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第49話

朝食を食べまったりしつつ昨日使った釣り具を清掃しているとキショウがやってきた。


『ねえ、今日って昨日言ってた罠を見に行くんだよね?』


『ああ、潮が引いた辺りに行くから、えーと午後3時あたりかな?』


『それぐらいなら今日の仕事も片付いてると思うから声かけてよ、すごい楽しみにしてるみたいだから私も見てみたいしさ』


『わかった、3時前後に声かけるようにするよ』


よし、それじゃあ頑張りますか!と気合を入れてキショウは部屋へ戻って行った。

キショウは親父さんのキシさんの補佐的な仕事もありなにやら書類仕事をしてるそうだ。


しかし清掃してて思うがやはり竿やリールが綺麗すぎる気がする。

グリスなどの劣化はメンテナンスをしててわかるのだが傷が見当たらないのだ。

んー前も気になったが不思議なんだよなー?

これも何か能力的なもんなのかと点検目視しつつ竿に着いた海水をふき取っていると


【名:匠ロッド 状態:良 自動修復有】


と、魚を見るときの様な説明文が浮いている。

これって・・・・俺や五郎さんがこちらに移った時に授かった能力みたいなものが道具も授かっているって事なのか・・・?

俺は急いで他の道具りを凝視して鑑定していってみる。

竿、リール、道具入れボックス、折り畳みタモは全て同じ表示が出た。

これに俺は歓喜した、無茶な使い方をせず丁寧に使えば修復されて劣化しないという事だ。

他の糸や針などetcは自動修復はなかった。


『これは自動修復付きのものは毎回状態チェックを欠かさないようにしないとな』


俺は上機嫌で清掃メンテが終った釣り具を片付けていた。


そこでトントン、とノック音に気づく。

やってきたのはキショウだった。


『昼食呼んでも何か真剣にやってて気づかないし、ちょっと早いけどそろそろ行く準備した方がいいかなと思ってきたんだけど・・・・』


えっ・・・と時計をみると2時20分を指している。

道具一個づつ鑑定をしていて時間をすごく使っていたようだ。


『あーすまん、色々と発見があってのめり込んでいたようだ』


『ははは、ドア開けて呼んでもジーと道具みてるんだもん、タエさんがおにぎり作ってくれてるからそれ食べてきなよ、そこから出発しようか』


『わかった、服はそれでいいから長靴だけ準備しといてくれ』


俺は急いで昼食を食べに行く。

タエさんがワタツミと戯れていたので昼食作ってくれてたのにすいませんと謝罪しておく。


おにぎりを食べ終え準備も出来たのでキショウと共に罠の回収へ出かけることにした。

まずは砂浜地帯の罠からだ、潮も引いて沖の方を見ると罠の一部が見えている。


『さて、何かはいってるかね?』


と罠を持ち上げてみるが入っていたのはキスが2匹のみ。

残念ながらここはハズレみたいだ。

それをキショウに伝え次は岩場へと向かう。


ここは潮が引いても罠は沈んだ状態だ。

紐を取り付けて岩場の上に括り付けていたのでそれで引っ張り上げる。


『せっかくだからキショウが上げてみるかい?』


『お、やってみるよ!』


波でたわんでいた紐を引っ張り上げ始めたキショウ。


『なんかすごい重い気がする・・・』


と一生懸命引っ張り上げるキショウ。

まあ、あれだけの仕掛けを海に浸かってる状態から引っ張り上げると重いからなーと見てると罠の中に何か黒い物体のようなものが見える。

そして罠に括り付けた網目状のヒモが結構ズタズタにされている。


なんだ、なんだとキショウが引き上げた罠に入っていたのはありえないぐらい巨大なイシガニだった。

一瞬ガザミか?とおもったが甲羅が横に長く無い為イシガニと思ったのだ。

イシガニはハサミを振り上げ威嚇行為をしてくる。


『うわ、うわ、何これ』


キショウは大興奮だ。


『これはカニと言ってな、海にいる甲殻類の生き物だよ、そのハサミには気をつけろよ、そのサイズだと下手すると指とか切り落とすかもしれないからな』


おれの説明にキショウはヒィと悲鳴を上げている。

一応カニを鑑定してみると


【名:イシガニ 毒なし 食用可】


よし、やっぱりイシガニか、しかし本当にでかいな、たしかイシガニて10cm前後だとおもうんだがこいつは30cmはありそうだ。

俺は後ろから足の付け根を掴むようにしてバケツへイシガニを放り込む。


『目的の物じゃないけどこれも絶品だぞ』


『これがおいしいのか・・・見た目ではわからないもんだね』


じゃあ最後のイカが釣れるポイントだ。

ここも岩場に紐をくくりつけてある。

また上げるか?と聞いてみたがさっきので疲れたというので俺が上げていく。

中々の重量感を感じるので何か入っているだろう。

海面まで引っ張り上げた罠にはピチャピチャと撥ねる音がする。

俺はニンマリしつつ


『やはりイカがいるポイントだからな、ここにいてくれたか!』


そう、俺が捕りたかった本命のエビが見事にカゴ罠にたくさん入っていたのだ!

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