第68話
集合時間が近づいてきたので撒き餌を作っていき、エサにトウモロコシの実を用意する。
魔道車へ道具など載せていると皆集まり始めた。
その中で一際気合が入っているようなのが王妃様だ。
付き添いにきてた大人たちに興奮した状態で今日とても楽しみだったのって話しかけて引かれている。
何やってるんだか・・・・。
『それじゃあ揃ったみたいだし魔道車に乗ってくださーい』
皆が乗り込んだのでサバのポイントの防波堤へ向けて魔道車を走らす。
『なあ、はじめにーちゃん、今日はどういった魚を釣るのだ?』
『今日はサバっていう魚を釣るよ、ビャクが前釣ったアジみたいに強烈に引くから釣ってておもしろいと思うよ』
『それは楽しみなのだ』
廻りを見ると王妃様や子供達もウンウンと頷いている。
10分ほど和気あいあいとしつつ走れば防波堤へと着いた。
皆で道具などを持ち釣れた場所へいく。
まずは撒き餌を数度放ち準備していく。
今日はウキ釣りと一本針仕様だ。
全員の竿準備が出来たところでまずは見本を見せる。
数度撒き餌を放ちつつそこへトウモロコシをつけた仕掛けを落とししばし待つ。
ウキを見てると、シュっとすごい速さで引き込まれる。
竿を立てて合わせるとすごい力で横へ走って行く、サバなどの青物特融の泳ぎ方だ。
サバはアジと違って口も堅いので若干強引にリールを巻き引き寄せて釣り上げる。
『これがサバだよ、今見せたように撒き餌を放ったところに仕掛けを落として少し待ってるとアタリがくればウキが沈むからそこで合わせれば釣れる。』
子供達はすぐにでもやりたそうだが最後に安全面でいっておかないとな。
『ここは防波堤で海面まで距離もあるからもし引き込まれそうになったらまよわず竿を放していいからな、あとは気を抜いて落ちないようまじめにやる事、できるよな?』
皆頷くので絡まり防止のため若干距離を開けさせて配置する。
あとは着いてきた親御さんと兵士に落ちないよう注意して見てあげてと言い釣り開始だ。
俺は王妃様につき、リールの使い方から教えていく。
さほど難しい事でもないのですぐに使い方を覚える。
俺が撒き餌を放ったところに仕掛けを落とし真剣な顔でウキを見ている。
前アタリがきてウキがピクピクと動いたと思ったらシュっとウキが一気に沈む。
『今です、竿を立てて合わせて下さい』
王妃様は俺の言葉で動き竿と立てると竿先がグンと曲がりグググと引っ張られる。
『キャー、キャーなんかビビビってすごく引いてくるわ!!』
『慌てずゆっくりリールを巻いていってください、あまりに抵抗するようなら弱るまで少し待ちましょう』
『わかったわ!』
少し待って弱った所でリールを巻き上げる王妃様。
海面に見えてきたのは30cmぐらいのまずまずのサイズのサバだ。
そこからは一気に巻き上げサバを釣り上げた。
糸を持ちサバを持ち上げてピョンピョンしながら大喜びしている。
『おう、母様やったのだな!』
ビャクもサバを釣り上げておりお互い見せあいっこしてニコニコ顔だ。
王妃様は興奮が納まらない様子でサバを釣った感触をビャクに語り、さあ次を釣りましょうとポイントにもどって釣りを再開しはじめた。
廻りを見ると子供達も順調に連れてるようなので、俺自身も釣りを開始する。
あえてアジングで釣りをしてサバとの格闘を楽しもうと思う。
ジグワームを投げ込んで少ししたらチョンチョンとアクションを与えてサバが来るのを待つ。
竿先にピクと振動がきたので即合わせするとジーーーーとリールから糸が出ていきドラグが唸る。
ゆっくり引き寄せてはジーーと糸を出される格闘を楽しむ。
それでも2分ぐらいするとサバの抵抗が弱まり釣り上げることが出来た。
『こういう釣りも楽しくていいね』
そうやって遊んで2時間ほど経つと、子供たちが撒き餌を使い切ったと報告してくる。
十分数釣りも出来たようなのでそろそろ終わりにしようかと今掛かっているサバを最後としようとしてた時だった。
サバの抵抗が弱くなってきたので釣り上げようと寄せてると海面にザパっと大きな魚がサバへ目掛けて飛び込んできて飲み込んでいく。
もちろんリールはジーーーと糸を引き出されドラグが唸る。
参ったな・・・糸はPEの0,1号だしジグは2gの普通のアジング用だ。
糸は丁寧に格闘しないとすぐ切られるだろうし、針がひん曲がって外れるんじゃないかな。
俺が思案しつつゆっくり巻いてると巨大魚のアタックをみてた子供たちは大興奮だ。
がんばれー、釣り上げてーと応援をくれる。
魚の方はバテる様子はなくこちらが少し巻いてもすぐに糸を引き出されてしまう。
んーこれはどうにもならんなとドラグノブを締めて糸を出にくくして強引に巻いてみる。
なんとか寄せてこれてたが魚の猛反撃でジーーーと糸が出たと思ったらフっと軽くなった。
あー切れたかなと巻き上げると針がひん曲がっていた。
残念だったなーと子供達と話し道具を片付けて帰る事となった。
帰り道で子供に混ざって王妃様は釣りの感想を話してとても楽しそうだった。
家についたら人数分のサバを下処理して塩焼きにして昼食を食べて解散とした。
その際に王妃様からまた連れて行ってねと強めにお願いされ、それを見た子供達も僕も私もと頼まれたのでまた今度ねと約束をしたのだった。




