第88話
ガンとアタリが来た。
またマゴチかなとアワセを入れてみた時だった。
強烈な重みと衝撃を感じたと思ったら一気に引きずり込まれ、リールからドラグ音が唸りまくってジーーーーとラインが吐き出される。
『やばい・・・・これは・・・』
腰を落とし竿を立て抵抗が落ち着くのを待つ。
前に釣った巨大アカエイを連想させる力強さだが何か引き方が違う。
ついに青物か?とも思ったが青物のように横方向に走って行かない。
『うーん・・・これは本命魚の異世界サイズverかもな・・・』
こういう大物釣りの極意は結局竿のしなりやリールのドラグを駆使して無理をしない事だ。
竿や糸などに余裕がある小物なら最初からゴリ巻きでいいが、大抵の大物はまずは我慢、魚の抵抗が弱まったら巻く、抵抗され我慢、弱まったら巻くの繰り返しだ。
この駆け引きがへたな人は抵抗中でもゴリ巻きして何度も竿をしゃくるように跳ね上げる。
こうすると太い竿だろうが案外簡単にポキっと折れてしまう。
『ふう、ふう』
釣りとかそんな疲れる物じゃないと思われがちだが、こういう大物とのやり取りはめっちゃ疲れる。
腕はぱんぱんになり釣り上げたらはあ、はあと息苦しいぐらいになる。
リールの色ラインをみるとあと約20mほどまで引き寄せてきた。
遠目にもなにやら座布団の魚影が見えてきた。
『まさかまたエイじゃないだろうな・・・』
あの魚であってくれよとその後も一進一退の攻防を繰り返し手元までたぐりよせてきた。
あとは波に乗って最後の引き寄せだ。
ここで無理やり引きずり出そうとすると結構針がはずれてばらしたりすることがあるの慎重にだ。
ザザ~
と波が押し寄せてきた瞬間に後ろへ下がって行き、巻くのではなく魚を引きずるようにして陸へ出す。
そこへ現れた超大型座布団のような魚は!
70cm以上を座布団サイズ、90cm以上を大座布団ともいうが今目の前でビッタンビッタンと跳ねてるこいつはどうみても150cm超えだ。
一瞬カレイ科のオヒョウかと思ったが
【名:ヒラメ 毒なし 食用可】
『やったぜ・・・これはヒラメだ!』
超大物との格闘に疲れて座って喜びを嚙みしめていると、いつまにかやってきてたワタツミがヒラメに犬パンチを繰り出していた。
『わーー、ワタツミ、そいつは危険だからやめなさい』
ヒラメはガパっと口があきそこには鋭いキバがあるのでこのサイズだとワタツミなんか一ひねりだ。
おれは急いでワタツミを抱えて離す。
魚ペンチでジグワームを外してみると針フックやリングが若干引き延ばされてて、あともう少し抵抗されてたり無理していたら釣り上げれなかったかもしれない。
口からエラにかけて縄を通して逃げれないようにして浅瀬へ連れていきエラをきって血抜きする。
その後切り分けずにそのまま魔道車へ積み込み持って帰る事とした。
『ワタツミー、みんなこの大きさだと驚くだろうな』
『キャン』
そう俺は学習しない男なのだ。
そんな大物をビャクや王妃が見たらという事を考えもせず大満足で帰って行くのだった。
私はリアルでヒラメ釣りするときはメジャークラフトさんの浜王派です。




