第61話
漁師組みの指導を終えたが彼らが捕ってくる海産物をさばくのに苦労する日が続いていた。
しかし、専任料理人が選ばれ彼らを指導してついに俺は自由な身となった。
『あー長かったな・・・・時間も出来た事だし新しい釣りで開拓しないとな』
久しぶりに腰を据えてジックリやるだんご釣りでチヌ釣りをやってみようかな。
まずはエサの確保だ。
砂虫でもいいがここは本虫を用意しよう、大きな岩場で泥が多く粘土質風な所で本虫は掘れる。
5本ほど掘れた所で次のエサ確保へ行く。
今度は浅瀬の石をひっくり返して1cmほどの小ガニを20匹ほど。
最後のエサはトウモロコシの実だ。
そんなので釣れるの?とおもわれるかもだが場所によってはスイカをエサに釣ったりするぐらいなので問題ない。
家に戻り次にするのはだんご泥作りだ。
糠、骨粉、エビ殻粉、ミキサーにかけた液状トウモロコシ、アサリの貝殻をハンマーで粉々にしたものを混ぜ慌て長年の勘便りに固さを調整する。
準備は出来たので明日朝から海へ行き良さそうな場所で試して行こう。
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翌日朝から魔道車に乗り込み海へ向かう。
アジ釣り場の近くまで行き魔道車を止めて歩いてチヌ釣り場に良さそうなところを探す。
『んー、ここらでやってみるか』
大きな岩場で沖に行くごとに深くなっていってる場所だ。
撒き餌を2~3回投入して竿の準備をしていく。
だんごつりはウキありとなしの2通りの釣り方法があるがここではウキありのほうがいいだろう。
糸にウキを通し針などを付けてい浮く。
まずは針に本虫をつけてそれをだんごのように撒き餌で包む。
それを投げ込むと重さでウキが海面よりすこし沈み、団子がとれるとウキの浮力でエサが浮いてちょうどよい深さになる。
あとは本アタリでウキが沈んだ時にガッツリ合わせを入れる釣りだ。
何度かだんごを投げ込んだかアタリはこない。
んーここはハズレかな?と思ってると
ピクピク
ウキに何かがアタックしてきた振動が伝わる。
おっ何か来た!とウキをジーと見てるとスッとウキが沈んだのでシャクって合わせを入れる。
何かが釣れた感触はあるがチヌではないと経験でわかる。
釣り上げたのはギザミと思われる魚だ。
キュウセンベラのが有名な名前なのかな?凝視してみると
【名:ギザミ 毒なし 食用可】
やはりギザミか、とてもカラフルで見た目にはおいしそうに感じないが塩焼き、刺身、カラアゲとウマい魚なのだ。
身は筋肉質で白身なんだが若干生だと灰色ぎみだ。
ギザミがいるならチヌもいるだろうと粘ってみたがその後も釣れたのはギザミのみだった。
ちなみにギザミのオスは緑色が主体でメスは赤色が主体なカラフルな見た目だ。
『んーここはギザミエリアか?』
見切りをつけて次への移動準備をする。
バケツで海水を汲み周りの汚れを流して清掃する。
次へやってきたのは大きな港だ。
大きな船がありあれは貿易船とかかな?
防波堤へ行き湾外へ向けて釣り再開だ。
撒き餌を投入してしばらくするとアジより大きめの魚影が見えてきた。
あれはサバじゃないか?サバフライ好きなんだよな・・・・しかし我慢だ後日釣りにこよう。
サバ釣りの誘惑を跳ねのけて団子を投げ込む。
だんごにサバ?がアタックしまくるのかウキがかなり速く浮いてきたがすぐにウキが引き込まれるように沈み込む。
合わせてみると横に走って行く・・・・これサバだな。
釣り上げてみると青い紋様のようなものがはいていてまさにサバだ。
いつもの凝視をしてみると
【名:サバ 毒なし※注意必要 食用可】
ん?なんかいつもと表示が違う。
毒ないのに注意必要?釣り立てて鮮度も問題ないし・・・。
あっ・・・俺は道具箱から小さなナイフを取り出しサバを解体してみる。
腹部分をよーく観察すると小さくウニョウニョしてるものを発見した。
アニキサスじゃん・・・・。
って事は毒なししか表示が出ないものは鮮度さえ気を付ければ刺身行けるって事か!?
俺は検証の為にサバを数匹釣る事にした。
サビキをつければすぐなんだろうがめんどく下がってチヌ釣り仕掛けでやったのでつるのい苦労した。
なんとか5匹つった後凝視してみると
【名:サバ 毒なし 食用可】
【名:サバ 毒なし※注意必要 食用可】
二通りの表示で捌いてみたが追加表示がないサバは虫はみあたらず注意表示ある方には虫がいた。
やったぞ、これで俺が関わる限りは刺身も安全に食べれるようになるぞ!
チヌ釣りの事を完全に忘れ防波堤でヒャッホーと小躍りする俺だった。
評価&ブクマありがとうございました。
来週は忙しくなるのでなるべく予定通りの投稿を目指しますが不定期になるかもしれません。
不定期になったらすみません。




