第06話
ナギの先導の元に町へ入る。
『うわー城が見えてたから時代劇みたいな町だと思ったが、これはすごいな』
目の前に広がるのは綺麗な石畳の道、木造建築ととてもきれいな街だ。
人族という事で注目を集めてしまう。
鬼族さんから熱い視線を受けてしまう・・・・おー、一本角だけじゃなく二本角の方もいるのね。
キョロキョロしつつ後をついて行ってると、少し背が低めだが筋肉質な人や耳が長めで綺麗な金髪な人たちだ。
『ビャク、あの人達がドワーフとエルフかい?』
『うん、そうだよ、ドワーフ族はすごい発明して色々作るし、エルフはすごく色んな知識もってるんだぞ』
へーやっぱそうなのね、仲良くなれば色々つくってもらえるかもなー。
ビャクと話しつつ歩いていると
『はじめ殿、ここに長老がいます、そのままついて来てください』
長老ってぐらいだからてっきりすごい所かと思ってたが普通の一軒家のような所だ。
ナギがドアを叩いてすこしするとドアがバーーーンと勢いよく開いた。
『やあやあいらっしゃい、渡り人なんだって?歓迎するよ!』
ドアをあけた人物が大声で答えていた。
えーと・・・この人が長老でいいんだろうか・・・どうみても10台の女の子なんだが・・・。
俺が困惑してるとナギが
『キショウ様、その登場はいかがかと・・・長老としての威厳がですな・・・はじめ殿も驚いておりますよ』
『あーだめだめだよナギ、長老とか・・・それだとすごいおじさんやおばさんみたいじゃん!』
なんかナギが呆れたような感じでキショウって人はプンスカしている。
ビャクはキショウおばさんと小声で言い噴き出すのを我慢して頬を膨らましている。
なんだ、このカオスは。
『あービャクちゃんいけないんだ、お姉さんそういうの怒っちゃうぞ!』
『だっておばさんって・・・プー』
『もうあとでお説教だよ、さてそこにいる子が渡り人なんだって、初めまして私はキショウ、一応ここの長老だよ』
『あ、はい、はじめまして、私は一と言います。』
『まあ門前での話もなんだから中へどうぞー白丸もね、悪い人じゃなさそうだしナギもう戻っていいよー』
『そう見えたのですね?わかりました、では私はここで失礼します』
ナギが一礼し去っていき、俺とビャクはキショウについて行き部屋へ通された。
『うわー、畳だ』
『ほう、やはり知っておるのか』
『今では木の床が多くなって来てますがねー』
『ふふ、なるほどね、まあ好きに座っててねー、お茶いれてくるからさーちょっと待っててね』
キショウがそう言って部屋から去って荷物を下ろしつつ一息ついていたらビャクが質問してきた。
『はじめにいちゃん、その武器みたいなつりどうぐってどうやって使うの?』
『お、興味あるのか?これはなこの棒が竿といってな、まあ今はロッドって言う言い方が主流かなー、で、このリールという物をここへ取り付けてな、ガイドという丸い穴へリールに巻いてる糸を通していくんだ、通したらその糸げ色んな道具を取り付けて、そして』
『ちょっと待って、一気に言われてもわからないよ』
『あーすまんちょっと気合がはいりすぎてしまった、まあ簡単に言うとこの道具を使って海の生き物をとるんだよ』
『へーおもしろい?』
『こんなに海が近いのに釣りとかしらないのか?今度やってみるか?』
『うん!』
目をキラキラさせてる、かわいいもんだ。
『何やら盛り上がってるねー何か知らないが私もまぜてちょうだいよー』
『いやービャクが釣りをしたことないので今度やってみるかって話してたんだよ』
『え・・・釣り・・・あーこりゃ本物かな』
『ん、どういう事だ?』
『その釣りってのは開祖によってもちこまれた文化なんだよ・・・でもねその文化は現在では消えてしまったし海の物は食べなくなってしまったんだ』
え・・・・釣りがないどころか海の物を食べない・・・どういうことだ・・・。