第18話
店を出るとキショウが大きな袋を持って待っていた。
『どこ行ってたのー?お店覗いたけどいないからどこか行っちゃったのかと思ったよ』
『ごめん、店のおっさんと釣りの事で話してたら先祖の釣り道具を見せてもらう事になってそれを見てたんだ』
『そうだったんだ、じゃあ次はスライム場に行こう』
キショウから荷物を受け取りついて行く。
5分ほど歩くと大きな建物に到着した。
『ここだよー、使用方法教えるから中にはいるねー』
俺は頷きついて行く。
中に入って思ったのはとてもきれいで匂いなども無い事だ。
俺がキョロキョロして周りを見ると綺麗なお姉さんが受付をしていた。
『いらっしゃいませキショウ様、今日はご利用ですか?』
『やあマユさん、今日はこちらのはじめにここの説明に来たんだ』
『あらそうでしたか、ではそちらの方が開祖と同じというお方ですか?』
『うん、そうだよー』
と二人がこちらを見てくるので
『はじめまして、一といいます、どうぞよろしく』
『はい、私はここを管理してますエルフ族のマユといいます、どうぞよろしくです』
挨拶をすませ、使い方の説明を受ける。
営業時間内にいつでも持ってくればいいらしい。
国営で無料で使えるらしい。
清潔にして衛生の為とのことだ。
『キショウさま少しお時間よろしいでしょうか?』
『ん、どうしたのー?』
『これは国にもお伝えしてるんですが、スライムが変化を欲しがってるようなんです』
『どういうこと?』
『スライムに与えてる物は長年変化がありませんので、何かひとつでもいいので変化が欲しいなーっとスライム側から意思を伝えてきました、これはすべての処理場で起こってるんです』
『なるほどね、スライムさんにはとても助けられてるからどうにかしたいね・・・あっ!』
と俺を見ている。
『ねえ、はじめ!あの処理してたのもう捨ててもいいんだよね?』
『ん?ああ、問題ないぞ』
『よしすぐ取ってくる!ここで待ってて!』
答えも聞かずにキショウは走り出していった。
マユさんは何事?とポカンとした顔をしてたが、答えを求めるように此方へ向く。
俺は釣りと海産物食文化を普及させたい事と、今日釣った魚を捌いて出たゴミのことを話した。
『なるほど、キショウ様はそれが今回の問題の解決に役立つと思って取りにいったわけですか』
とマユさんは微笑んでいる。
すぐにキショウが戻ってきて
『はあ、はあ、ただいま!、マユさんこれを与えてみたらどうかな?』
とツボをさしだした。
ツボを受け取ったマユはエサ能えば?ゴミ捨て場へ出向くと目をつぶって立っている。
すると何かがうごめく様にマユの目前へ集まってくる。
透明だが薄く色んな色がついたものだ、これがスライムか。
『うん大丈夫みたい、与えてみます』
どうやらさきほどの行動が意思疎通だったみたいだ。
大きな受け皿へツボをひっくり返して中のゴミを出す。
するとスライム達は一斉にそれに向かって行く。
覆いかぶさるようになって体内へ取り込んでるようだ。
1分もかからず皿の上はピカピカだ。
スライム達はプルプルと震えている。
マユが再度目をつむり通信?してるようだ。
目を開きこちらへ向くと
『大成功です!スライム達は大喜びです!』
と笑顔で答える。
キショウもやったーと喜んでいる。
俺は解決して良かったなと思うと同時にこれはチャンスなんじゃないかと考え込んでいた。
初めて評価いただけました。
めっちゃ嬉しかったです、ありがとうございました。




