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9話ウェスタリス王国の四聖剣その3

「何なんだこいつ等は…?昔こんな敵キャラクターが出てくる漫画を読んだことはあるが…」

「イースから来たっていう男はお前だな?お前には恨みはねぇがよぉ、このウェスタリス王国四聖剣ガルド・ニクスタ樣の退屈凌ぎに付き合ってもらう。精々抵抗して俺を楽しませろよ!」

ガルドは魔導二輪エアリアルを操りながら抜いたサーベルを素早く振り抜く。

「くっ…!?な、なに!?」

振り抜かれたサーベルから飛ばされた見えない風の刃が、彰の腕を切り裂いた。

「イース製の魔導二輪エアリアルに続いて、こいつはウェスタリスでも指折りの鍛冶師が鍛え上げた魔導剣ゲイル・ジン!ん〜、相変わらず惚れ惚れするほどの斬れ味だ…!」

「…全く、この世界は殺戮衝動の解消には困らないな。ただ、わたしが目指しているのはそんな衝動すら起こらない平穏な日常なんだ。その為に君には消えてもらう。『キラーズ』」

彰の周りに3機の小さな戦闘機が現れ、ガルドに一撃必殺のミサイルを発射する。

「何だぁそれは?魔力を全く感じねぇ、魔法じゃないな。ふん、そんなものこの俺様には当たらねぇぜ。そらよ!!」

ガルドは再び魔導剣ゲイル・ジンを振り発生させた無数の風の刃で襲い来るミサイルを全て斬り落とす。

「うぉっ!!?」

斬られたミサイルはその場で爆発し、当たることはなかったがその爆風でガルドを魔導二輪から落車させた。魔導二輪エアリアルは転倒時の衝撃でボディが少しひしゃげた。

「ってぇ…あぁっ!!?俺のエアリアルを…てめぇ、もう許さねぇ!!」

「そんなに大事なものならこんな所に乗ってこずに大事にしまっておけばいいだろう?」

「るせぇ!!!」

ガルドを中心に魔力で発生した風の刃が渦巻く。

「もっとゆっくりいたぶってやろうと思ったが、もう許さねぇ…!挽肉にしてやる!!」

(あの風の刃、その斬れ味もさることながらあれには『キラーズ』のミサイルは通用しない。まさに攻防一体といったところか。…さて、どうするかな)

彰は戦闘機を一度引っ込めると、小さな歩兵を20体程顕現させる。歩兵達はアサルトライフルを一斉にガルドに撃ち込んだ。しかし、ガルドを囲む風の刃にその弾丸はあっさりと斬り刻まれ、届くことはない。

「これも駄目か」

「もう万策尽きたか?今度はこっちから行くぜ!」

風の刃を纏ったガルドが歩兵達を斬り刻みながら彰との距離を一気に詰めてくる。

「近づけばさっきの爆発する攻撃も使えねぇよなぁ?ついでにお前を挽肉にも出来るしよぉ」

しかし、この状況にあっても彰は表情一つ変えない。

(なんだこいつは、この状況分かってんのか!?…ナメやがって!)

ガルドが更に彰に接近した瞬間、いきなりガルドの足元が爆ぜた。それによってガルドは足を負傷し、そのダメージで集中が途切れたことで、纏った風の刃が消え去る。

「うぐっ!!?な、なにぃ…!?」

「『キラーズ』」

彰はその隙を見逃さず、戦闘機のミサイルでガルドを消し飛ばした。


 少し前のお話から魔導剣やら、魔導二輪やら急に出て来たので、求められているかはわからないのですが、ここでざっくりと紹介させて頂きます。よかったら読んでやって下さい。

・魔導剣:魔力を持つ人が使うと、その魔力を込めることで魔導剣に属性を付与したり、魔法を発動する際、魔導剣を経由することで威力を高めて発動させたり、魔法使いの杖のような役割も持っています。因みにウェスタリス王国にはその存在自体が貴重である魔導士が数多く在籍しており、その強みを活かす意味もあって魔導剣産業が昔から盛んです。

・魔導二輪:ガソリンなどではなく、操縦者の魔力を動力として動かすことの出来る乗り物。これらは技術大国イース帝国で開発された馬に続く次世代の乗り物です。これらが開発された背景として、イース帝国には魔導士が昔から少なく、他国に対抗する手段として領内にあるマナストーンの鉱山に目をつけ、そこで発掘されるマナストーンを装着することで魔力を持たない人でも使用可能な魔導兵器を開発しました。それもあって魔導二輪などの乗り物もマナストーンを装着することでマナストーン内の魔力が尽きるまでの間、魔導士でない人も操縦可能です。









更新遅くなって申し訳ありません。

自分自身でもまさか世紀末集団が登場することになるとは思わず、どうしようかと長い間悩んでいたのです。

言い訳です。すいません。

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