酷いモンスターみたいなの。


閑話休題(話変わって)


 一階層を進むのは三時間を切ることが出来ませんの。どんな急ごうとしても下層では三時間は必要なのかも。

 十五キロの距離に三時間は納得出来ないのですが、どうすれば三時間を切ることが出来るのか魔王ガリア様に相談してみようと思います。


魔王ガリア:

無理だ。諦めろ。


カスミ:

簡単に無理だと言えるぐらい無理なのですか?


魔王ガリア:

ああ。そうだ。

原因が分からない。


カスミ:

私がカートで進んでいるのって何か関係ありますか?


魔王ガリア:

それも分からん。

原因を追究するために歩いてみるか?


カスミ:

三時間をクリア出来そうにないので止めておきます。

歩いて三時間かカートで三時間かどちらかになりそうなので・・・。


 私は楽な方が良いのです。歩く早さを一キロと十五~二十分ぐらいかかるとすると、十キロで百五十分以上=二時間三十分以上必要って計算ですの。

 安全地帯までの距離が十四キロ(繰り上げ十五キロ)で考えると三時間以上かかってしまうのは間違いないと思います。


 歩いて三時間以上は砂漠の上を歩くことが考慮されていない時間ですの。実際に砂漠を歩くともっと時間がかかるのであれば、カートで進んだ方が楽ですし早く到着出来るから諦めたのです。

 それにカートで進んでる時と同じような時間感覚が狂ってしまうと三時間処ではなくなってしまいそうですしね。無理は禁物です。


 こんな感じで一階層に三時間もかかることに文句を言いながら進んで行きます。

丁度、五十四階層の安全地帯を見つけた所で今日の活動時間ぎりぎりです。


 下の階層への階段を使って五十五階層で休もうと思います。十二時間も活動すれば疲れて眠たくなって来ました。

 少々無茶をして進んでしまいましたが、今日はここでお終いにしようと思います。


 おやすみなさいmm

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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