第108話 何の変哲もないゴブリンが・・・
ゴブリンなの?
おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は百一階層の四日目からの続きです。
今日は宝箱を一つと待望の下への階段を見つけたのです。
宝箱の中身は魔術書です。百一階層では魔術書しか見つかっていません。
百二階層へ降りて、そこで今日の探索を終える予定です。
階段のある部屋は安全地帯ですからね。外敵はいないけど外敵から身を守ることが出来ます。
百階層を過ぎてからは四日使って一つの階層を進むことしか出来ませんでした。
百一階層は二十部屋x二十部屋という情報と宝箱が四つ(全て魔術書)が収穫でした。
こんな感じで百二階層も進んで行きます。宝箱は毎日一つ見つけることが出来たのですが魔術書しか手に入りません。私の運の影響なのか宝箱の中身が凄く偏っています。
九十一階層からは鋼鉄シリーズの武器や防具類が集り、百一階層からは魔術書が集っています。
たまに、珍しく上級回復ポーションやなりきり衣装シリーズが手に入っただけで宝箱から得た殆どが鋼鉄シリーズと魔術書なのです。
漫画やゲームとかに出て来るようなマジックアイテムとか。
心が躍るような面白そうな効果のアイテムなんて見つかるとランクSに挑戦して良かったと思えます。
そうでないから鋼鉄シリーズの武器や防具と魔術書しか手に入りませんでした。
ゲームの世界と比べて現実世界では上手くいなかいと思うと何だか淋しく感じます。
ー閑話休題ー
百二階層、百三階層、百四階層、百五階層まで順調に進んで来ました。
一つの階層に四日づつかかっているので百階層を超えてからも進行速度は変わっていません。
百五階層から百六階層へ降りた時に変化がありました。
百六階層の上への階段のある部屋は、いつも通りなら次の部屋への扉と上への階段しかありません。
次の部屋への扉がまるで階層ボスやエリアボスの部屋へと続く扉と似ているのです。この先にエリアボス級のモンスターや階層ボス級のモンスターが登場する可能性を示しています。
ダンジョンファンタジアにはボスラッシュという連続バトルが設定されているダンジョンがありましたが、それはマス部屋のダンジョンでは無かったはずです。
エリアボスや階層ボスと同等の脅威度のモンスターが連続で出現して全てを倒し終わるまで次の階層への階段が現れないという面倒な奴です。
百六階層のエリアボス? 階層ボス? どう呼べば良いのでしょうか?
取り敢えずエリアボス(仮称)としておきます。
最初のモンスターは「ゴブリン」でした。普通のゴブリンのように見えますが、こんな深い階層にゴブリンなんて何やら様子がおかしいです。
どうしてこんなに深い階層に脅威度Eのゴブリンがいるのでしょうか?
深い階層なので最初に見た時は脅威度の高いゴブリンかと思いましたが、天眼の結果はゴブリン(脅威度E)であると判定しているので見間違いはありません。
カスミ:
どうして、こんな階層に何の変哲もないゴブリンが・・・。
タイチ:
これから、どんどん強くなっていく予兆じゃないか?
カスミ:
そうですかね。
変身とかしないですか?
タイチ:
それは分からない。
取り敢えずは倒してみるしかないんじゃないか。
カスミ:
様子見てても変化なさそうですしね。
私が剣を構えるとゴブリンは何処からか剣を持ち出し私の攻撃に反応しています。私が攻めるとゴブリンは受け流して、その流れでゴブリンが攻撃して来ます。
ゴブリンの攻撃を私が受け流して、その流れのままゴブリンに攻撃を・・・なんてやり取りを繰り返すはめになっています。
どうして、ゴブリンの剣扱いがこんなに上手いのか分かりません。
これでは、まるで一流の剣士と呼んでも遜色ないゴブリンです。
私は剣聖の称号(自称)を得るぐらいの一流の剣士と呼んでも問題ないぐらいの実力があります。
その私の剣の扱いに対応出来ているゴブリンの方がおかしいと思います。
ゴブリンを鑑定した時もスキルも詳しく調べたはずなので見落としなんてないはずです。剣技のスキルもなかったので、こんなにも剣の扱いが上手いはずがないですからね。何かがおかしいと感じます。
ふと思いついたことを試してみましょう。
ゴブリンに向かって手を振るとどうなるのか検証してみようと思います。
剣を構えれば受け流しや防御の姿勢を取る訳ですから、手を振ると身構えるんじゃないかと予想しています。
もしくは、私と同じように手を振るのかもしれません。いずれにしろ、どうなるのか気になります。
私の予想を裏切るようにゴブリンは何の反応も示さなかったのです。これでは意味がありません。
剣を使って真正面からの攻撃は上手な剣技に防がれてしまいますから、剣で攻めるのは違うと思います。剣以外の武器が必要なのか、それとも魔法で攻撃した方が良いのかもしれません。
ただ、魔法を使うのは心配する部分もあります。もし、同じ魔法を使って来るとか反射するようなことであれば、強力な魔法を使う訳にはいきません。
だからと言って、火力の高くない魔法でこんな怪しいゴブリンを一撃で止めを刺せるかと言われると不安が残ります。
私の高い魔力の関係で高火力の魔法が常です。初級の火魔法である【火球】でさえも今では高火力なので、威力を抑えようとするとますます高火力になってしまいます。
賢者アレク様から聞くと私のは威力を抑えようとしているのではなく、魔力を圧縮しているので高火力になると言われていますが、その違いが私には分かりません。
魔法が反射された時の防御は聖女アンズ様の結界に助けて貰うとして、一撃で倒せなくも【火球】でゴブリンの反応を確かめてみようと思います。
カスミ:
聖女アンズ様。
魔法の防御お願います。
聖女アンズ:
分かりましたわ。
カスミ:
【火球】
ゴブリンは【火球】をまともに受けて消滅してしまいました。
最初から魔法で良かったのかな? 次があるかもしれないので警戒しながら様子を伺います。
部屋の中央にはゴブリンのEランクの魔石が一つだけ転がっている状況です。
魔石のランクからも先程のゴブリンは何の変哲もないゴブリンであったことが分かります。
あのゴブリンは何だったのでしょうか。
普通のゴブリンのようで普通ではないゴブリン。う~ん。謎です(;^_^A
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




