第78話
『お願いしますよ、手伝ってください』
新たな海産店日が決めりルカが頼み込んでくる。
『嫌だよ、もう人員も揃ってるし自分達でやりなよ』
こんなやり取りをしている時だった。
『すみません、はじめ殿はおられますか?』
どうやらお客が来たようだ。
玄関へいくとジンさんが来ていた。
『ああ、いらっしゃいましたか、王がお呼びですので同行を頼めますか?』
『はいはい、行きますよ』
なんだろうな?船が出来てそれの事とかかな?
ジンさんに聞いてみたが知らないようで至急呼んできてくれと言われたそうで謎である。
城へつき王様達の元へ通されたのだが何やら空気が重い。
『よく来てくれたな、まずは要件を話そう・・・・エルフの王族がお前に会いに来る』
エルフの王族が・・・?
『その顔を見るにおぬし自信も理由を知ってないか・・・・先日エルフの使者が来てな、お前に会いに来ると伝えられたのだ』
『んー考えてはみたんですがやっぱりわかりませんね、俺が知ってるエルフといえばスライム場にいるマユさんぐらいですし・・・』
『となるとこのジパングにいるエルフからお前の事が伝わって行き何か興味を持ったといったところなのか?』
まあそれぐらいしか思いつかないな。
『近いうちにくるとしか聞いてないのでなるべく開けておいてくれ』
『わかりました』
とりあえず話はおわったので帰ろうかなとおもってるとブラウンさんの所へ寄ってくれとの事なので顔を出す。
『おお、はじめ殿、待っていましたよ』
何事かなと聞いてみると船の作製が一段落ついたので点検してみてくれとの事。
おお、どこまで出来たんだと期待しつつ大きな倉庫へブラウンさんと赴く。
そこへあったのは漁船というよりクルーザーのような船だ。
『どうですかな?』
『いや、すごいですね、想像以上ですよこれは!』
俺の喜びようが伝わったようでブラウンさんもニッコリしている。
『どうやらお気に召したようですな、あともう少し作業があるのでお渡しするのはもう少し後になります』
『いや~すごく楽しみです!』
ブラウンさんとすこし雑談を済ませて城を後にした。
家でぼへーとしてるとまたルカが頼みに来るので最近あまりあそべてなかったワタツミを連れて公園へやって来た。
『よーし、ワタツミ行ってこ~い』
俺はボールや皿板を投げてワタツミと遊んでいた。
『ほう、フェンリルがそこまで懐いておるのか、珍しいの』
いきなり後ろから声を掛けられビクっとなる。
いつのまに?と振り返るとエルフの女性が立っていた。
『脅かしてしまったか?すまんな、こちらへ来たばかりでな、プラプラ歩いて折ったらその方らが見えてな』
『はあ』
俺が止まっていたのでボールを加えたワタツミが足元でどしたの?ってな感じで見上げてくる。
『ああ、すまんなワタツミ、それ』
またボールを投げてやるとキャンと鳴いて走って行く。
『のう、我もやらしてもらってよいか?』
『いいですよ、遊んでやってください』
皿板とボールを渡す。
『えーと、この子なんといったかの?』
『ワタツミです』
『うむ、ワタツミよ、行くがよい!』
エルフの女の子がふん!とボールをなげてワタツミと遊び始めたのを眺めてノンビリと時間をすごした。
『ふう、楽しかったぞ!では、またな』
『ええ、また』
そういえば名前聞いてなかったな。
『ワタツミ、遊んでもらって楽しかったか?』
俺の周りをキャンキャンいいながら纏わりついてくる。
さていい時間で夕食も近いしワタツミとともに家へ戻るのだった。




