第107話 こんな所で見つかった物は?
ゲーム?魔法?
今の所、百一階層の部屋数と部屋の広さに変化はなさそうです。
下への階段がどんな風に見つかるか次第でこの階層の行程が変わるかもしれません。
九十階層からは全ての部屋に足跡(痕跡)が必要でしたが、今回は二度手間にならないように足跡を全ての部屋を回ります。
もし、下への階段がそれも見つからなかったら? どうすれば良いかも考えておかなければなりません。
四百部屋を四日で進む予定ですが、さすがに四百日を一日で足跡をつけないと下への階段が発見出来ないなんてことはないと思います。もし、そうだったら無理です。
部屋の足跡をつける順番が決まっているとかはあり得るかもしれません。各階層を時計回りで全ての部屋に行くとか、反時計回りで全ての部屋に行くとかは考えられる範囲ですからね。
謎解きが加わるのもあるかもしれません。チェックポイントの様な部屋があって、全てのチェックポイントを見つけると下への階段が現れるとか。
ゲーム「ダンジョンファンタジア」ではどうだったかな?
基本ソロプレイでクリア出来るゲームだから、レイド戦や他のプレイヤーと協力してクリアするなんてことはありません。
仲間キャラを連れて攻略するダンジョンもあったけど、仲間キャラは自プレイヤーについて行くだけなのでプレイヤーの目の届かない所へ勝手に行くなんて別行動はしません。
確か、話題になったか問題になったゲームがあったはずです。
プレイヤーの考えを配慮したとかで、仲間キャラが勝手にレベルアップして来たり、勝手にボスを倒して来たりとプレイヤーがゲームをクリアするのを邪魔したなんてことが問題となったような?
楽にボスを倒す方法として、プレイヤーの目が届く範囲でプレイヤー自身は攻撃に参加しないで安全地帯でNPCが倒すのを待ってるっていうのはありました。
プレイヤーが行動するのと同じようにダンジョンを攻略してボスを倒してしまうっていうのは当時はかなり問題だったと思います。
ゲーム中に少し休憩でゲーム中に食事している間に、NPCキャラがボスを倒してダンジョンを攻略してしまったが世間に広まってしまったからだったと思います。
時間にして二十分ぐらい離席してたら大変なことになった訳ですからね。
何か逸れてしまいましたが、ダンジョンファンタジアではループ方式がありましたね。このループ方式っていうのはA地点からB地点へ強制的に移動する罠の類です。
B地点の罠からA地点へとは戻れなくて色んな罠を作動させると最初の位置(A地点)へ戻って来るみたいな。
A地点からB地点は一方通行で B地点からA地点へは戻れないパターン。A地点からB地点は行き来出来るというパターン。
何度も罠を作動させないといけないので、それを試している間に自分の位置が分からなくなるなんてことは多々ありましたね。
罠なら踏んだり、石などで作動させることが出来ますが、扉を開けると罠が作動したり、扉を閉めると罠が作動したりするのは面倒でした。
位置が変わってしまったのを自覚してもどんなことが原因で罠が作動したのか分からなくなったのは大変でした。
そんな訳で、色々と注意しながらこの階層を進むしかないですね。今まで罠が無かった訳ですが、人が未踏の階層なので罠の存在にも注意が必要そうです。
こんな深い階層になってから、ダンジョン攻略の初歩みたいな行動を取らなければならないダンジョンは珍しいと思います。
今の所はこれまでと変わった所は確認出来ていません。一日目、二日目、三日目と過ぎても変化はありません。
宝箱はここまでに三個見つけました。一日一個の割合で見つかっています。
宝箱の中身は、鋼鉄シリーズの武器や防具ではなかったことに安心しました。もう鋼鉄シリーズの武器や防具は見たくありませんからね。
百一階層で見つけたアイテムは魔術書が三冊です。
この魔術書というのは魔法の書物で、書かれた内容の魔法や魔術を使えるようになるアイテムです。スクロールという巻物もあります。
スクロールは一度のみ書かれた内容の魔法や魔術を行使出来ますが、魔術書は魔法職が魔法を覚える時に使う書物です。中には呪文の詠唱が書かれているので、中身次第で貴重な存在かそうでないかに分かれます。
魔術書は何度も見たことがあります。初級魔法の魔術書は当時は初級魔法の呪文と呼んでいましたから忘れる訳がありません。
初級魔法の呪文が書かれた書物が魔術書ですからね。
凄く久し振りに見た魔術書にはどんな魔法が書かれているのか気になりますが、ここでは確認しない方が良いそうです。
ダンジョンの中で見つけた魔術書を買取って貰う時に確認の有無がその価値を変えます。
基本的に魔術書に書かれている魔法や魔術は複製して販売されます。その複製する時に、魔術書の持ち主が確定してしまっていると複製は持ち主の許可が無ければ出来ません。
複製された物を再度複製することは出来ないので複製が必要な回数分だけ持ち主の立ち合いという許可が必要になります。
ダンジョンで亡くなってしまったとか病気で亡くなってしまったとで持ち主が亡くなってしまうと魔術書ではなくなってただの本と化してしまいます。
魔術書に書かれた内容を失われないように処置する為には所有者登録されていない魔術書が買取出来ないなんて事情にも発展することもあります。
魔術師ギルドが複製を承っているようです。
一般には出回っていませんが、特殊な方法を使って所有者を確定させずにたくさんの複製を作っているようです。
「鑑定」や「天眼」などで中身を探ろうとしない方が良いそうです。賢者アレク様が言われるので間違いなさそうです。
ヘタな行為で所有者登録されると目も当てられない結果に結びつくこともあるようで用心するに限ります。
魔法や魔術に関しては賢者アレク様の領域ですが、今更魔術書を手に入れた所で新たな魔法や魔術って必要なのか疑問が残りますが、それを賢者アレク様の言葉が解決へと導きます。
賢者アレク:
魔術書の中身次第じゃな。
儂らの知らない魔法や魔術はたくさんある。
現存する魔法や魔術は儂は知っておるが、新しい魔法や魔術ではないと断言することは誰にも出来ないのじゃ。
新しく発見された魔法や魔術が必要な物かどうかも、それが何なのかを知らないと判断を下せぬ訳じゃな。
そりゃ~、お主が知っている魔法だったら、必要無いとその場で判断出来るじゃろうが、ギルドの鑑定で判断いしない限り、中身が何かと分からん。
それは、今後必要となるか不要となるかの判断もその場で決まるってことじゃ。
今はアイテムポーチにいれて保管しておくしかないぞ。
カスミ:
はい。分かりました。
魔術書が見つかるとは思ってもいませんでした。魔法や魔術ってこうして新しく増えていくんだと思うと驚きです。
新しい魔法とは限らないので喜んだりはしませんが、魔法や魔術が増えている瞬間に立ち会えるのは良いことだと思う今日このごろです。
評価やブックマークをしていただけると励みになります。
ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




