第95話 最下層への試練
八十階層の階層ボス
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おはようございます。今日も元気なカスミールです。
今日の予定は八十階層の階層ボスに挑戦します。
八十階層の階層ボスはミノタウロスでした。また、特殊個体のようです。
ミノタウロスと言えば巨体で大きな斧を持つ牛の頭部がある巨体のモンスターです。
ですが、今回の階層ボスに選ばれたのは巨体ではなく人の男性と同じぐらいの背の高さのミノタウロスです。個体によって背の高さが異なるのかまで分かりません。
私は120~140ぐらいの身長だから、私と比べると階層ボスは180ぐらいのなので、そこまで驚くような大きな身体とは思えないです。
ミノタウロスのような思わず見上げてしまうような巨体が持つから大きな斧も迫力がある訳ですが、私から見た階層ボスであるミノタウロスは斧を装備した戦士か武人に見えます。
これでは言葉が通じれば牛人? ミノタウロス人? と言っても変ではありません。私が知っているミノタウロスとは何だか違うような気がします。
ミノタウロスって、もっと巨大なモンスターだったような気がします。三メートルぐらいの巨体だったような??
この背の高さでは斧を持った戦士にしか見えません。レイラちゃんやジンくんやライムくんたちと一緒に戦っていた頃の私の戦い方と似ています。
人と同じ大きさのミノタウロスがどのような動きを見せるのか気になります。油断しないように注意して戦います。
ミノタウロスが斧を振りかぶり私に向かって攻撃して来るまでのタイミングが分かりませんでした。
気が付けばミノタウロスが斧を振りかぶっていたって感じです。
いつの間に間合いを詰めたのか分からなかったです。
咄嗟のことだったので避けましたが、ここまで俊敏な動きをするとは思ってもいなかったです。
戦闘モードに切り替えて、聖剣と勇者装備を準備出来たのでいつでも迎え打てます。準備が出来たはずなのに、ミノタウロスの攻撃のタイミングを察することは出来ませんでした。
今度はいつの間にか二体に増えたミノタウロスによる同時攻撃です。
避けたと同時に斧が地面に当たると「ドーン」という大きな音がしました。斧の威力が凄いものだということは理解出来ましたが、当たらければどうってことはありません。
カスミ:
これは分身?
それとも残像とかだったりするのかな?
気配察知は働いているけど機能していないんじゃないかと思うぐらいミノタウロスの動きに追い付いていません。
いつでも隙あらばって感じで攻撃して来るので連続して攻撃されている状況が続いています。
カスミ:
また、いつの間にかミノタウロスが増えてる。
ついさっきまでミノタウロスは二体だったのですが、ミノタウロスの攻撃を避けたほんの一瞬目を離した隙に二体のミノタウロスが気が付けば四体になっていました。
二体の同時攻撃だと思っていた矢先に四体同時攻撃だったので肝を冷やしました。
一度ミノタウロスの攻撃を聖剣で受け止めようと試みましたが、その途中で青の勇者様に止められました。
ミノタウロスの斧の攻撃は実体が無く聖剣を受け止めようとすると素通りするんだとか。聖剣で受け止めていたら斧が聖剣を素通りしてミノタウロスの攻撃が私に直撃していた訳ですね。
私がミノタウロスからの攻撃を避ける際に放った攻撃もミノタウロスに通じていなかったんですが、どうやらこのミノタウロスは幻のようにしか見えません。
攻撃のタイミングだけは実体になるのか当たれば凄く痛そうな攻撃が飛んで来ます。でも、攻撃のタイミングに合わせてもミノタウロスには私の攻撃は当たらないんですよね。どう~しましょう~(;^_^A
取り敢えず、色々と検証しながら何が真実なのか見極めようと思います。
カスミ:
聖女アンズ様。
ミノタウロスの攻撃を結界で防いでみて下さい。
結界を防ぐかどうかを知りたいです。
聖女アンズ:
分かりましたわ。
まず、試してみたいことは、聖女アンズ様の結界でミノタウロスの攻撃を受け止めて貰うタイミングに合わせて同時で攻撃を加えてみるってことです。
攻撃するタイミングで実体化するなら攻撃を受け止めた瞬間は実体のはずですからね。
私の予想した攻撃のタイミングは実体は間違いだったようです。
聖女アンズ様が結界で防ごうとしても結界までも素通りしていまいました。
ー閑話休題ー
ここで青の勇者様が助力して貰えました。
どちらかというと私の行動に痺れを切らしたって感じです。
タイチ:
良く見ろ。カスミ。
全てが幻なんだ。
アレクの天眼が使えるのに戦闘では使え。
どんなモンスターか天眼を使い情報を得て、その情報を元にどのように対処するかを考えて行動すると良いんだ。
何も相手の出方を待つ必要はないし、モンスターだったらどんなに卑怯な手を使っても問題ない。
モンスター相手なら勝てば良いんだよ。勝てばね。
青の勇者様にそう言われて、初めて天眼をミノタウロスに使います。見た目からミノタウロス(牛の頭部に巨大な人の身体と斧)と判断していました。
これまでのモンスターも簡単に倒せたので天眼を使っていませんでしたしね。
改めて、ミノタウロスに天眼を使って情報を知ります。
ーミノタウロスの情報ー
種族はミノタウロスでしたが、ファントムミノタウロスというモンスターでした。ファントムと名が付くモンスターが幻影や幻と使って来るモンスターです。
分身したかのように思えただけ、攻撃して来たように見えただけです。私が見ていたこれら全ては幻だったようです。
これがどういうことかと言うと、私の目の前にいると思っていたミノタウロスは実は私の死角にいて攻撃をして来ていたのです。
気配察知などの感知する能力を搔い潜れる能力があって死角にいてもスキルの影響を受けないんだとか。特殊なタイプみたいです。
漫画やゲームとかだったらミノタウロスって「ブモー」とかって鳴いたり叫んだりするんだけど、そうすることで音の発生源から位置を特定されるから鳴かないんだとか。
目の前にいるはずのモンスターの声が背後からすれば不思議に思うはずだし気付くと思いますからね。
ちなみになんですが、グランタートルの攻略法も天眼を使えば簡単に知ることが出来たんだそうで、私が今まで戦闘に天眼を使わない様子に苛立っていたと思う今日このごろです。
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ーリメイク情報ー
終焉の起源をリメイクしています。
こちらの作品も宜しくお願いしますmm




