第35話
店へはいり目的の物を探すが大きいものしかない。
『すいませーん、これの片手で持つような小さいの無いですかね』
店員に尋ねると
『ありますよ、お持ちしますね』
と、取りに行って持ってきてくれた。
欲しかったサイズなのでそれを5個づつ購入した。
俺が買ったのは小さいクマデと鍬だ。
『やったぞワタツミ、これで貝掘りできるし虫掘りもできるぞ』
『キャンキャン』
用事も終えたので、店員さんにゆっくりできる公園みたいなの無いかと聞くとあったので場所を聞きそこへ行く。
そして見えて来たのは芝生が綺麗な大きな公園だ。子供たちがかけっことかしてるのも見える。
『ここならできそうだな』
と、俺はさきほどの店で見つけて買っておいた平らな樹脂皿を取り出す。
試しに軽く投げてみるといい感じに飛んでいく。
これならフリスビーとして使えそうだ。
ワタツミはそれを見て何か感じ取ったのか目をキラキラさせて期待してるみたいだった。
『ワタツミ、これを俺が投げるから落ちる前にお前がキャッチする遊びだ、やってみるか?』
『キャンキャンキャン!』
やる気満々だな。
はじめはゆっくり投げて10m以内ぐらいでいいかなと投げてやる。
投げた瞬間にワタツミはとてつもない速さで走って追いかけ、まだ威力が無くならず落ちてきてないフリスビーを大ジャンプして咥え取り戻ってくる。
まさか一発目から成功させるとはな、すごい身体能力だ。
皿を受け取り顔をモシャモシャとモフってやり、よかったぞと褒めてやると目を細めて尻尾ビュンビュンだ。
これなら本気で投げても行けるかなと2投目を投げてやる。
勢いよく飛んでいくフリスビーにワタツミは並走するかの如く走り見事にキャッチする。
こいつはすごいなと角度を変えたりして変化をだしつつワタツミとフリスビーを楽しんだ。
20投ぐらいはしただろうか?さすがに俺は疲れてきた。
ワタツミはまだ元気いっぱいでやりたそうだが少し休憩をさせてもらおうと思ってたらさきほど公園を掛けっこしてた子供五人がこちらをジーっと見ていた。
珍しい遊びをしていたので興味津々なのだろう。
俺は子供たちにワタツミの相手を頼もうと思い手招きしてやるとパーっと笑顔になり駆けてくる。
『こんにちわ、お兄さんちょっと疲れちゃったから代わりにこいつと遊んでやってくれないかな?』
子供たちはやるーやるーと言ってくれた。
まあ子供ってのは物珍しいものをみると自分もやりたがるものだしな。
やり方を説明して一つしかないから順番になと言い俺は地面に座って休憩にはいった。
俺ほどの距離は出ないが投げ方に差がありその変化をワタツミも楽しめてるようだ。
子供たちとワタツミも1時間ほど遊んで満足したようだ。
また見かけたら遊んでやってくれよなと子供たちと別れて帰路へ着く。
もどったら色々料理開始だなと家へ着こうとしてる時だった。
家前に先日のった馬車が来ておりジンさんがいるのが見えてきた。
なんだろうな?また呼び出しでもされるのかな?と考えつつジンさんの方へ向かうのだった。




