第28話
少し待つと白衣を着た筋肉ダルマがやってきた。
小さく筋肉がはち切れるほど膨らんでおりヒゲを蓄えたドワーフだ。
白衣似合わねーと思ったのは秘密だ。
トレーに載せた木箱を持ってきており、それを開くと厚さ2cm、長さ10cmぐらいの板のようなものが載っている。
ちょっとでかいけど昔のデジカメとかあんなもんだったよなーとも思う。
『はじめまして、渡り人殿、私は王室魔道工学長のブラウンと申します』
と挨拶をしてくれたのでこちらも挨拶をする。
『こちらが改良をおえた最新カメラとなります』
手渡され見た感じ分厚いデジカメだった。
使い方の説明を楽しそうに語ってくるブラウンさん。
ああ、こういう機械好きなんだなと感じる。
カメラの機能を聞いてて源蔵はどこで出来るのかなーと思ってるととんでもない発言を聞いてしまった。
『写真を撮る機能はこんな所です、では続いて投影焼き付け機能をお教えします』
ん、どゆこと?と思って説明を聞く。
スイッチを切替るとモードが切り替わる。
写真を選びボタンを押すと空中に投影される、紙などに投影して別のボタンを押すとそこへ焼き付ける機能があった。
正直とんでもない技術だ・・・ちょっと古いデジカメだなーなんてとても失礼な考えであった。
俺が大絶賛するとブラウンさんはうれし泣きしてしまった。
五郎さんが伝えたピンホールカメラからここまでの進化を認められた気がして感極まったそうだ。
『とてもすごく便利な物です、ありがたく使わせてもらいます』
お礼をいいカメラをもらった。
これ以外にもいろんな物を開発してるので今度見にきてくださいと言われ約束をし話を終えた。
あとはノートやペンなどの筆記用具などは町で買えばいいねと話し会談を終え帰ろうとなった時だった。
フェンリル一家からさきほど突撃してきた子フェンリルがやってくる。
キャンキャン鳴きながら前足を上げ俺の足へ絡んでくる。
ははは、遊んでほしいのかと屈んでワシャワシャしてやってるとジャンプして俺の顔へ顔を近づけてくる。
なんだ、顔をペロペロしたいのかと思ってると
『まさか・・・いや・・・』
と王様がマジ顔している、王妃もどこか真剣顔だ。
『はじめにーちゃん、その子を抱っこしておでこをくっつけてみて欲しいのだ!』
ビャクが目をキラキラさせ大興奮した感じで言ってくる。
なんなんだろうなーと子フェンリルを抱っこしおでこをくっつけてやる。
『うーきゃん』
と何か力を入れつつ子フェンリルが吠えると、俺と子フェンリルを光が纏った。
え、何何と俺が皆を見ると茫然としている最中
『やったーおそろいなのだー』
とビャクは大喜びし、子フェンリルに頬をペロペロされている俺。
説明を求めたいのだが皆はまだ驚いたままだし、ビャクは大興奮し白丸に抱き着いている。
誰でもいいから再起動してくれないかなと途方にくれるのだった。




