第128話 砂漠の上を走る乗り物
子供が乗る車のおもちゃ
どうしてこんな大袈裟なことになってしまったのでしょうか。
私のイメージでは、子供がスキー場で遊ぶ時のソリが坂道じゃなくても移動出るように改造した程度の乗り物が欲しかったのです。
魔王ガリア様にお願いした物は凄く豪華なソリとなってしまいました。魔石を充填すると自走出来ます。
私が試乗するとカートに乗る小さな子供みたいな感じになってしまいました。まるで子供の頃に遊んだ車のおもちゃみたいだと青の勇者様には大笑いされました。
四百億ゴールドもの大金を使ってしまいました。聖銀の矢のオークションで得た二百億と鋼鉄シリーズの武器や防具を売って得た四百億があったから四百億もの買い物が出来ました。
何とか資金がありますが心細くなってしまいました。
青の勇者様の秘密基地には魔王ガリア様の工房があります。魔王ガリア様と賢者アレク様による行動開発した特殊仕様の空間だそうです。
重力をかなり軽減出来るらしくアダマン鉱石という凄く重い鉱石の加工もここで行いました。
アダマン鉱石は凄く重いですが加工しやすい鉱石です。加工して魔力を流すととても軽くなり凄く硬くなります。
魔力が流れるか魔力が流れないかで鉱石の性質が真逆に変わるという不思議な鉱石です。
あっ、ちなみに元の世界のラノベやゲームとかに出て来るアダマンタイトとは違いますよ。
アダマンという名前がアダマンタイトの方を連想させるようで青の勇者様も間違ったそうです。
ミスリル鉱石は魔力に関して非常に優れた鉱石です。
魔力の保有、魔力の伝達効率など魔力に関わる事象に関しては他の鉱石の追従はないんだとか。
このアダマン鉱石とミスリル鉱石を合金にすることで魔力の伝わりが良く、魔力の流れた時の最大の効果を発揮することが出来るんだとか。
魔王ガリア様のクラフトマスターのクラスだからこそ可能になったのだとか。
クラフトマスターのクラスじゃなければこんな合金を作れるようになるまでの技術はないんだとか。
一体、青の勇者様のパーティーメンバーの凄さを改めて実感します。
えっ? 私も同じクラスに就けるのではって?
そうですが、それがなにか?
私も同じクラスに就けますが経験不足です。無理矢理熟練度を上げた弊害と言っても過言ではありません。
一部のスキルや一部のクラスは影響を受けませんが、熟練度MAXから更に技術を磨き上げた姿が魔王ガリア様、剣神ジョア様、賢者アレク様の技術なのです。
私もクラフトマスターにクラスチェンジすれば物は作れはします。
ですが、クラフトマスターが失われてしまったクラスである以上は現職の職人さんにはそれを超える品質の物を作ることは出来ません。
新人薬剤師とベテラン薬剤師ぐらいの違いがあります。
新人にはベテランを超える技術は持ち合わせていないのは実務経験の差でしかないですからね。
魔王ガリア様>私>現職の職人さんという技量の差の図式が成立します。
私が作ったよりも魔王ガリア様に任せた方が良い物が出来るのでお願いしているのです。
魔王ガリア:
青の勇者殿とカスミ殿の頭ので考えているイメージを元に作ったんだが?
カスミ:
青の勇者様と私がイメージした物がこれということですか?
魔王ガリア:
そうだ。
幼い子供が乗り物で遊んでいる姿が見えた。
そのイメージ通りの乗り物を作っただけだ。
カスミ:
まさか、青の勇者様?
タイチ:
カスミ。すまない。
カスミが考えた「子供がスキー場で遊ぶ時のソリ」から、僕が子供の頃にスキー場でソリに乗って遊んだ様子を思い出したんだ。
たぶん、それがガリアのイメージに繋がったんだと思う。
カスミ:
ヘタなことは考えられないですね(;^_^A
確かに、私の身長は120で成長が止まったままです。おっぱいだけは聖女アンズ様のお陰で大きくなりましたが、それ以外では身体の成長で目立った部分はありません。
もう少し身長が伸びてもおかしくないはずですが・・・。
カスミ:
これってどうやって自走出来るような仕組みなんですか?
魔王ガリア:
それか。それはな。
知らな方が良いと思うぞ。
きっと、知ったら後悔すると思う。
カスミ:
へっ?
タイチ:
そうだな。
カスミは知らない方が良いかも。
どうやら自走の仕組みは教えて貰えなさそうです。
でも気になる~。
青の勇者様パーティーの秘密基地で試運転を兼ねて練習もしています。
砂漠を自走するカートを上手に操作出来るようにならなければなりません。
ここは仮想空間を実現することも出来るので、アズアン聖神国とグランドワール王国の国境のカズンワールの砦のアズアン聖神国側の砂漠で試運転を行っています。
勿論、架空の空間ですからサボテンやサソリのモンスターや通行する馬車などはいません。
誰にも邪魔されないので試運転は凄く楽しかったです。
何故か微笑ましい視線がたくさん向けられているように思うのですが気のせいでしょうか。
砂漠のを移動する手段は手に入れました。後は、昼間の暑さ対策と夜間の寒さ対策です。
そして昼間と夜間のどちらで移動する方が良いのかなども検討しておかなければなりません。
カズンワールの砦の時は夜間に移動していました。昼間の暑さが凄いから夜間に移動していたのです。
タイガの大森林のランクSの砂漠がの夜間の寒さがどれぐらいまでか次第と思います。ダンジョン内なのに日差しが強いってどんな環境なの。
食料はエルフル遺跡群のランクSの時と同じように百日分にしました。
新たに用意するのが百日分なので、おそらく百五十日分ぐらいにはなると思います。
心配なのは暑さ対策だけなのです。寒いのは防寒着などで対処出来ますが暑いのはどうすることも出来ません。
暑いからと言って服を脱ぐ訳にもいかないのですし、体感温度が高すぎると脱いだところでそんなに差はないのですしね。強い日差しに日焼けや火傷するってのは除きます。
ダンジョンの中の砂漠がどの程度なのかの知識はありません。
ダンジョンファンタジアの中にも「砂漠タイプ」のダンジョンはありましたが、それをVR(安全が配慮されたゲーム)と現実の体験とは違うはずなのです。
攻略サイトによると砂漠タイプのダンジョンは変態さんが挑むそうです。この場合の変態さんというのは変わった人のことのようです。
過酷の環境でダンジョンを攻略に挑むのです。砂漠という何も目印もないような場所で下への階段を探す修行のようなものだとか。
暑さと寒さに耐えながらって訳ですから、そういうのに耐えられる人じゃなけれえば無理なんだとか。
ゲーム上だと画面が砂漠しかないので本当に奇人変人の類の人にしか攻略出来ないと思いました。
私も一度はどんな感じのものだろうと興味本位で覗いて見ましたが、無理だと思い直ぐに攻略は諦めました。
だって、視界に入るんは足元の砂漠と空の青しかないのです。方向を確認する魔道具は全く宛てにならないですし樹海に入ったのかと思いましたわ。
パルチ山付近のランクSに挑戦出来ない以上はタイガの大森林に向かおうと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




