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第58話

少し待っていると準備が出来たと呼ばれたので乳しぼりに向かう。

牛を外まで連れ出してくれているので靴の消毒とかはしないでいいそうだ。

子供達は牛の大きさに若干ビビっているためまずは俺からすることにした。


職員さんに指導を受け消毒を済ませ乳しぼりを開始する。

バラエティやドラマなどTV番組で何度も見たように指を順番に折るように絞って行く。

そうすると受けバケツへ勢いよく牛乳が出てくる。


『なるほど、こういった感覚なのか』


容量を掴んだので両手で絞りジャージャーと牛乳が溜まって行くのを見た子供達が、怖さより興味の方が勝りやりたいと言い始めたので交代する。

はじめはウマくできなかった子供達も俺や職員さんが指の動きを見せることによって徐々に出来るようになってきた。

子供たちの笑顔を見て釣りとは違うがこういった物もいいねと思う俺だった。


乳しぼり体験を終えた俺たちは休憩し、ワタツミには牛乳をやり俺たちは店先で売っていたアイスを堪能している。

そういえば牛乳の殺菌とかってこっちではどうなんだろと思い聞いてみると


『あちらにありますミルクタンクに殺菌機能が組み込まれているので自動で殺菌されますよ』

『大昔は一度沸騰させて飲むのが推奨されてましたが、それは希少な浄化魔法が使える者達によって改善しました、ですが浄化魔法が使える人は増えるどころか減る一方でついにはいなくなったんです。それによってまた沸騰させる事が復帰したんですが、乳製品の味がそれで落ちてしまいまして・・・チーズなどを酒のアテにしてたドワーフが必死に殺菌機器を開発しましてね』


と笑って教えてくれた。

しかし今の話にでた殺菌魔法ってのがあれば刺身も安全にたべれるのかな~と思う。

って今更だけど魔法なんてあるのかよ!

俺も使えるのかな~とワクワクしてしまう、帰ったら聞いてみよう。


もう一つきになったおのはドワーフの技術力だ。

酒のアテのためにそんな物作り出すとかすげーな・・・・。

待てよ・・・海産物なんて酒のアテに最高だろ・・・それをウマく使えば海産物に使える殺菌道具も作ってくれるんじゃ・・・・それがウマくいけば刺身もかなり安全に食べれるようになるんじゃ・・・これはブラウンさんのやる気を出させる必要があるな・・・フフフフ。


『はじめにーちゃん、何か悪そうな顔をしてるのだ』


俺の欲望垂れ流しな顔をビャクに突っ込まれてしまった。


『うまくいけば新たな海産料理が作れるとおもってついな・・・』


『それはおいしいの?!』


『好き嫌いはわかれるが俺はすごくウマいとおもうし好きだぞ』


『それは楽しみなのだ』


二人で願望駄々洩れな笑顔で笑うのだった。

おみやげなどに乳製品を買い込んでこの場を後にした。


次にやってきたのは市場だ。

俺は色とりどりの野菜などの食材に興奮ぎみだが子供達はつまらなそうだ。


『苦くて好きじゃないのだ』


どうした?と聞いた答えがこれだ。

あー子供の時って野菜の苦みがダイレクトにくるんだよな。

味覚に変化が来るまでどうやっても無理なものは無理なもんだ。

町の交流会とかで魚を釣った後に料理大会みたいなのをしたことがあったが、つみれた魚ハンバーグ作るのにみじん切りではなくミキサーで粉々にして練り込んだりしたな~と思い出す。

食べるだけでなく釣りにも使えるものがたくさんあるのでそれらを買い込んでさっさと移動する。


さっきと変わって肉エリアへやってくると皆の目に光が戻り輝いている。

あれは美味しそう、こっちのもと子供たちが騒いでいる。

俺は色んな肉を扱ってる所により、牛豚鳥のミンチと豚ロースを買った。

せっかくチーズを大量に手に入れたのでチーズインハンバーグやトンカツを久しぶりに食べたくなったからだ。


邪道なのかもしれないが俺は魚のフライにもチーズインはよく作って食べてたんだよな。

総菜やファミレスとかで売ってるの見た事ないから少数派なのかな~?


たくさんの食材を買い終え時間もそろそろ帰らないと向こうへ着くのが寄るになってしまうので帰る事にした。


『どうだ、楽しめたか?』


俺の質問に、楽しかった、また来たいと言っていた子供達も少しするとスースーと寝息が聞こえてくるようになった。

俺はジンさんと小声でお喋りしつつ魔道車を走らせるのだった。






閑話的な話でもと書いてたんですが、少し変更して魚料理に繋がる話にしてみました。

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