歴史ヲタが異世界日本で無双する
(スマホが恋しい…)
荒廃した町を自転車で駆け巡りながらセイタは呟いた
(もう半月経つが何も変化無し)
半月前、突如として現れた神を名乗る存在が現れた
奴らが言うに
今から百年後の文明が崩壊した世界の日本列島に中高生を送り
戦わせ生き残った者にのみ生きる権利を与える
だ、そうだ
(身勝手極まりない)
誰もがそう思うだろうがそれは決定事項であり変わりようが無いものであった
身一つで放り出された世界は齢16の少年にとって広く危険であった
青春を謳歌するというセイタのビジョンは神の気まぐれにより悉く粉砕された、それは他の者にとっても同じことであった
この世界では日本という国は無く
変わりに日本列島に点々と存在する小さな国が存在している
ショウナイはセイタの暮らす地域の国家のことである
大部分が平野であり山と海に囲まれ他国が攻めてきても守りやすい
そんな中セイタは運動はできず、頭も良いものとは言えないがどのように生き残っていくのか
それは豊かなコミュ力と歴史に対する造詣の深さだ
しかしショウナイに魔の手が迫っているとも知らずに呆けているだけのセイタは後に、この二つの才能を駆使し『血濡れの大軍師』と呼ばれることになる