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11話魔族たる所以

まだ完結を諦めてませんよ。

「そもそも魔族ってのは通称で、正式には角人つのびと族って種族なんだが…」

キースは魔族について話し始めた。話によると、元々その見た目から差別を受けてきた角人族が団結し人族に攻め込む形で三百年前戦争が起こる。その時角人族の軍を率いていた男が後に魔王と呼ばれる。

「…それでここから何で角人族が魔族と呼ばれるようになったかなんだけど、魔王はモーリさん、あんたと同じような魔法とは違う特殊な能力を持っていたらしい。」

 魔王はその能力を使って、人族を蹂躙。大打撃を与え、勝利は目前というところまで追い詰める。しかし、人族は召喚魔法によって異世界から召喚したこれまた魔法とは違う特殊な能力を持った勇者の力で反撃、見事魔王を討ち取ったのだ。それから角人族は魔族として東の島へと追いやられ、これまで以上の仕打ちを受けることになったのだとか。そして今に至る。

「ざっくりとは理解したが、いまいちわからんな。それだけなら魔族と呼ばれる理由にはならないだろ」

「それは魔王の能力が原因かもな。魔王は凶暴な魔物を意のままに操って自分の手駒として使うことが出来たらしい。だから魔王。詳しいことはわかんないけど、そんな魔王が率いる軍勢だし同じに思われたんじゃないかい?」

「そういうものか…?」

「そういうものだよ、多分。それはそれとして、セラのことなんだけど…」

 キースはさっきまでよりも声を抑えて話し始めた。彰も耳を傾ける。

「俺達がウェスタリア四聖剣のガルド・ニクスタに襲われた時、急にブラック・ワイバーンが飛んできたろ?」

「それがなにか?」

「あれは多分、偶然なんかじゃないと俺は思うのよ」

「つまり、どういうことだ?」

「無意識にセラが呼び寄せたんじゃないかと思うんだ。今回だけじゃない。モーリさんに出会ったあの時も、何なら最近この辺りで活性化している魔物も。セラの救難信号のようなものを察知して集まってきているんじゃないかと思うんだ」

「…彼女がかつての魔王と同じか似たような能力を持っているということか?」

「俺は仕事柄いろんな土地を回ってるが、魔物は普段は山の奥地とか人が足を踏み入れない場所で大人しく暮らしてるんだ。人の生活圏内に出てくることはほぼ無い。異常と言ってもいい位にな。だがこの辺りだけは魔物が頻繁に出没し人に被害を及ぼしている。このことからセラは奴隷商に攫われた時に無意識の内に能力を使って魔物を活性化させたんじゃないかと俺は思う。まだその能力をコントロール出来ていないんだよ。きっと」

「…ということは、彼女を安全なところまで送り届けて安心させることが魔物被害の収束に繋がるかもしれないということだな?どうでもいいことだが」

 彰は後部座席のセラを覗くと、彼女は疲れたのかすやすやと寝息をたてていた。その様子だけ見ると、とても魔王と同じような能力の持ち主とは思えなかった。







多分そろそろ折り返し地点でしょうか?

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