第62話
しばらくは狂喜乱舞してたが落ち着いてきた。
毎日のように漁師隊が捕った海産物が運ばれてくるので少し拝借して晩は刺身を頂こう。
本音を言えば今日はもう帰ってもいいかとも思うが団子泥を結構作っちゃったんだよな。
まあサバも釣れるしもう少し遊んで帰るか・・・。
海面をみるとサバがかなり集まってきているようで塊がみえる。
このまま同じように釣ってもサバの特攻を抜けるのは難しい。
まずは足元にダンゴだけを落とす、そこへサバが集まったら少し遠くへ団子を放り込むというかわし方を試してみると思いのほか上手くいく。
ただしすべてを交わし切れていないため釣れるのはサバのみだ。
団子泥もほぼ無くなりそろそろ終わりだなとおもってるとウキがスっと沈む。
まあ、またサバだろうなと合わせてみるとガツンとした手ごたえだ。
ん、大きめのサバか?と思ったが青魚特融の横に走って行かず、深く潜ろうとする。
これは本命のチヌかと思ったが潜り方がグッグッグッと三段引きだ。
これは赤いほうが来たのかと期待し格闘する。
海面近くまで上げてくるとやはり赤い魚影だ。
『よし鯛だな・・・・キダイじゃありませんように』
防波堤が高くタモ網が届かないのでしばらく海面近くで鯛と格闘して弱らせる。
抵抗が弱くなってきたのでまずは海面まで引き上げる、見える魚影はなかなかの大物だ。
そこからは糸を手に持ちゆっくりと引き上げる、これがタモ無い時などにバラしにくい引き上げ方だと思う。
だいぶ体力を消耗させてるので暴れることなく引き上げれる。
なんとかバラさず防波堤上まで引き上げる。鑑定結果は
【名:真鯛 毒なし 食用可】
ふ~やったぜ、メジャーではかってみると48cmだった。
これに満足した為泥バケツや周りを清掃して帰ることとした。
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『ただいまー』
『あ、おかえりなさい、さきほど漁師隊の方がきて海産物を受け取りましたので冷蔵庫へ保存しておきました』
料理場にサージャがいてそう教えてくれた。
『ありがとう、今日は新しい魚を2種類釣ったのでそれを晩御飯に使おう』
『おーどういった魚ですか?』
サバと真鯛を見せてやると
『青と赤の魚ですね~』
そう言われればそうかもな。
『こっちの青い方がサバと言う。料理方法はアジと似たよっているかな?塩焼きやフライがウマいな、だけど今日はもう一つの定番料理であるサバの味噌煮を作ろうと思う』
『赤いほうは真鯛と言う。こちらは色んな料理法があるが今日は半身を天ぷらにして残りは炊き込みご飯で食べようと思う』
家康じゃないが鯛は天ぷらが一番!鯛刺身はそんなに美味しいとはおもわないんだよな~。
ふむふむとサージャは頷いている。
ルカを呼んでもらい皆で下準備を進めていく。
下準備が終った所でそんなに難しい料理法でも無い為二人に説明して後は任す。
そして俺は冷蔵庫へ行き漁師隊が持ってきたものを確認する。
『今日はアジ、キス、甲イカだったか、刺身にうってつけだな』
俺らはニヤリとしつつ全てを鑑定していく。
アジ、キスは問題なし、甲イカは一杯だけ注意必要と出た。
俺が食べるとチャレンジしたい人が出るかもしれないからキスは3匹、アジは大きめのを1匹、イカは半身を刺身にしよう。
俺は鼻歌まじりの上機嫌で刺身を仕上げていく。
刺身なんて切っただけで料理じゃないって言う人もいるが、下手がやると身は崩れ、薄皮をうまく捕れずボロボロになり舌ざわり最悪になってしまうので俺は立派な料理だと思う。
刺身をさらに盛っていると、二人が料理しつつ何してるんだろ?とこちらを見ている。
まさかこれで終わりで生で食べるなんておもってないんだろうなーと思ってると
『良い匂いがしてきたから見に来ました』
『キャンキャン』
タエさんが調理場へ現れ、抱かれていたワタツミがジャンプして俺の足元へきてじゃれてくる。
ワタツミが離れたため残念そうな顔になるタエさん・・・・この人最初はすごく出来る女性な印象だったがワタツミと関わるようになってポンコツ化していってるような・・・。
『今日は新しい魚が釣れたのでそれを二人に料理してもらってるんですよ』
『それは楽しみですね・・・・で、はじめ様がやっているそれは何ですか?』
『これはお刺身と言いまして、魚などを生で食べる料理です』
どういう反応するかなーと見てみると、やはりというか3人ともギョっとした顔をしている。
『しかし、生は危険というお話だったのでは?』
『そうなんですがそれに関してはあとでキショウと一緒に揃った時に説明しますのね』
と、とりあえず説明は後回しにして料理を仕上がていった。
リアルでアジ釣り行きましたが、そちらでもサバの特攻を受けまして計34匹釣ってアジ8匹、サバ26匹の釣果でした・・・。




