第76話
またカニが掛かるのを待つため根魚釣りを再開する。
もう慣れたものでツギツギと釣り上げていく面々。
俺自身も気が抜けていたのがいけなかった・・・。
ビャクが少し大きめの魚を釣り上げて触ろうとしてるのが目に入った。
『触るな!!ビャク!!!』
俺の怒号に近い叫び声にビャクがビクっとなり固まり、皆どうしたんだとこちらを見る。
俺は急いでビャクの元へ行き手に持ってた糸を受け取り魚をビャクから遠ざける。
【名:オコゼ 毒あり 食用可】
やっぱりオコゼだったか・・・間に合ってよかった・・・。
いきなりの事に戸惑い目に涙をため始めているビャクへ説明していく。
『大声で叫んでごめんなビャク・・・・この魚はオコゼと言ってな、トゲとかに毒があるんだ。刺されても死ぬって事はないけど腫れたりしてとんでもなく痛むんだ。』
『こっちこそごめんなのだ、気を付ける用言われてたのに・・・グス・・・』
クソ・・・せっかく楽しんでたのに俺が気を抜いてしまったばっかりに・・・・
『ところで~そのオコゼって魚は食べれるの?』
重くなってる雰囲気の中に王妃様が話題をぶち込んできた。
ああ、これは助け船だな、すぐに乗っかろうと思う。
『ちゃんと処理をすれば食べれますよ、ビャク、これは危険な魚であると同時にとてもおいしい魚でもあるんだ』
『ほんとなの?』
『ああ、楽しみだな』
『・・・・うん!』
どうやら笑顔に戻ったようだ、重かった雰囲気も無くなり助かりましたと王妃様に頭を下げておく。
釣りを再開するが、その後は毒魚は釣れることなく楽しんだ。
そろそろカニの方もいいかなと回収していく。
切り刻んだ撒き餌が効いたのか今回は皆のアミ仕掛けにカニが掛かっていた。
まだ数は多くないのでもう一度仕掛けを入れてまったりと過ごす。
魚は十分釣れ、三度目のカニ仕掛け回収でカニも程よく釣れた為、本日の釣りは終了となった。
家へと戻り晩飯の下準備をしますかねとおもってると子供達も何かしたいと言うのでカニ磨きを任せることにした。
これは別にやらなくてもいいんだがタワシなどで甲羅や関節をサっとこすってゴミを落とす行為だ。
まだ元気なカニの爪に糸を巻いて子供達へ渡してやると楽しそうにカニを磨いている。
まあ、ほどほどになと任せて俺は魚を捌いていくことにした。
今度はお母さんがたがやってきて手伝うという。その中に王妃様がいるのだが大乗ぬなのか?とおもってるとお母さんがたがついてるし大丈夫との事。
それじゃあと魚のウロコ取りと内臓取りをお願いする。
残ったのはオコゼだ。
こればっかりは任せるの危ないので自分でやる。
大きめのハサミでヒレなどのトゲ部分を根元から切り取る。
まあこれだけなんだけどね、3分もしたら終わったので子供たちの様子を見に行く。
『あ、はじめにーちゃん、これでいいのかな?』
ビャクや子供たちが磨いたカニを見せてくる。
丁寧にやったんだろうな、めっちゃ綺麗になっているので笑ってしまう。
『ああ、それで十分だよ』
まだ残っているカニを子供達と一緒に磨いていった。
カニを磨き終えたころには奥様方の魚捌きも終えていた。
まだ夕食には時間はあるので少し休憩することにした。
子供たちはワタツミと駆け回り、奥様方は王妃様とお茶をしている。
おれは寝転がってひと眠りさせてもらった。
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