第22話
俺が色々考えてる最中、馬車は進み無垢的場所へ着いたのか停止した。
外を見れば馬鹿でかい門前だ、やはり城へ来たようだ。
『キショウ様、どうやらお迎えが来ているようですよ』
ジンが声をかけてくるが若干苦笑いだ。
キショウとともに降りてその人物を見る。
すごく立派な服を着ておりかなりなお偉いさんかなーとキショウの方を見ると、しかめっ面になっている・・・・苦手な人なのかな?と思ってると
『ようこそおいでなさいました、私はジパング国の宰相をしておりますキシと言います、どうぞ宜しく』
え、宰相ってめっちゃえらい人じゃね?日本でいうなら官房長官みたいもんか?とアホな思考に入っていると
『宰相様、渡り人のはじめ様をお連れいたしました』
と、キショウがすごく丁寧なあいさつをしているので、おれもそれにあわせ会釈する。
『はいどうも、さてキショウちゃん、これは正式な会談でもないしそんな堅苦しい挨拶は父さんは悲しいんだけど・・・』
『うざ・・・』
キショウのボソっとした言葉に宰相が引き攣る。
何やら緊張した空気になってしまった。
『宰相様、挨拶は終わりましたので私がはじめを案内するのでお仕事に戻っていただいていいですよ?』
若干キショウは切れ気味だ。
『く・・・なんでキショウはこんなに私に厳しいのだ・・・しかもタエさんがいるとはいえ男と一緒に暮らすなど・・・』
キシさんは小声で言ったようだが皆に聞こえている。
これはマズいんじゃなかろうかとキショウを見ると能面のようなすごく冷めた顔で父親をみている。
そして親子喧嘩という名のキショウが一方的に父親disりが始まった。
キシさんは泣きそうな顔で言われまくりだ。
どうにかならないかとおもいジンさんの方を見るとこちらへ来て耳元で
『解決できる方を部下に呼びに行かせました、あれに絡むのは危険なので触らない方がいいです』
とのことだ。
もうやめてあげて、キシさんが死にかけてるよ!とおもってると
『はいはい、親子喧嘩はそこまで、渡り人さんも呆れてるわよ』
と鎧を着たすごく綺麗な女性が現れた。
するとキショウはパーーっと笑顔になり
『はーい、わかったよお母さん・・・・・・・これで勘弁してあげるよクソオヤジ』
後半は本当に小さくボソっといったので近場にいた人にしか聞こえてなかっただろう。
『はじめさんでいいのよね?ごめんなさいね、家のものが変な物みせちゃって』
ふふふと笑いながら言ってくる。
『あ、はい、一といいます』
ここまでの超美人は今まで見た事なく緊張してしまう。
『なーに照れてるのはじめはー』
とからかい気味にキショウが言ってくる。
あらあら、うふふと妖艶な笑顔でいるお母さん。
『そういえば名乗ってませんでした。キショウの母でキシュウと言います、どうぞ宜しく』
と頭を下げてくる。
『キショウさんにはお世話になってます、こちらこそどうぞ宜しくです』
『はいはい、挨拶はもういいでしょ、王様達もまってるんだろうし』
『そうね、王様以上に姫が速く会いたがってたわ』
とキシュウさんが言う。
まさか姫ってのは・・・・と思いついた女の子がいる。
しかし国の姫があんなに無防備&天真爛漫なもんだろうかとも思う。
キシュウ、キショウ親子に連れられて城内に入って行く。
後ろでは真っ白になったキシさんがいまだに再始動できずに佇んでいるのに泣けた・・・・。




