第16話
どんな肌着があるのかと思ったが、普通にシャツやトランクスタイプのパンツがあった。
3セットもあれば十分と思い、こだわりもない為すぐに選び終わる。
キショウ達の方へ行くと、ウメさんと服をたくさん選んで議論している。
こちらに気づくと
『え、もう決めちゃったの?んーこっちはまだ決めかねてるのよ』
やばい・・・これは長くなるやつだ・・・。
どうしたものかと突っ立っていると
『じゃあ向かいの茶屋で待っててよ、じゃあはいこれお金』
とこちらの心情をよみとったキショウが言ってくる。
すぐに服選びに戻りウメさんと議論再開している。
これは言われ通りにしようとお金を受け取り向かいの店へ出向いていく。
店へ入ると
『いらっしゃいませ』
元気よく出迎えてくれたのは着物をきたかわいい女の子だ。
そういえばお金渡されたはいいが価値を知らないやと思い
『すいません、すこし時間を潰したいんですがこれで何か出してもらえればと思うんですが足りますか?』
とても変な客だと自分でも思うが、変な顔もせず
『はい、大丈夫ですよ、お茶と名物のサンドイッチでどうでしょうか?』
と対応してくれる。
『ではそれをお願いします』
『はい、じゃあそこにおかけになってお待ちください』
ニコっと笑ってさがっていく。
席へ着いて5分ぐらい待ったぐらいで
『おまちどうさん』
てっきりあの子がもってくると思ったらめっちゃ筋肉質なおっさんがやってきた。
向かいの席につき
『うち自慢のサンドイッチだ、まあ食べながらでいいんでちょっと話しようや』
えーっとちょっと怖いので遠慮したいです・・・。
『あんちゃんは今話題の開祖と同じ人だよな?』
『ええ、たぶん同じ所から来たと思います。』
『じゃああんちゃんは農業とかの知識がすごいのか?』
農業に関して何か聞きたいのだろうか?と思うが趣味でプランターで育てたぐらいなんだよなー。
『すいません、俺は農業に関しては素人知識です』
と俺が答えると
『そうなのか・・・ん、関してはって事は他に何かあるのか?』
『はい俺は元の世界で釣り関連の仕事をしてたんです』
するとおっさんはクワっと目を見開き
『お前は釣りの事が詳しいのか!』
あまりの迫力にビビリつつも
『ええ、できれば失われた釣り文化を今一度広められたらなーって思ってます』
おっさんはうんうんと頷きながら
『ちょっと頼みたいことがあるんだが、うちの先祖は釣りをよくやってたらしいんだ』
『それでうちの倉庫にそういった道具一式があるんだがよく使い道もわからなくてな』
『先祖からのものなので捨てるのもなと悩んでたんだが、もし使い道があるなら貰ってやってくれないか?』
とおっさんは言ってきた。
『歴史ある釣り道具ですしぜひともと言いたいですがいいんでしょうか?』
『やっぱ道具ってのはつかってなんぼだろ?まあ古いからすべてダメかもしれんがな』
がっはっはと大笑い。
『わかりました、では見せてもらえますか?ぜひ譲ってください』
『おうよ、よろしくな』
とてを差し出してきたのでこちらも出して握手をしたのだった。




