第120話 冒険者ギルド
新章の始まりです。
事後処理も含めて新しい物語です。
グランドツール共和国の首都にある冒険者ギルド本部でランクS攻略の事情聴取を受けてから、グランドワール王国の自宅へと一度戻ることにしました。
ランクSの探索中は放置していた訳ですが、その間を賢者の一族の方に対応して貰っていました。冒険者ギルドなどから私への呼び出し(召喚状)などは一切ありませんでした。
ランクSの戦利品をギルマスを通じてオークションで売ろうとする戦利品の整理に訪れています。
鋼鉄シリーズの武器や・防具と魔術書関係は売ることが決まっています。なりきり衣装シリーズは賢者の一族の方へ。
上級回復ポーションなどその他細々としたアイテムをどうするかです。オークションで売れるのか? それとも冒険者ギルドに売った方が良いのかなどのアドバイスも貰えそうですからね。
さすがに、ランクS攻略祭りと言って盛大なオークションをするだけのアイテムに数の余裕はありませんから大儲けは出来なさそうです。
王都の冒険者ギルドのギルマスに面会を求めます。
どうやら、ギルマスは忙しいようで直ぐには対応出来そうにないので二日後にまた出向いて欲しいと言われました。
ランクS攻略のバタバタに巻き込まれたのかもしれません。
冒険者ギルドへ出向いた時も職員さんも忙しそうにしていましたし、他の冒険者さんからの注目も受けているように感じました。さすがに、ランクS攻略で私の容姿が知られるには早いと思います。
聞き耳を建ててみると通報案件でした。
何処かに「おまわりさん」いないですか?
えっ? どんな内容だったのかって? 幼女がどうとかいう話ばかりです。
成人した男性が幼女幼女と口走るんじゃありません。それもここは冒険者ギルドの中で他の冒険者の方も、それを聞いて若干引いている様子も伺えましたしね。
二日間も暇になりました。久し振りの王都でも馴染みのお店もありませんし、欲しい武器や防具もありません。
ウインドーショッピングも一日もあれば十分です。美味しそうな食べ物を食べ歩くのも面白そうで良いと思います。
私ってこれまで何をして来たのでしょうか。食事は宿屋かて〇れ〇れ亭ぐらいで食べていないように思います。
綺麗なアクセサリーや可愛い服を購入するよりも熟練度上げに励んでいたように思います。
普段、活動している場所が森や森の近くの平原だった記憶しかありません。一角兎やオークを大量に狩っていたぐらいです。
あっ、魔法の呪文の詠唱の練習もしましたよ?
ヤマギワ村では、母さんや父さんの手伝いをしていました。可愛い服や綺麗なアクセサリーも村には売っていないので、手が空くとジンくんやライムくんやレイラちゃんと狩りに出ていました。
何も買えない村だから三百万もの大金を四年で貯められた訳です。
欲しい物は大きな町で買う。こういう習慣があるから遠くにある大きな町まで子供だけで買物にも行けません。お洒落以前の問題かも。
それにお洒落にも興味はありませんでした。私の身体が小さいので防具は特注ですし、服も子供用にアレンジされた物ばかりで幼さの残る私には余計に小さな子供に見られてしまいますからね。
長い間、寝込んでいた私には寝覚めてから成人になるまで約五年ぐらいしかありませんでした。同年代の子供もジンくんやライムくんやレイラちゃんの三人だけです。
少し年上の子供たちは更に年上の子供たちと子供パーティーを組んでいたので常に私たち四人でしたからね。気になる異性なんていませんでしたし。
ー閑話休題ー
王都の冒険者ギルドから言われた二日後のギルマスと面会が出来る日となりました。冒険者ギルドでギルマスに面会を求めると直ぐに対応して貰えました。
カスミ:
ランクSの戦利品は「鋼鉄」という名のついた武器や防具と魔術書がメインです。
冒険者ギルドに売った方が良いですか?
上級回復ポーションや万能薬は何処に売れば良いですか?
ギルマス:
鋼鉄シリーズは冒険者ギルドで買い取ろうと思う。
魔術書は魔術師ギルド本部の方で買い取って貰ってくれ。
ポーションの類はオークションだな。
また、一%で良いか?
カスミ:
捌けるのでしたらそれで構いません。
ギルマス:
ああ。分かった。
本当に、お嬢ちゃんがランクSを攻略したんだな。
鋼鉄シリーズの武器や防具と魔術書はオークションに流せないから冒険者ギルドや魔術書ギルドになるんだ。
カスミ:
魔術書は魔術師ギルドっていうのは理解出来ますが、どうして鋼鉄シリーズの武器や防具がオークションに流せないんですか?
ギルマス:
この鋼鉄シリーズは人気の商品で既に買取り手が決まっているんだ。
購入希望者が多くてな。
オークション処の話では納まらないんだよ。
国が動いているような代物だからオークションに出せないんだ。
聖銀の矢の時のオークションのような大騒ぎするようなオークションは開催出来ない。
俺はこれでも冒険者ギルドのギルドマスターだからな。
ポーション類は仲介出来るが、さすがに鋼鉄シリーズの武器や防具は仲介出来ないんだ。
まぁ、鋼鉄シリーズは高額だから問題ないと思うぞ。
鋼鉄シリーズ一つにつき十億が買取金額だ。
で? 一体何個あるんだ?
売りたいっていうぐらいだから数があるんだろ?
カスミ:
・・・四十個ほど・・・です。
ギルマス:
・・・・・・。
これはまた凄い数だな。
カスミ:
魔術書ももしかして高額ですか?
ギルマス:
・・・たぶん。
カスミ:
・・・そうです・・・か。
では、ギルマスには上級回復ポーションなどをお願いしますね。
ギルマス:
ああ。分かった。
冒険者ギルドの買取受付で買い取って貰ってくれ。
余りにも高額だからな。急ぐ金が必要なら冒険者ギルド本部へ行った方が早いぞ。
入金するまでに約十日ぐらいは貰うからな。
ポーション類はオークションだからここで預かろう。
カスミ:
はい。分かりました。
冒険者ギルド入金でも案外遅いんですね。
ギルマス:
手続きが面倒なんだよ。手続きがな。
今回は国に手配するように言われた武器や防具だから、グランドワーク王国だけが独り占め出来ない案件でさ。
それにエルフル遺跡群のランクSはグランドツール共和国所有のダンジョンだ。
勿論、お嬢ちゃんがランクSを攻略した情報は全世界に流れてる。
その出処がランクSと分かってる鋼鉄シリーズの武器や防具を国を通さずは、さすがに無視出来ないと判断されるだろうからな。
カスミ:
そうなんですね。
魔術書の方は魔術師ギルドの方で買い取って貰います。
ギルマス:
買取金額には期待し過ぎるなよ。
確かに、魔術書は貴重だから腰を抜かすぐらいの高額で取引されるが、鋼鉄シリーズの武器や防具ほど高額ではないからな。
あっ、今後はどうするんだ?
緑の勇者様ならパルチ山の方のランクSに行っているから、タイガの大森林のランクSも空いてるぞ。
カスミ:
また、実家に帰ろうと思います。
気が向けばパルチ山の方のランクSを様子見してみるかもぐらいで・・・。
ギルマス:
そうか。分かった。
気を付けて帰れよ。
鋼鉄シリーズの武器や防具が高額で売れるとは聞いていましたが、まさかここまで高額になるとは思ってもいなかったです。
それに魔術書は鋼鉄シリーズの武器や防具ほど高額ではないけど高額買取ってどれぐらいの価格になるか気にはなりますね。
今日は冒険者ギルドで鋼鉄シリーズの武器や防具を買取って貰って帰るとします。明日は魔術師ギルド本部で魔術書を買取って貰う予定です。
一体、どんな価格になるのか楽しみしたいと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




