第140話 下層 四十一階層~四十五階層まで
中二病発動?
四十階層で階層ボスのコピーを倒して下の四十一階層に降りました。ここからは下層となります。
上層は五キロ、中層は十キロ、下層は十五キロと聞いていたので直径十五キロもある砂漠が始まるということです。今の所は上層や中層と違いがあるようには見えません。
そう言えば、ここの砂漠には夜と天候の変化は存在しないらしいです。
普通の砂漠には夜があり、夜になると太陽が沈むので暗くなったり、太陽の影響が薄れて寒くなったりしますが、夜の無い砂漠ではずっと昼間と同じなのです。
天候の変化が無いというのは雨が降らないってことです。砂嵐やハリケーン(台風のようなもの)に襲われることも無いそうです。
ただし、モンスターが作った砂嵐は別なんだとか。モンスターが砂嵐を作る? モンスターが人やモンスターを狩るのに風魔法を使うってことでしょうね。
下層のモンスターは脅威度Bのモンスターです。
中層の階層ボス、エリアボスと同じ脅威度です。
・スコーピオン(脅威度B)
・ガルーダ(脅威度B+)
・オークキング(脅威度B+)
・ゴブリンキング、(脅威度B+)
・スケルトンキング(脅威度B+)
この系統のモンスターが脅威度Bや脅威度B+なのです。
中層の三十五階層以降に登場した脅威度Cのエース級のモンスターとその集団なんてこともありそうですね。脅威度Cのモンスターが集団になると脅威度Bに届きますからね。
ちらほらとキング級が混じって脅威度B+以上になる危険な場合もあると考えておきます。ゴブリンキングが単独で行動するっておかしな感じがします。
だって、キングって王様って意味だから王様が護衛もつけずに一人で行動っておかしいと思うのです。
階層ボスだったスコーピオンよりも凶悪な姿になると脅威度B+以上になるそうです。凶悪な姿のスコーピオンは見たくないですね。
ハサミが四本とか尻尾が二本とか背中に多数の棘があったりするようなので気持ち悪いのです。
四十一階層~四十四階層までは中層の三十五階層以降に出現したモンスターたちは増員した感じで遭遇しました。
勿論、カートで移動しながら賢者アレク様と一緒に魔法を連射して蹴散らしました。通行に邪魔になるモンスターを主に狙って、近寄って来るモンスターも蹴散らしたと言った具合です。
問題なのは、四十五階層からなのです。そうです。新手のモンスターが出始めたのです。
二十五階層以降や三十五階層以降と同じようにそれまで姿を見かけなかったモンスターたちが出現するようになったのです。これで三度目なのです。
三十五階層~四十四階層までのモンスター
・オークメイジ(脅威度C)
・オークソルジャー(脅威度C)
・オーガ(脅威度C)
・ホブゴブリン(脅威度D)
・ホブゴブリンエース(脅威度C+)
・オークエース(脅威度C+)
こんな感じのモンスターだった訳です。
四十五階層以降のモンスター
・スケルトンソルジャー(脅威度D+)
・スケルトンウォーリアー(脅威度D)
・スケルトンエース(脅威度C+)
・スケルトンキング(脅威度B+)
・スケルトンガード(脅威度B)
人がたくさん亡くなったのか? と思うぐらいスケルトンタイプのモンスターばかりなのです。
ガシャガシャガシャと動く音が煩いぐらいに大量に存在しているのです。
これまでにゴブリンの集落、オークの集落規模の大量のモンスターを見たことがありましたが、今回がスケルトンキングを代表にスケルトンガードがキングの護衛に四体が周囲を守っています。
スケルトンエースを中心にスケルトンソルジャーやスケルトンウォーリアー部隊が集団を作っているのです。
これは集落というよりはスケルトンの軍隊と呼んでも差し障りがないぐらい統率が取れているのです。
聖女アンズ:
私の【聖なる光】の出番で宜しいのかしら?
何故か聖女アンズ様のやる気に満ちています。
スケルトン軍隊だからですか? そうですよね? きっと。
タイチ:
今のアンズは誰にも止められない。
カスミは「お任せします」と言えば良いだけだ。
他には何も言うなよ。
カスミ:
聖女アンズ様にお任せします。
聖女アンズ:
分かりましたわ。
勇者様のお力を少しばかり借りますわよ。
神よ。私の名は聖女アンズ。
邪悪なる存在の破滅を望む者なり。
私の願いを叶え給え! 【神滅の聖光】
砂漠に巨大な五芒星の魔法陣が出現しました。
その五つの点の位置には神々しい五本の光の柱がダンジョンの天井に向かって伸びていきます。
魔法陣の中心には神々しい光に赤色と青色の混じった他の光の柱よりも一際巨大な柱がダンジョンの天井に向かって伸びていきます。
カスミ:
えっ?
ち、力が抜ける?
タイチ:
・・・くっ、僕も力が奪われる。
カスミ。防御結界だけは忘れるなよ。
これは、かなりヤバい奴だ。
カスミ:
はい。分かりました。
神よ。私の願いを叶え給え! 【防御結界】
聖女アンズ様が作った? 神々しい光の柱が共鳴して行きます。上空ではバチバチという音まで聞こえて来ます。
スケルトン軍隊全体をカバーするように広がっている魔法陣が限界を迎えたのか一際凄い光を放って消えて行きました。
私は眩くてその様子を見ることが出来ませんでしたが、結果はスケルトン軍隊が消滅していたということと目の前に広がる砂漠には凄い数の大小様々な魔石が転がっていたのです。
カスミ:
マジですか?
タイチ:
ああ。マジだ。
魔石を回収すれば分かるさ。
カスミ:
・・・。
聖女アンズ様が使ったのは【神滅の聖光】は【聖なる光】の上位なのです。
【神炎の矢】と同じ上位魔法なのです。
呪文には小節の数が多い程、強い魔法となります。
火よ。我が敵を打て 【火球】
これは火魔法の初級魔法【火球】の呪文ですが【火よ】と【我が敵を打て】という二つの小節の呪文です。
開け異界の門よ。地獄の業炎よ。我の呼びかけに応じよ。炎の神アグニの名において。神炎の矢の力で吹き飛ばせ 【神炎の矢】
【神炎の矢】の呪文は五小節です。
神よ。私の名は聖女アンズ。邪悪なる存在の破滅を望む者なり。私の願いを叶え給え! 【神滅の聖光】
聖女アンズ様が使った【神滅の聖光】は四小節に見えますが【神よ】と神への呼びかけを使っているので二小節分と考えるんだそうです。聖女専用なので二小節と考えるべき?
緑の勇者様に同行している聖女アンズ様の本当のクラスは司祭なので使えません。
聖女と名乗っている&世界の人々から聖女と認定されていても使えないのが聖女専用の魔法なのです。
魔法は小節の数が多いほど強力な魔法(上位魔法)になりますが、無詠唱で使う魔法と呪文を詠唱する場合でも呪文を詠唱した魔法の方が威力が増します。
強力な魔法を行使したいのであれば呪文を詠唱するに限るのです。
今回の聖女アンズ様が使った【神滅の聖光】には青の勇者様の力と赤の勇者の力が使われています。
魔法の発動時に私と青の勇者様が力を奪われた? 力を吸われたような現象がそれに該当します。
五芒星の魔法陣の中央の光の柱には、所々青色と赤色の勇者の力を見ることが出来ましたので間違いないでしょう。
「少しお力をお借りします」がウソと思えるぐらいごっそり勇者の力を抜かれたと思います。
もう少し手加減して貰えると良かったと思いました。
あんなに力が抜ける体験は初めてなのです。
目の前の魔石の数が気になる処ですが、カウントした魔石の数を知ることが怖いと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




