第126話 ウソでしょ
そんな気がしてた(;^_^A
魔の森の中は忍者のクラスに就いて隠密のスキルを使って進んでいます。
モンスターとの戦闘は出来るだけ避けたいですし、人やモンスターや動物などの気配を探りながら進めるスキルを忍者のクラスで使えるからです。
えっ? スキル:クラスチェンジを使うのは久し振りじゃないかって?
そんなことはありませんよ。移動の時は忍者のクラスが凄く便利です。人やモンスターに気付かれないで進めるので進行を邪魔されることもありませんからね。
特にイヌさんやウルフさんなどの嗅覚が鋭いモンスターや動物たちは私の移動の邪魔をして来ます。折角、見つからないように隠れているのに鋭い嗅覚で私を見つけて来ますからね。
スキルを使って気配遮断していても嗅覚が鋭いので匂いで索敵されてしまうのはどうかと思いました。これではスキルの効果が失われてしまって意味がありませんからね。
ー閑話休題ー
予定より時間はかかりましたが、約二十五日ぐらいでパルチ山付近のランクSに到着しました。
途中からはダンジョンへ向かう補給部隊や冒険者の方と同行したのでルートが分かって楽でした。
カスミ:
あのう。ダンジョン探索したいのですが大丈夫ですか?
受付女性:
申し訳ありませんだ、現在当ランクSでは緑の勇者様の関係者のみとさせていただいております。
一般のダンジョン攻略を希望なさる冒険者および冒険者パーティーの方にはご遠慮をお願いしています。
カスミ:
そうなのですね。
仕方ありません。諦めます。
ちなみですが、緑の勇者様はどれぐらいの階層まで到達されていますか?
このランクSがどんなタイプのダンジョンかも知りたいのですが?
受付女性:
緑の勇者様の情報は公開出来ません。
当ダンジョンは、平原タイプの環境変化型と言えばお分かりでしょうか。
カスミ:
環境変化型のダンジョンですか。
分かりました。ありがとうございます。
パルチ山付近のランクSがどんなダンジョンなのか分かっただけでも収穫です。
緑の勇者様の関係者以外はお断りはある意味仕方ないですからね。
確か、「平原タイプの環境変化型」のダンジョンは基本ベースは平原。これは高低差が殆どないって意味です。
山があったりして起伏が激しいタイプではないってことです。登山とかあるような場合もあるので、雪山登山とかになると大変ですからね。雪山登山するような装備は準備していませんからね。
次に、環境変化型ですが、地形の環境が変わるという意味です。これは冬になって雪が降ったり、春になれば雪が解けたりと様々季節の変化があることを指しています。
確か、階層の天候が急に晴れから雨に変わるようなことや季節が春から冬になるとかの変化はありませんが、一階層が冬で吹雪いてたのに、次の二階層へ行けば夏で灼熱の地獄のようだったなんてことは起こり得ることです。
平原タイプの環境変化型とは。
このタイプのダンジョンだと主に平原や平地を進むことになる地形の起伏がない歩きやすい環境で、季節や天候の変化があるというダンジョンのことです。
このダンジョンの大変な所は、階層ごとに季節や天候が変わることです。
季節や天候が変わるということは体感する温度も変わって来るので、しっかり対応出来る装備を準備しておかないと体調を崩してしまいます。
雨が降っている階層だと雨が止むことはないので濡れないようにしなければ風邪を引いたりしますし、ダンジョン進行の妨げに繋がる訳です。
まだこれが平原タイプだったからマシな方です。
起伏の激しいタイプだったら雪山登山もありますし海水浴もあります。砂漠の流砂とかもあったりします。
その上に季節や天候という環境も変化してしまうので凄く大変なダンジョンがあります。
ゲームだったから大変な思いをしなかった訳ですが、実際に体験するとなると凄く嫌なタイプのダンジョンとなります。
エルフル遺跡群のランクSはマス部屋タイプのダンジョンだったので、環境変化は一切ないタイプなので比較的楽に攻略出来るダンジョンだったのです。
その上にモンスターがエリアボスと階層ボスしか出なかったので超ラッキーと言えるダンジョンでした。
環境変化型のダンジョンの存在を忘れていました。ダンジョン攻略の準備が整っていないので一度王都まで戻ろうと思います。
パルチ山付近のランクSは部外者禁止なので他のランクSに挑戦するしかありませんからね。
ダンジョンについてはダンジョンに詳しい専門家に話を聞くしかありません。ただ、王国でダンジョンに詳しい人物はダンジョン街のギルドマスターなのです。
そうです。あのギルドマスターとお話する必要があるということなのです。
ダイガの大森林のランクS。グランドワール王国のタイガ領になるランクSダンジョン。
王国にあるランクSダンジョンの一つです。王国にはパルチ山付近のランクSというダンジョンがあるだけで、この二つ以外にランクSは存在しません。
ダンジョンに関して詳しいのはダンジョン街のギルドマスター。これは何処の国でも同じです。
エルフル遺跡群のランクSの所在地を聞いた時もお世話になったのはグランドツール共和国のダンジョン街のギルドマスターなのです。
王国と共和国以外のランクSを目指すのもアリと思いましたが、他の国のランクSではその所在地を調べることから始めるしかありません。
ダンジョン攻略を急ぐ必要はありませんが、タイガの大森林のランクSに向かった方が良いような気がするのです。これは私の勘ですけどね。
グランドワール王国のダンジョン街のギルドマスターに面会を求めるのは避けられないので会いに行こうと思います。
転移門で王都の自宅へ戻ってダンジョン街までは馬車で行くルートを使います。
ダンジョン街へ行って王都の自宅に戻って来るまでに環境変化型対策の道具を賢者の一族の方に用意をお願いしておきます。
私の身体に合わせる必要がある物は私が準備しますが、それ以外の細々とした物を依頼します。
お金もたくさんあるので百億ぐらいは支払っておきます。
いつもお世話になっていますし、これからも色々とお願いを聞いて貰わなければならない時もありそうなので。
えっ? 百億は支払い過ぎなのではって? お金の使い道が見当たらないので問題はありませんよ。
たぶん、百億ぐらい渡しても六百億ぐらいは冒険者カードに残っているはずです。億単位でお金を使っていくなんてことでもなければ資金不足にはならないでしょうね。
賢者の一族の方に環境変化型のダンジョンの説明をして必要な物を用意して貰うことと百億ものお金を運営資金にして貰いたいことを伝えました。
ですが、私たちには百億もは多いので五十億ぐらいにして下さいと懇願されましたの。
お金が必要って訳ではなく赤の勇者様に貢献出来るから本当ならお金は必要ないですが、私の気持ちも無下には出来そうにないので「もし受け取るなら・・・」という話で五十億にまで私は金額を釣り上げた結果なのです。
賢者の一族のエルフの方々は父の代や祖父の代には青の勇者様の時代に活躍されたと聞かされていたそうです。
赤の勇者という念願の勇者様に貢献出来る訳です。勇者様自体がいつ現れるか分からないし、巡って来た幸運を逃したくはないのでしょうね。
そんなこんなで無理矢理五十億を渡してしまいましたが、これで気兼ねなく賢者の一族の方に依頼が出来るというものです。
でも、これって他の一族もというフラグかな? と思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




