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赤の勇者 ~ちっちゃい聖女は伝説の勇者様?~  作者: エグP
第六章 タイガの大森林のランクS

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第127話 ダンジョン街 再び

フラグの回収(笑)

 王国のダンジョン街へは馬車で行きました。

ギルドの受付で「ダイガの大森林のランクS」について情報が欲しいと伝えます。


 ギルドマスターには出来れば会いたくないのです。

それはお互いのためと思います。私も会いたくありませんが、ギルドマスターも出来れば私には会いたくないはずだからです。


 彼とはトラブルっています。私を見れば心臓が止まるかもしれませんからね。

確か「今度、会ったら・・・」なんてことは言ったような言っていないような? そんな気がします。


ギルド職員:

タイガの大森林のランクSの情報ですか?


カスミ:

はい。どれぐらいまで情報を頂けますか?


ギルド職員:

そうですね。

もうこのランクSは緑の勇者様が探索される予定がないので、結構詳しい範囲まで可能ですよ。

貴女はエルフル遺跡群のランクSを攻略クリアされたカスミールちゃんですよね?


カスミ:

どうしてそれを・・・。


ギルド職員:

今は誰も装備しないようなセーラー服を着た可愛い女のコのカスミールちゃんの噂は広まっていますからね。

噂と同じセーラー服を着た女のコがダンジョン街の冒険者ギルドまで来れば、誰でも直ぐに分かりますよ。


カスミ:

・・・。

それでタイガの大森林ですが、どんなタイプのダンジョンか分かりますか?


ギルド職員:

ダンジョンのタイプですか?

私は簡単に攻略クリア出来て、たくさん稼げるタイプが好きですね。


カスミ:

あなたの好きなタイプじゃありません(;^_^A

ダンジョンがどんななのか知りたいのです。

パルチ山付近のランックSは「平原タイプの環境変化型」と聞きました。

タイガの大森林のランクSがどのタイプに当て嵌まるのか知りたいのです。


ギルド職員:

ああ、そのタイプですか。

ダイガの大森林のランクSは「昼夜逆転の砂漠型」のダンジョンと呼ばれています。

別の名を「世界一シンプル」とも呼ばれています。

昼夜逆転がどんなことを指すのかまでは分かっていません。


カスミ:

砂漠型のダンジョンですか。


ギルド職員:

はい。そうなっていると聞いてます。

説明は必要ですか?


カスミ:

はい。お願いします。


ギルド職員:

このダンジョンの説明は簡単で砂漠です。

それ以上もそれ以下もありません。

上層は直径五キロの円形、中層は直径十キロの円形、下層は直径十五キロの円形、深層は直径二十キロの円形、最下層は直径二十五キロの円形と徐々に広がっていきます。

また、ダンジョンの端の壁は見えない壁で出来ています。

ダンジョン内が狭い空間であることを認識させないように出来ています。

どういう原理かまでは分からないらしいですが、下の方の階層でも昼間は凄く明るく日差しがきついそうです。

端まで行くと見えない透明な何かにぶつかるって感覚だそうです。

目指す下の階層への階段は砂漠の何処かにあります。

砂漠ですから目印なんて一つもありません。

下の階層へ行くほどにダンジョンが広がって行くというだけです。


カスミ:

分かりました。

タイガの大森林のランクSにどの冒険権者パーティーが探索中ですか?


ギルド職員:

砂漠の虎(デザートタイガー)」というSランク冒険者パーティーがメインで探索しています。

今は緑の勇者様の要請でメイン活動を休止していますが、副リーダーや他のメンバーがまだダンジョンの中で細々と活動中です。

上の階段と下の階段の周囲が安全地帯ってだけでそれ以外は安全地帯ではないのでご注意下さい。

砂漠の虎(デザートタイガー)に所属している冒険者が階段付近に待機しています。


カスミ:

情報ありがとうございました。


 そう言って冒険者ギルドを出ます。パルチ山付近のランクSが平原タイプのダンジョンで山とは全く関係のないダンジョンでした。

 タイガの大森林のランクSも砂漠タイプのダンジョンで大森林とは関係ありませんでした。エルフル遺跡群のランクSもマス部屋のダンジョンなので遺跡群とは全く無縁ですの。


 問題は砂漠ばかりの地をどうやって進むかです。スキー板のような物を足に付けてスキーをするように進むのが楽そうですが、モンスターに襲われると対処出来るかどうかですね。

 帆を張って風魔法で進む砂上の船で移動するのも考えられなくもありません。


 「昼夜逆転の」という言葉からも寒暖差が激しいと思われます。夜間は凄い暑く、昼間は凄く寒いという砂漠の環境そのものでしょうね。

 防寒対策と砂漠の移動方法の対処を考えた準備が必要ですね。それと水分補給も普段より多めに必要と考えておこうと思いますの。


カスミ:

魔王ガリア様にお願いがあります。

砂漠を移動出来るソリや馬車や船のような物を準備出来ないでしょうか。

魔石を動力源にして推進力があれば、足元はソリのように砂の上を滑るだけって感じの乗り物が理想です。


魔王ガリア:

面白い発想だな。

良いだろうと作ってみるとしよう。

ただし、直ぐには完成しないので十日ぐらい時間を頂きたい。

それと材料の問題もある。

強度の高い鉱石とランクの高い魔石が必要となる。

魔石は燃料だが強度の高い鉱石から加工するから鉱石が大量に必要になるぞ。


カスミ:

魔石はどれぐらいのランクの物が必要ですか?


魔王ガリア:

この前のランクSで入手した魔石で十分なはずだ。

深層や最下層で得た魔石なら十分と思う。

問題は強度の高い鉱石を手に入れることだな。


カスミ:

それは何処に行けば手に入りますか?


魔王ガリア:

何処で手に入るかまでは分からない。

それだけ量が多いからだ。

アダマン鉱石が五十キロ、ミスリル鉱石が五十キロほど必要だ。

アダマン鉱石はキロ五億の代物で、ミスリル鉱石はキロ三億の代物だ。

完成すると砂漠の上を走るソリだけじゃなく海の上も走行出来る船にもなる。

まぁ、大きさはカスミ殿が人地が乗るぐらいの大きさになるがな。


カスミ:

えっ? 両方の鉱石の価格が、よ、四百億ゴールドが必要なんですか?


魔王ガリア:

そうだな。それぐらいが相場だ。

物が足りなければもっと高くなるかもしれないな。

作業場は俺たちの秘密基地だ。

材料の用意が出来次第作り始めることになるから急ぐなら材料調達も急いでくれ。


 また、賢者の一族の方に大変なお願いをすることになるのかな。

賢者の一族の方だけでは鉱石は集まらないように思う今日このごろです。


 勇者を慕う会総動員しそうな予感がしますの。

評価やブックマークをしていただけると励みになります。


ーリメイク情報ー

終焉の起源をリメイクしています。

こちらの作品も宜しくお願いしますmm

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